スマホで月商9,000万円を生み出す実店舗スタッフも! コロナ禍におけるアパレルブランドの生存戦略

世界で猛威をふるった新型コロナウイルス感染症により、短縮営業や閉店、来店客数の激減など、実店舗をもつアパレルブランドは大きな影響を受けました。

この状況を打破するべく注目を集めているのが、店舗スタッフによるオンライン接客です。来店客数の減少により時間に余裕ができた実店舗のスタッフが自社ECサイトやSNSを活用し、コーディネート提案を中心としたオンライン接客をすることで、コロナ禍でも大きく成長するアパレルブランドが出てきています。

そこで、2021年2月、株式会社フューチャーショップが主催となり、オンラインセミナー「現場スタッフの力をECでも活用する『STAFF START』セミナー」を開催しました。

スピーカーとして登壇したのは、株式会社フューチャーショップ 執行役員 安原貴之(第一部)、株式会社バニッシュ・スタンダード CEO/代表取締役 小野里寧晃さん(第二部)、株式会社クロシェ 業務推進室室長 村岡 乃里江さん(第三部)です。

バニッシュ・スタンダードが提供する「STAFF START(スタッフスタート)」は、店舗に所属するスタッフをDX化させ、自社ECサイトやSNS上でのオンライン接客を可能にする“Staff Tech(スタッフテック)”アプリケーションサービス。
フューチャーショップが提供するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop(フューチャーショップ)」と連携しています。この2つのサービスを活用することで、どういった効果が生まれるのでしょうか?

本記事では、「実店舗とECをどう活用するべきか」「店舗スタッフの実力をいかに効果的にECに活用するべきか」に焦点を当てて、セミナーの内容をレポートしていきます。

【プロフィール】


株式会社フューチャーショップ 執行役員
安原貴之

セールス・マーケティング部の責任者。
受託開発を行う企業に新卒で入社し、上海現地法人立ち上げのため6年間上海に駐在。帰国後にフューチャーショップへ転職してEコマースの世界へ。


株式会社バニッシュ・スタンダード CEO/代表取締役
小野里寧晃さん

1982年10月24日群馬県前橋市生まれ。2004年大手Web制作会社に入社、EC事業部長として主にアパレル企業などのECサイト制作に従事。2011年株式会社バニッシュ・スタンダードを設立。EC構築から運営のすべてを請け負うフルフィルメント事業を提供する中で、店舗スタッフの実力をECサイトに活用させるサービス」の構想を練り、2016年年に店舗スタッフのDXにより店舗とEC、企業と顧客をつなげる“Staff Tech(スタッフテック)”サービス「STAFF START」を立ち上げる。


株式会社クロシェ
村岡乃里江
業務推進室室長

1970年大阪生まれ。関西大学卒業後、第一企画入社、雑誌及び新聞媒体担当。その後、TBSブリタニカでFIGARO・Penなどの広告担当及び、デジタルビジネス委員となり、SK-IIブランドサイト立ち上げなどに携わる。コンデナストに入社、VOGUE広告担当。その後、クロシェに入社し、EC担当を経て、現職でDX化、PR・広報、コピーライトなど担当。高3・中1の2男子の母。

コロナ時代のアパレル店舗とECの現状

第一部は、フューチャーショップの安原より「コロナ時代のアパレル店舗とECの現状」についてお話ししました。

コロナ禍で巣ごもり需要が拡大。アパレルもEC利用が増加


新型コロナウイルス感染症拡大の防止施策として、外出自粛の流れが到来しました。こうした背景のなか、巣ごもり消費が加速し、ECの需要が増えています。

SaaS型EC構築プラットフォーム「futureshop」を導入いただいているアパレル企業に、2020年4〜6月のEC売上昨年対比のアンケートを取ったところ、「レディースファッション」「メンズファッション」「バッグ・小物・ブランド雑貨」すべてのジャンルにおいてECの売上が伸びていることがわかりました。

レディースファッションに関しては、4月が186.2%、5月が197.1%、6月が196.5%。
バッグ・小物・ブランド雑貨に関しては、6月で400.7%の昨年対比を記録しています。

ただし、上記の数字はあくまでも平均で、すべてのアパレル企業のEC売上が伸びているわけではありません。では、売上が伸びている企業と伸びていない企業とでは、何が違うのでしょうか?

ここで事例として紹介したのが、実店舗との顧客統合ができるECサイト構築プラットフォーム「futureshop omni-channel(フューチャーショップオムニチャネル)」を導入されているレディースアパレルECサイト「セキミキオンライン」さま(以下、敬称略)の事例です。福岡県に本社を置くセキミキ・グループ株式会社が運営しており、全国に実店舗も展開しています。

そんなセキミキオンラインのコロナ禍での昨年対比は、4月が259.2%、5月が311.5%でした。セキミキオンラインに限らず、「futureshop omni-channel」を導入している店舗の5月の昨年対比は、214.3%と高い結果が出ています。

次に、セキミキオンラインがコロナ禍でも売上を大きく伸ばせた要因について、解説していきます。

セキミキオンラインが成長したワケは、Instagramを使ったオンライン接客にアリ

セキミキオンラインが力を入れて取り組んでいるのは、オンライン接客です。
とくにインスタライブに注力しており、スタッフが週1回のペースで、商品を使っておすすめのスタイリングを紹介しています。毎週のインスタライブを楽しみにするファンも増え、再生回数も増加中です。

しかし、ただインスタライブをやるだけで効果が得られるわけではありません。コロナ禍でインスタライブを始めるアパレル企業が増えているため、闇雲にスタートさせても視聴者数を伸ばすのは難しいでしょう。そこでポイントとなるのが、フォロワー数です。

フォロワーを増やそうと考えると「公式アカウント」のフォロワー数を増やそうと考えてしまうケースが多いですが、実は公式アカウントのフォロワー数を増やすのは容易ではありません。そのため、スタッフのInstagramフォロワー数を増やすことをおすすめしています。

顧客が気に入った店舗スタッフのInstagramをフォローすることで、コメント欄やDMでコミュニケーションが取れるようになります。実際にコミュニケーションをしてスタッフやブランドに好印象を抱くと、実店舗への来店やECサイトでの購入にもつながりやすくなると考えられます。

セキミキオンラインでも、各店舗スタッフのInstagramフォロワー数を増やしながら、オンライン接客の施策に取り組んでいました。
では具体的に、セキミキオンラインはどのようにスタッフのフォロワー数を伸ばしたのでしょうか?
そのカギを握っているのが「STAFF START」です。

「futureshop」を導入している企業が「STAFF START」を活用すると、店舗スタッフがECサイトにコーディネートの写真を投稿したとき、同時にInstagramにも投稿することが可能です。

スタッフがコーディネートの写真を投稿すればするほど、ECサイトのコンテンツが充実し、Instagramのフォロワー数も増加しやすくなります。また、「STAFF START」は投稿からの売上などもすべてデータ化されており、店舗スタッフはデータをチェックできるようになっているため、個人のモチベーションアップ、つまり従業員の成功体験(EX=Employee Experience)向上の施策としても有効です。

セキミキオンラインは、「futureshop」と「STAFF START」を活用して継続できる仕組みづくりをしたうえで、コーディネート投稿により、店舗スタッフのInstagramのフォロワー数増加に取り組みました。そうして施策を回してフォロワーを増やしながら、インスタライブも定期的に開催する、としっかり戦略を立てています。

SNSは無料で始められるため、「とりあえずやってみよう」とスタートする方もいるのではないでしょうか?
コロナ禍でインスタライブが乱立する今、顧客を呼び込むためには、なんとなくではなく戦略を考えることが重要です。その第一歩として、Instagramのフォロワー数を増加させる仕組みづくりをすることがポイントとなります。

▼ futureshop機能「STAFF START(スタッフスタート)連携」

オムニチャネル化に取り組み、コミュニケーション基盤を確保

セキミキオンラインが成長した要因として、オムニチャネル化に取り組んでいたことも挙げられます。
Instagramを使ったオンライン接客に注力する前から「futureshop omni-channel」を活用し、実店舗とECサイトのポイントを共通化することで顧客統合をしていました。

オムニチャネル化するメリットは、ポイントが共通化されることで、実店舗で買い物していた顧客がECサイトで買い物しやすくなることです。コロナ禍で外出する機会が減ったなか「貯めたポイントを使えるし、ECサイトで購入してみよう」と動機付けになります。

また、オムニチャネル化して顧客統合することで、オンラインでコミュニケーションを取れるようになるのもメリットです。メルマガやアプリ、LINEなど、デジタルのさまざまな手段を使い、対面でなくても顧客と接点をもてるようになります。

セキミキオンラインは、まずオムニチャネル化によって、実店舗も含めた顧客とのデジタルコミュニケーションの基盤を作り、次にその顧客の行動に合わせた接点でのブランド体験をコーディネート投稿の仕組み化で実現されたことが成功の要因と考えられます。

Instagramというひとつの手法だけにとどまらず、デジタルのコミュニケーションの手段をいくつも持っておくことが大切です。そして、スタッフがデジタルを意識した接客を心がけることもポイントでしょう。

「STAFF START」を活用することで得られる効果

第二部は、バニッシュ・スタンダードの小野里寧晃さんより「『STAFF START』を活用することで得られる効果」についてお話しいただきました。

年間1,104億円の売上が生まれる! オンライン接客の可能性

新型コロナウイルス感染症の影響で実店舗への来店が減少し、店舗スタッフのリソースに余剰があるのではないでしょうか。 店舗スタッフのリソースを使い、これまで店頭でしてきた接客を、スマホを片手に自社ECサイトやSNSなど、オンラインで実現させるのが「STAFF START」です。

現在、1,200ブランド以上に導入されており、「STAFF START」を通して発生した年間流通総額は1104億円を突破(2020年12月時点)。毎年3倍のペースで増え続けています。サービスの継続率は97.8%です。

スタッフ個人の月間最高売上は、9,081万円。
売上上位のスタッフが活躍する地域は、1位が熊本県、2位が新潟県、3位が北海道で、地方店舗が多いこともわかっています。オンライン上の接客は、店舗がある地域や時間を気にせず、どこにいても24時間365日行うことができるのです。

SNSが場所にかかわらず個人の力で伸びていくのと同じように、「STAFF START」も店舗スタッフの力で売上が伸びていきます。店舗に来店した顧客に対してだけ接客するのではなく、オンラインで地域、時間にとらわれず接客できると考えると、オンライン接客の可能性は大きく広がっているでしょう。

オンライン接客を成功させるための3つのポイント


それでは、オンライン接客を成功させるための3つのポイントをご紹介していきます。

1つ目のポイントは、売上を伸ばすためには投稿数を増やすことです。

売上上位の店舗スタッフは、必ずしもInstagramのフォロワー数が多いというわけではありません。

接客しなければ商品が売れない店舗と同じように、オンライン接客も投稿しなければ、たとえフォロワー数が多くても売れません。成績がいい店舗スタッフは、投稿数を増やしてオンライン接客を重ね、その結果としてフォロワー数が増えています。そのため、まずは投稿を重ねていくことが重要です。

2つ目のポイントは、ホスピタリティあるオンライン接客をすることです。
実店舗で接客をするとき、顧客が知りたいことを予想しながら、服の見た目や機能だけではなく、質感や着心地などに触れながら提案するのではないでしょうか?その丁寧でホスピタリティある接客を、オンラインでも実現することが大切です。

たとえば、ただ正面からコーディネートを撮影するだけではなく、後ろ姿や服の質感まで写すことによって、顧客の悩みを解決できる可能性が高まります。押さえるべきは、顧客がなにを知りたいのかを考え、求めているポイントをしっかりと伝えることです。

顧客にオンラインで気持ちよく購入してもらうために、「こういう風に着るのがおすすめ」「合わせる小物はこれがいい」など、店頭の接客のホスピタリティを投稿で表現していく必要があるでしょう。

3つ目のポイントは、店舗スタッフによるEC上の貢献度を可視化して、EC上の売上もスタッフ個人や、スタッフが所属する店舗の評価に加えることです。
「STAFF START」では、スタッフ個人の売上額やコーディネートからの売上額、企業内順位など、すべてのデータをチェックできるようになっています。

管理者だけでなく、店舗スタッフそれぞれもアプリから自分の成績が確認できるため、モチベーションアップにつながります。企業内の売れているスタッフの成績を見て、ほかのスタッフのやる気につながるといった相乗効果が生まれていきます。

そして、この可視化された成績を、個人や店舗の評価につなげることで、さらなるモチベーションアップ、つまりEXの向上につながります。
「STAFF START」を導入しているブランドは、平均でEC上の売上の3%をインセンティブとして店舗スタッフに還元しています。

いくら顧客のためだからといってオンライン接客をすることになっても、自分や店舗のためにならなかったら、意欲は湧いてきません。BtoCでもCtoCでもDtoCでもなく、次の世界はスタッフ個人が消費者へ販売する「EtoC(Employee to Consumer)」です。

時代の波にうまく乗るためには、まず従業員の成功体験を上げなければなりません。接客する本人が満たされてはじめて、顧客にも満足度の高い接客を提供できるようになるでしょう。

「STAFF START」を導入するアパレルブランドの事例

第三部は、クロシェの村岡さんより「『STAFF START』を導入する店舗の事例」についてお話しいただきました。

導入の決め手は、スタッフの評価につなげられること

クロシェでは3つのアパレルブランド、10の実店舗を運営しており、そのうち「farfalle(ファルファーレ)」「TRECODE(トレコード)」という2ブランドで「STAFF START」を活用しています。

代表が2020年の年頭所感のひとつとして「メンバー全員がSNSのリテラシーを持っていく」と掲げ、いつかはSNSを活用しなければと思っていたなかで、新型コロナウイルス感染症が拡大しました。全国の店舗が段階的にすべて閉まることになり、「なにか手を打たなければ」と代表がインスタライブを提案し、急に始まることに。そこからInstagram活用が広がっていき、2020年10月に導入したのが「STAFF START」です。

導入の決め手となったのは、EC上の売上をスタッフ個人や店舗の評価につなげやすいことです。「実店舗のお客様をECに取られてしまった」と感じず、オンライン接客に対して前向きに店舗スタッフに取り組んでもらえるよう、評価できる仕組みを導入するのはマストでした。

簡単に投稿をアップできるので、40代、50代のスタッフも使いこなせています。現在は、メンバー総出で「STAFF START」を活用しており、スタッフ個人の力を少しずつ育てている最中です。

スタッフに積極的に投稿してもらうための工夫① 写真映えスポットを作る

施策を成功させるため、実店舗にコーディネートを自撮りできるような写真映えスポットを作りました。

フィッティングルームをおしゃれな空間にしたり、鏡にブランドロゴを入れたり、カラフルな壁にしたり。「ここでコーディネートを撮る」と決めることで、撮影場所に迷うことがなくなり、スタッフの投稿がルーティン化しやすくなります。また、お客様にも撮影してもらいやすくなるため、一石二鳥です。
同時に、スタッフそれぞれのInstagramアカウントのQRコードを印刷し、レジの横やフィッティングルームに貼ることで、Instagramへの誘導施策も行っています。

スタッフに積極的に投稿してもらうための工夫② キャンペーンを実施する

会社全体を巻き込むために、社内で「STAFF START」に関するキャンペーンをし、モチベーション高く楽しみながら投稿に取り組めるようにしました。

2020年10月9日〜2021年1月31日までの約4カ月間、「直接売り上げの1位〜3位」「ページビュー数の1位〜3位」「投稿数の1位〜5位」と3つの賞を作り、賞金を山分けできるコンテストです。

キャンペーン期間中、相談窓口を作り、スタッフの悩みをすぐに解決できる環境を整えました。「使い方がわからない」「売上を伸ばすにはどうすればいいのか」など、さまざまな相談が寄せられています。

実際にキャンペーンを通してわかったのは、投稿数が多いスタッフほど、売り上げた額が高くなることです。たとえば「1投稿しかしていない人の1投稿」と「150投稿している人の1投稿」では、後者のほうが1投稿のもつ威力が大きくなります。

スタッフがたくさん投稿したくなる環境を作り、よりオンライン接客の効果を上げるためにも、キャンペーンやインセンティブなどの工夫を取り入れるのがおすすめです。その際は、「みなさんたくさん投稿してください」とスタッフに投げるだけではなく、しっかりとサポートできるような受け皿作りも大切でしょう。

まとめ/オフライン接客をオンラインで実現し、最高のブランド体験を提供しよう!

コロナ禍で実店舗の売上が落ち込むなか、アパレルブランドの成長のカギを握るのが、Instagramを活用したオンライン接客です。店舗スタッフそれぞれの力を活かし、これまで実店舗で行ってきた接客をオンライン上で行うことで、大きな可能性が拓けてくるでしょう。

「futureshop」は「STAFF START」と連携し、オンライン接客を始めやすい環境を整えています。簡単かつ安価に導入できるので、興味がある方は気軽にお問い合わせください。

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▼ futureshop 「STAFF START(スタッフスタート)連携」詳細はこちらから

▼株式会社バニッシュ・スタンダード 様
 
▼ 株式会社クロシェ 様
 
▼ TRECODE(トレコード)公式オンラインショップ
 
▼ farfalle(ファルファーレ)の公式オンラインショップ
 
▼ SEKIMIKI 公式オンラインショップ
 
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