コンテンツSEOの成功事例!コロナ禍でECを伸ばした店舗さまの取り組みとは

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EC業界の専門家や店長さんを招き、対談形式でECについて語る「やくにたたないECラジオ」。会話のついでにポロッと出てきたひと言から、ECの成功のヒントが見つかるのでは?そんな発想から生まれたラジオのようなオンライン番組です。

8月18日に開催した第1回のゲストは、ECコンサルタントであり、SEOの専門家として数々のネットショップのコンテンツマーケティングを支援している株式会社ユウキノイン・酒匂雄二さん。

コロナ禍で大きな影響を受けたアパレル業界やブライダル業界、食品業界において、厳しい経営環境に置かれながらも、ECに活路を見出した店舗さまの取り組みを語ってくださいました。

コンテンツマーケティングにおいて押さえておくべきSEOの最新トレンドにも言及した「やくにたたないECラジオvol.1 コロナ禍の窮地からECでV字回復」をレポートします。

株式会社ユウキノイン・酒匂雄二さん(写真右)と株式会社フューチャーショップ・稲生達哉(写真左)

株式会社ユウキノイン・酒匂雄二さんがゲスト登壇

「やくにたたないECラジオ」の第1回のゲストはSEOのプロフェッショナルとして多数のECサイトのコンテンツマーケティングを支援している株式会社ユウキノイン・酒匂雄二さん。起業する以前は、ECの店長としてEC事業を大きく伸ばした実績を持つなど、ECの実務全般にも精通しています。

個人経営のサロンから年商200億円規模の企業まで、ECサイトやコーポレートサイトのSEO、ブログのライティング、facebook、twitter、InstagramなどSNSの運用支援、社内のWEB担当者の育成、クラウドファンディングによる資金調達の支援から売上計画の立案、戦略業務までWEBを活用した総合的なコンサルティング業務を伴走型で支援しています。

ゲストプロフィール】 

株式会社ユウキノイン 代表取締役 酒匂 雄二 (さこう ゆうじ)氏

ゲームクリエイター専攻後、ネット通販会社、ゲーム会社を経て紳士アパレルSPA入社。ECの店長・生産管理・実店舗・卸売を統括した。SNSを活用し、広告費をゼロにしながら自社店舗の売上を2年で400%に成長、自社通販サイトは2017年、イーコマース事業協会主催の第9回全国ネットショップグランプリで準グランプリを受賞。自社の成功事例を共有するべく異業種交流会を有志と設立し、セミナー講師、他社ECサイトの構築、企画・運営代行などを手掛けるように。2020年1月に株式会社ユウキノインを設立。
インタビュアー】 

株式会社フューチャーショップ カスタマーコンサルテーション部 稲生 達哉 (いのう たつや)

ECのためのアカデミー「futureshop ACADEMY」の企画および講師を務める。WEB制作会社を経て、2012年にフューチャーショップにジョインしECの世界へ。「futureshop」ユーザー2800店舗のECサイト相談を毎日対応した経験を生かし、現在は直にお客さまの相談に乗り「今、必要とされていること」を感じ取りながら、各種セミナー・勉強会の企画・運営に携わる。ECサイト担当者のためのメディア「E-Commerce Magazine」の企画・運営も担当。

オウンドメディアを統合してドメインパワー向上、アクセス数が8倍に

酒匂さんは約1時間20分の番組中、アパレル業界やウェディング業界、食品業界におけるコンテンツマーケティングの成功事例を多数解説してくださいました。その一部を紹介します。

1社目の事例は、結婚式や披露宴で使う小物類を販売している「FARBE(ファルベ)」さま。2020年9月にECシステムをリプレイスして自社ECサイトを刷新し、さらに、コンテンツマーケティングを強化したことでアクセス数を大幅に増やすことに成功した事例です。

2020年春以降、結婚式の中止や自粛が相次いだ影響から、4~6月における「FARBE」さまのアクセス数は前年の半分以下まで落ち込んだそうです。厳しい経営環境の中で「FARBE」さまは、コンテンツマーケティングを強化するため、あえてECサイトのリニューアルに踏み切りました。

ECサイトのリニューアルでポイントになったのは、それまで別々に運営していた3つのオウンドメディアを再編成し、すべてのコンテンツをECサイトのドメインの配下に置いたこと。その結果、ECサイトのドメインパワーが高まり、サイト全体のアクセス数はリニューアル前の約8倍に伸びました。

別々に運営していたメディアを統合し、質の高い記事を大量にECサイトに掲載したことで、ドメインパワーが高まりました。ECサイトをリニューアルし、オウンドメディアを統合したことで、ものすごい化学反応を起こしたんです(酒匂さん)

ブライダル小物のECサイト「FARBE(ファルベ)」さま。ECサイトのコンテンツマーケティングを強化するため、2020年9月にfutureshopのCMS機能「commer cecreator」を導入 

※画像出典:「FARBE」トップページのスクリーンショット 

「スタッフブログ」など多彩なコンテンツをECサイトで発信している

※画像出典:「FARBE」「おしゃれな結婚式を綴るコラム」のスクリーンショット

「FARBE」さまは当初、ブライダル業界の閑散期にあたる2020年の年末にECサイトをリニューアルする予定でした。しかし、コロナ禍で生き残るためにはコンテンツマーケティングの強化が必須だと判断。時期を前倒ししてリニューアルに着手し、わずか3カ月で新しいECサイトを立ち上げました。

ファルベさんは2020年のゴールデンウィークに、「このまま待っていてもダメだ、痛みを伴っても攻めよう」とリニューアルを決断しました。英断だったと思います(酒匂さん)

「FARBE」さまは現在、コロナ禍における結婚式のあり方に目を向け、新商品を積極的に開発しています。フェイスシールドにもなる席札はヒット商品の1つ。コロナ禍でニーズが高まりそうな商品を開発し、ブログなどで発信したところ、テレビ番組にも取り上げられて大きな反響を呼びました。

フェイスシールドにもなる席札は、テレビ番組にも取り上げられてヒット商品になった

※画像出典:「FARBE」商品ページのスクリーンショット

レシピ構造化が奏功。「おうちご飯」で高級お取り寄せグルメがヒット

次に紹介する事例は、高級食材のお取り寄せサイト「BREJEW(ブレジュ)」さまが、ECサイトで販売している食材のアレンジレシピを公開し、そのレシピコンテンツをきっかけにECの売り上げを伸ばした成功例です。

2020年4月に緊急事態宣言が発令された影響で、「BREJEW」さまにとって重要な集客チャネルである百貨店やスーパーでの試食販売を実施できなくなりました。その対策として「BREJEW」さまはコンテンツマーケティングの強化に踏み切ります。

特に力を入れたことの1つは、商品を使ったアレンジレシピをECサイトに掲載すること。外食を控えた消費者が自宅で食事を作れるように「おうちご飯応援キャンペーン」なども企画しました。

商品を使ったアレンジレシピを掲載し、レシピ経由で商品ページに集客している

※画像出典:「BREJEW」レシピページのスクリーンショット

レシピコンテンツが検索ユーザーから発見されやすくなるように、構造化データを使用してレシピのコンテンツをGoogleに伝える「レシピ構造化」も実施。コンスタントにレシピコンテンツを量産した結果、検索経由のアクセス数が伸びたほか、レシピコンテンツがテレビ関係者の目に止まり、「おうちご飯」をテーマとしたテレビ番組などに取り上げられたそうです。

ブログでアレンジレシピを積極的に発信し続けた結果、1万円以上するローストビーフなどがテレビ番組に何度も取り上げられ、そのたびにECサイトのアクセスと売り上げは爆発的に伸びました(酒匂さん)

高級食材のお取り寄せ通販サイト「BREJEW(ブレジュ)」さま

※画像出典:「BREJEW」トップページのスクリーンショット 

店舗スタッフのコーディネート投稿が共感を生み、EC売上が拡大

3つ目にご紹介するのは、コロナ禍で実店舗の営業時間を短縮したアパレル企業が、店舗スタッフさんによるコーディネート投稿やSNS活用によってECの売上を伸ばした事例です。

レディースファッションのECサイト「CLOCHE(クロシェ)」さまは2020年春以降、度重なる緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置を受け、営業時間の短縮や催事販売の休止といった対応を迫られました。

対面販売の機会が減った影響をカバーするため、オンライン販売を強化するために「CLOCHE」さまが力を入れて取り組んだ施策の1つが、店舗スタッフさんによるコーディネート投稿やSNS活用です。幅広い年代や、さまざまな体型のスタッフさんがコーディネートを投稿し、着こなしのポイントや商品の感想などを発信しています。

コーディネート投稿を経由してECの売り上げにつながっているほか、実店舗が営業を休止していた期間中は、コーディネート投稿やSNSでの情報発信が店舗スタッフさんの活躍の場にもなりました。

「CLOCHE(クロシェ)」さまのコーディネート投稿ページ。「STAFF START(スタッフスタート)」を導入し、コーディネートからECサイトの商品ページへとユーザーを誘導している

※画像出典:「CLOCHE」コーディネートページのスクリーンショット

 店舗スタッフさんのコーディネートを見たユーザーさんは、年齢や体型が自分に近いスタッフさんの着こなしを見て「私も似た体型だから、この服が似合うかもしれない」「私もこうなりたい」といった感情を持つでしょう。そういった「共感」が、購入の動機へとつながっていきます(酒匂さん)

クロシェさんの店長さんと以前お話をしたとき、「店舗スタッフのことを好きになってくださるお客さまを増やしたい」とおっしゃっていました。そういった考えを持ち、店舗スタッフさんの活躍の場を増やす企業は増えていくかもしれませんね(稲生)

これまでの常識が通じない?SEOの最新トレンドとは

酒匂さんはトーク中に、SEOのノウハウや、コンテンツマーケティングにおいて押さえておくべきSEOの最新トレンドにも言及しました。その一部を紹介します。

類似カテゴリにSEOを応用できないことも

稲生
最近のSEOのトレンドで、押さえておく必要があることはありますか?
酒匂さん
2021年6月と7月に実施されたGoogleのコアアルゴリズムのアップデート以降、従来のSEOの常識が通用しないケースが出てきました。例えば、類似した商品同士でSEOのノウハウを応用できない事例が散見されます。わかりやすく例えると、以前は「うどん」で効果があったSEOの施策は、同じ麺類である「そば」にもある程度は応用できました。しかし現在は「うどん」で効果があるSEO施策が「そば」では通用しないことがあるんです。
稲生
対策はあるのでしょうか?
酒匂さん
競合サイトを分析することで、解決策のヒントを得られると思います。検索結果の上位に表示されるページのコンテンツを詳しく分析すると、SEOのロジックにどのような法則性があるのか、透けて見えてくるでしょう。

YoutubeやGoogleマイビジネスはSEOに効果がある?

稲生
最近はYoutubeなどを活用し、コンテンツマーケティングに動画を使う企業も増えていますね。 
酒匂さん
ブログなどにYoutubeを埋め込むと、そのページのSEOにも効果があると考えられます。SEOの観点からも動画を活用する価値はあると思います。
稲生
聴講者さんからコメントで「Googleマイビジネスも活用した方が良いですか?」という質問が寄せられています。
酒匂さん
Googleマイビジネスに登録してECサイトのリンクを貼った結果、SEOの効果が見られた事例もあります。因果関係を説明することは難しいのですが、作業リソースに余裕があればGoogleマイビジネスに登録することをお薦めします。

コンテンツ作りはユーザー目線を忘れずに

酒匂さんはブログなどのコンテンツのテーマを決める際の注意点として、ユーザー目線で企画を考えることが重要だと強調しました。

こういう記事を書いたら商品を買ってくれるだろうとか、顧客はこういう記事が好きだろうという決めつけは禁物です。こういうことで困っている人がいる「かもしれない」とか、私と同じように悩んでいる人がいる「かもしれない」という視点でコンテンツを作ることが大切です(酒匂さん)

ヒットするコンテンツのパターンを見つけるには、まずはコンテンツを作ってみて、反響があったらその要因を分析する。そして、次のコンテンツに生かす。その繰り返しで打率を上げていきましょう(酒匂さん)

まとめ

ブログやSNSなどで発信したコンテンツの価値は、一過性で終わるのものではありません。コンテンツを作り続ければ、その価値が積み重なっていき、中長期的なアクセス数の増加やコンバージョンにつながります。

コンテンツマーケティングの成果は短期間では見えにくいかもしれませんが、今回のトークセッションで語られたように、大きな成果を生みだした事例もたくさんあります。コンテンツを作ることは、ユーザーとの接点を増やすことに他なりません。ユーザーに喜んでもらえる情報を発信し、既存のお客さまとのつながりを深めるとともに、未来のお客さまと出会う機会を創出しましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

自らもEC業界を学びつつ、みな様のお役に立てれば!と 日々奮闘する中の人です。
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