ECでのInstagram活用法とは?ファンコミュニティを作るアカウント運用のコツ

Instagram活用のノウハウが満載だったオンラインセミナーレポート

「ECサイトの集客や商品PRにInstagramを活用したいが、アカウントの効果的な運用方法が分からない」

EC事業者さまが抱えるそういった悩みを解決するため、自社ECサイトにおけるInstagram活用法をテーマとしたオンラインセミナー「ECでのインスタ活用と公式アカウント運用のコツ インセンティブでフォロワーを増やす時代から“コミュニティ形成”の時代へ」をSasS型ECサイト構築プラットフォームfutureshop主催にて、2021年3月に開催いたしました。

オンラインセミナーの講師を務めたのは、インフルエンサーマーケティング事業などを手がけている株式会社トリドリの三宮翔太さん。累計6万件を超えるインフルエンサーによる投稿事例を踏まえ、商品のPRにInstagramを活用するコツや、公式アカウントを起点にファンコミュニティを作る方法を解説してくださいました。

インスタグラム運用のリアルな疑問を解決する質疑応答も掲載。EC担当者がすぐに使えるInstagram活用のノウハウが満載だったオンラインセミナーをレポートします!

講師を務めてくださった株式会社トリドリ
取締役 プラットフォーム事業部 事業部長 三宮 翔太 (さんのみや しょうた)さん(写真右)と、
進行役の株式会社フューチャーショップ・稲生(写真左)

株式会社トリドリとは?

株式会社トリドリは、企業のインフルエンサーマーケティングや公式アカウントの運用を支援しており、企業とインフルエンサーをつなぐマッチングプラットフォーム「toridori marketing(トリドリマーケティング)」などを手がけています。「toridori marketing 」は1万8000人のインフルエンサーが登録し、通販やEC事業者を中心に累計9000社が導入しています。

企業とインフルエンサーをつなぐマッチングプラットフォーム「toridori marketing」のほか、
インフルエンサー専用の案件探しアプリ「toridori base(トリドリベース)」やZ世代に刺さるPRを一気通貫で手掛ける「toridori production(トリドリプロダクション)」などを展開している

EC事業者が理解しておくべきInstagram運用の基本

セミナーの冒頭に三宮さんは、EC事業者がInstagramを活用すべき理由として「Instagramの利用者が増えている」ことや「買い物における検索ツールとしてInstagramが活用されている」ことを各種データに言及しながら解説しました。

Instagramの利用者数は20代から50代以上まで、男女を問わず伸びています。また、買い物の際の情報収集ツールとしてSNSを活用する人は、20~30代では約7割いるというデータもあります。企業の商品PRやECサイトの集客において、Instagramの重要性はますます高まっていると言えるでしょう(三宮さん)

※画像をクリックすると拡大します。

Instagramのアプリの利用者数が年々増加していることや、買い物の際に情報収集ツールとしてSNSを使うユーザーが多いことなどを紹介したスライド。

Instagramの公式アカウントは「コミュニティ」

三宮さんはInstagramの公式アカウントを運用する際に理解しておくべきこととして、「Instagramの公式アカウントはコミュニティ」と強調しました。

Instagramの公式アカウントは、共通の趣味や価値観をもった人たちが集まるコミュニティであると捉えることが必要です(三宮さん)

その上で、インスタグラムをコミュニティであると捉えと、アカウントを運用するうえで実施すべきことが見えてくると説明し、フォロワーをやみくもに増やそうとせず、共通の興味・関心を持った人が集まる「場所」を提供するイメージを持つと、アカウントを運用しやすいと説明しました。

公式アカウントのポリシーに賛同してくれるフォロワーを集めることが大切です。どのようなコミュニティを作り、どのような人に集まって欲しいのか。そのことをよく考えて、公式アカウントの運用ポリシーや投稿内容を決めてください(三宮さん)

まずは「プロフィール」を改善する

Instagramの公式アカウントを運用する際は、アイコンやユーザーネーム(ID)、自己紹介文、公式ハッシュタグなど、プロフィールの内容を適切に設定することも重要です。プロフィールの内容を工夫することで、公式アカウントがユーザーから見つけてもらいやすくなり、フォロワー数や投稿コンテンツのリーチ数も変わってきます。

プロフィールを工夫することで、アカウント運用の効果が劇的に上がることもあります。すぐに改善できることも多いので、まずは自社の公式アカウントのプロフィールをチェックしてみてください(三宮さん)

プロフィールを作る具体的な方法については、三宮さんの寄稿で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。

InstagramをEC事業に活用するノウハウを解説するシリーズvol1 「インスタプロフィール」

InstagramをECに活用!成果が上がる「プロフィール」7つのポイント

2021-02-03

顧客やフォロワーの回遊導線を設計する

Instagramの企業アカウントを「コミュニティ」として運用するには、フォロワー(=コミュニティメンバー)の導線設計を上手にデザインすることが重要です。三宮さんは、フォロワーがコンテンツを投稿しやすいハッシュタグを設定し、コメントでフォロワー同士がやり取りしやすい雰囲気を作ることが大切だと説明。その上で、フォロワーが実店舗や自社ECサイトなど「Instagramの外側」にも回遊する導線を設計することが重要だと強調しました。

Instagramの公式アカウントに集まったコミュニティメンバーが、ECサイトや実店舗などにも回遊しやすい導線設計が必要です(三宮さん)

フォロワーが実店舗や自社ECサイトなど「Instagramの外側」にも回遊する導線を設計する

優れた導線設計を実現している企業の事例として、家具のECサイト「LOWYA」さまの公式アカウントを紹介しました。

まず、公式アカウントが投稿した写真の一部にはショッピングタグが付いており、InstagramからECサイトへの導線が設置されています。さらに、フォロワーなどがハッシュタグ付きで投稿した写真をECサイトのコンテンツとしても活用。「みんなの投稿写真」というコーナーをECサイトに設け、Instagram上の投稿を引用するかたちでECサイト上に表示しています。

「みんなの投稿写真」に掲載された写真をタップすると、写真に紐づいた商品の画像や商品名、価格がポップアップで表示され、商品ページに飛ぶことができます。また、写真を投稿したユーザーのInstagramアカウントへの導線(リンク)も貼られており、ECサイトとInstagramをシームレスに行き来できるようになっています。

Instagramに投稿されたコンテンツを起点として、ECサイトと公式アカウント、コミュニティメンバーのアカウントを回遊できる導線が作られています(三宮さん)

Instagramに投稿された写真をECサイトに掲載(引用)。
写真をタップすると商品ページや投稿者のInstagramアカウントへ飛ぶように
回遊動線が設計されている

公式アカウントのアカウント名は「LOWYA(ロウヤ)│インテリア│家具」と設定されており、サイト名や商品カテゴリなど、検索されやすいキーワードにヒットする工夫が施されています。また、アカウントの説明文に「#LOWYA」「#ロウヤ」と記載し、フォロワーに向けて、「使って欲しいハッシュタグ」を明確に伝えていることもポイント。商品を買いたい場合にすぐに飛べるように、ネットショップのURL(リンク)も貼っています。

導線設計に加え、アカウントのプロフィール欄もしっかり作られており、とても秀逸です(三宮さん)

アカウント運営者に必要な心構えとは?

公式アカウントを運営する際、運営者(中の人)の顔出しや、フォロワーが投稿した写真にコメントすべきかなど、運用ポリシーについて悩む方も多いのではないでしょうか。この点について三宮さんは「アカウント運用にルールはありません」と強調しました。

運用のポリシーが決まっていて、世界観が統一されていれば、コンテンツに規則はありません。自分が作るコミュニティなので、細かいことを気にし過ぎない方が面白いコンテンツになることもあります(三宮さん)

親しみやすいイラストで投稿されているアカウントの紹介画像

飲食店の紹介を写真ではなく、イラストで表現し投稿しているインフルエンサーのアカウント。
飲食店からの評判が良く、PR案件の依頼も多いという

また、三宮さんは公式アカウントの運営に関するEC事業者さまの悩みとして

・ 適切な投稿頻度は?
・ 避けたほうが良い行動はあるか?
・ フォロワーを増やす方法を知りたい
・ 運営者が顔を出すべきか否か
・ SNSを運用すると、売り上げにつながるのか
・ どのようなコンテンツを投稿すれば良いか

といったものがあると指摘した上で、こうした悩みへの共通の答えはないと強調しました。

商品の特徴や運営者のポリシー、フォロワーの属性のそれぞれが違えば、アカウント運用において実施すべきことも変わります(三宮さん)

インスタグラムの利用規約が変更

2020年12月10日にインスタグラムの利用規約が改定され、フォローや「いいね!」の見返りに、金銭や金券をプレゼントすることが禁止されました。

利用規約が変わり、金銭的な見返りによってフォロワーを集められなくなったことで、フォロワーを増やすには、これまで以上に「コミュニティのポリシーを明確にすること」の重要性が高まったと三宮さんは強調しました。

金銭的な見返りなしでフォロワーを増やすには、「価値観に賛同してくれる人」を増やすことが必要です。価値観に賛同してくれる人を集めるには、コミュニティーのポリシーをこれまで以上に明確にし、フォロワーが求める情報を発信していくことが重要になるでしょう(三宮さん)

規約改定の注意スライド画像

飲食店Instagramの利用規約が変わり、フォローや「いいね!」の見返りに金銭や金券をプレゼントすることが禁止された

インフルエンサーマーケティングの意外な活用法とは?

ECサイトの集客や商品PRにInstagramを活用する上で、インフルエンサーマーケティングは効果的な手段の1つです。三宮さんは、インフルエンサーマーケティングを実施するメリットについて、商品の認知向上や売り上げアップの他に2つのメリットを挙げました。

  1. インフルエンサーが商品を紹介する際の写真の見せ方や、コメントの作り方を、商品訴求のヒントにする
  2. インフルエンサーの投稿に対するフォロワーの反応(コメント)を分析し、公式アカウントの投稿コンテンツを作るヒントを探す

インフルエンサーマーケティングの最終的な目標は売上につなげることですが、それ以外の効果として、インフルエンサーの投稿内容やフォロワーの反応を分析し、公式アカウントの運用に生かすこともできます(三宮さん)

#トリドリベースでinstaタグ検索を行った結果の画像

「トリドリマーケティング」や「トリドリベース」でマッチングした
インフルエンサーマーケティングの投稿事例は、
「#トリドリベース」や「#コラボベース」のハッシュタグ検索で閲覧できる

Q&A インスタ運用の疑問に回答!

セミナーの後半は質疑応答を行いました。
聴講者の皆さまからInstagramのアカウント運用の実務に関する質問が多数寄せられ、三宮さんが解決策をその場で解説。質疑応答の一部を紹介します。

Q1:公式アカウントがタグ付けされた場合、その投稿に「いいね!」を押した方が良いでしょうか?

A:
ユーザーと良好な関係を構築する上で、「いいね!」を押すことは効果的だと思います。公式アカウントをタグ付けしたユーザーは、その企業やブランドに好意的だと思いますので、公式アカウントから「いいね!」を押してもらえたら喜ぶのではないでしょうか。。

Q2:アパレルブランドの公式アカウントを運営しています。フォロワーが公式アカウントをタグ付けして投稿した写真が、ブランドイメージとずれていた場合、タグ付けを外しても良いでしょうか?

A:
ブランドの世界観に合わない写真にタグ付けされた場合、タグ付けを解除するアパレルブランドもいます。会社ごとの判断になるでしょう。

Q3:カフェを運営しています。実店舗のアカウントを運用しているのですが、ECサイト専用のアカウントも開設した方が良いでしょうか?

A:
実店舗とECサイトのコンセプトや客層が違うなら、アカウントを分けても良いですが、そうでないならアカウントは1つで良いと思います。アカウントを共通化した方が宣伝効果は高まります。

Q4:Instagramの「ストーリー」の効果的な使い方を教えてください。

A:
リアルタイムの情報はストーリーを使うと効果的です。例えば、ゲリラセールを告知するにはストーリーが適しているでしょう。ただし、ゲリラセールを頻繁に実施していることをアピールしたい場合には、投稿が保存されるように通常投稿にした方が良いでしょう。

Q5:公式アカウントが投稿するコンテンツは、世界観を統一した方が良いのか、より広い層に受け入れられるように世界観の違うコンテンツも投稿した方が良いのか迷っています。

A:
公式アカウントがまったく世界観の異なるコンテンツを投稿すると、アカウントのイメージが崩れるリスクがあります。世界観が異なるコンテンツを投稿する際は、試しにインフルエンサーに依頼し、フォロワーの反応を見てみるのも良いでしょう。

Q6:中古ブランド品を販売しています。在庫はすべて1点ものですが、インフルエンサーマーケティングの効果はあるでしょうか。

A:
商品が1点ものだと、インフルエンサーマーケティングで商品を紹介しても1点しか売れないため、費用対効果が合わないことがあります。インフルエンサーマーケティングを行う場合は、品ぞろえをアピールしたり、目利き力を訴求したりするなど、お店の価値を伝えると良いでしょう。

Q7:プロフィール欄のハッシュタグは最大30件設定できますが、できるだけたくさん設定した方が良いでしょうか。

A:
ハッシュタグは3つ程度に絞った方が、自分たちが重視しているテーマが明確になり、フォロワーがハッシュタグ投稿を行いやすくなると思います。

Q8:インフルエンサーマーケティングを行いたいのですが、商品単価が高いため、たくさんのインフルエンサーに商品を無料で提供すると経費がかかり過ぎてしまします。解決策はあるでしょうか。

A:
ショールームやポップアップストアなどでイベントを開催し、インフルエンサーを招待して商品体験会を行うと、商品を提供せずにインフルエンサーマーケティングを行えます。

Q9:顧客に外国人が多いのですが、アカウントは日本語と英語で2つ運用した方が良いでしょうか。

A:
バイリンガル投稿機能を使うと良いと思います。

Q10:フォロワーを増やすにはどうすれば良いでしょうか。

A:
「何を投稿すれば、フォロワーが盛り上がるか」を考えてください。既存のフォロワーが盛り上がるコンテンツを投稿すれば、自然と新しいフォロワーも増えていきます。イベントを開催して写真を投稿したり、商品制作風景を投稿したりして、フォロワーが喜ぶコンテンツを探ってください。

Q11:ECサイトに載せている商品画像をInstagramの公式アカウントに投稿しています。ECサイトとは別に、公式アカウント用に写真を撮影すべきでしょうか。

A:
Instagramで好まれる写真は、商品の利用風景など、ユーザー目線の写真です。ECサイト用のブツ撮り画像しかないなら、Instagram用に写真を撮影した方が良いと思います。

Q12:ハッシュタグはビッグワードではなく、意味を限定したキーワードを設定した方が良いでしょうか。

A:
例えば「母の日」のプレゼント需要を狙う場合、ハッシュタグに「母の日」を設定すると抽象的すぎるので、「母の日ギフト」「母の日プレゼント」など意味を限定した単語を設定した方がいいと思います。

Q13:フォロワーが投稿した写真を公式アカウントがシェアする場合、投稿者に承認を取った方が良いでしょうか。

A:
シェア機能は公式機能ですが、シェアされることをマナー違反と感じる人がいるかもしれないので、念のため承認を取った方が良いでしょう。

Q14:ECサイトの主な客層は40代以上なのですが、Instagramの公式アカウントを運用した方が良いでしょうか。

A:
40代以上のユーザーもInstagramを使っているので、運用した方が良いでしょう。

Q15:ギフト商品を販売しています。プレゼントを送られた消費者がInstagramに写真を投稿するようにする方法はありますか?

A:
例えば、プレゼントを送ってくれた相手へのお礼をInstagramで伝えるキャンペーンを行うと良いのではないでしょうか。「ありがとうを、インスタで」といったハッシュタグを設定するキャンペーンです。ギフトを送られた人が感謝の気持ちや喜びの気持ちを添えて投稿する写真は、Instagramの世界観にマッチします。

まとめ

今回のセミナーでは、Instagramの公式アカウントを運営する上で必要な心構えや、プロフィールの設定方法といった、分かっているようで理解できていなかったポイントを基礎から学ぶことができました。その上で、公式アカウントのフォロワーをECサイトに回遊させる動線設計など、実務で使える具体的なノウハウも知ることができました。

何より、Instagramの公式アカウントは「コミュニティを作ること」を意識して運用する必要があるという三宮さんの言葉は、説得力がありました。

公式アカウントの運用方法に悩んでいる方は、まずは三宮さんが解説してくださった内容から着手すると、改善を進めやすいのではないでしょうか。そして、ブランドの価値観に共感したフォロワーが集うコミュニティを目指してください。

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