自社ECでファンを増やす! アパレルブランド「スカラー」が取り組む“あえて手間をかける”CRM

アパレルブランド「スカラー」のご担当者様

「コーディネートの主役になれる服」をコンセプトに掲げ、
独創的でインパクトのあるファッションアイテムを展開しているアパレルブランド「ScoLar(スカラー)」。

2007年に開始したEC事業が着実に成長している背景には、自社ECサイトを中心に、顧客1人1人と丁寧に向き合う“あえて手間をかけたCRM”がありました。

熱狂的なファンに支えられ、ブランド誕生から20周年を迎えた「スカラー」が描くEC戦略とは?

「スカラー」を展開する株式会社シャルズ EC部の小川勉取締役と難波宏次長、朝倉ゆかり主任にお話をうかがいました。

アパレルブランド「スカラー」とは?

「スカラー」ブランド公式サイトへのリンク「スカラー」ブランド公式サイト

スカラー」は1999年に誕生したファッションブランド。レトロな雰囲気を彷彿とさせる、独創的でインパクトのあるデザインが特徴。「洗い」や「加工」を加えた独自の素材を使い、 トータル・カジュアルファッションを提案している。
主なターゲットは「個性的でカジュアルな女の子」。

現在は直営店が大阪市内に1店舗、フランチャイズ店は福岡市、長崎市、川越市(埼玉県)、秋田市、宇都宮市に合計5店舗ある。

2007年にEC事業を開始。
ECプラットフォームfutureshop」で構築した自社ECサイトを中心に、ECの売り上げを伸ばしている。

自社ECを中心にEC売上高が拡大

──まずは「スカラー」の20周年、おめでとうございます。

取締役 EC部 部長 小川勉様(以下、小川様): 
ありがとうございます。おかげさまで、20周年を迎えることができました。
取締役EC部部長小川勉様取締役 EC部 部長 小川 勉 様

──本日は、「スカラー」のEC事業の現状や、今後の戦略などについて、お話を聞かせてください。現在、ネットショップは何店舗運営しているのでしょうか?

小川様:自社ECサイトのほか、「ZOZOTOWN」「LOCONDO.jp」「Rakuten BRAND AVENUE」、フラッシュセールサイトの「GLADD」に出店しており、現在は合計5店舗です。

2007年から自社ECサイトを中心に展開してきましたが、ここ2年ほどは、戦略的にECモールも活用しています。

──ECを開始した2007年から、着実に売り上げを伸ばしていらっしゃいますね。

小川様:EC事業は一時的に踊り場を迎えたこともありましたが、売り上げは着実に伸びています。2019年3月期のEC売上高は約1億6200万円でした。今期は1億9000万円が目標です。

──EC化率はいかがでしょうか。

小川様:EC化率は約13%です。

ただし、この数字は、自社ECサイトの売上高を下代(卸売価格)に換算して計算したもの。
EC事業は、直販と卸売りが混在していますので、便宜上、下代に統一してEC化率を算出しています。

──近年、自社ECサイトの成長ぶりが目を引きます。

小川様:2019年3月期の自社ECサイトの売上高は、前期比約9%増の1億900万円でした。

今期(2020年3月期)も自社ECは好調で、2019年4-6月の自社ECの売上高は前年同期比約20%増でした。

コラボ商品や限定商品が人気、新商品発売の曜日変更も奏功

──自社ECサイトが好調なのは、なぜでしょうか?

EC部 主任 朝倉ゆかり様(以下、朝倉様):アパレルの新商品が好調なこともありますし、生活雑貨などアパレル以外の商品を強化したことも、増収に寄与しています。

例えば、キャリーケースなど、これまで売ったことがなかった商品を販売したこところ、たくさんのご注文をいただきました。
また、「スカラー」の20周年記念で発売した、バスタオルや傘などの限定商品も売り上げに貢献しています。

EC部主任朝倉ゆかり様EC部 主任 朝倉 ゆかり 様

──アパレル以外の商品も強化しているのですね。

小川様: 
アパレル以外の商品を販売することで、これまで「スカラー」のことを知らなかった客層にも、「スカラー」を知っていただけるのではないかと期待しています。

今年6月には、化粧品ブランド「MICCOSMO」と共同開発した化粧品を発売しました。
例えば「MICCOSMO」のユーザーさんが、この化粧品をきっかけに「スカラー」にも興味を持ってくださったら嬉しいですよね。

──今期から、新商品を発売する曜日を、従来の金曜日から木曜日に変更したそうですね。

EC部 次長 難波宏様(以下、難波様): 
はい。新商品の写真撮影や商品データのアップロードといった業務を効率化し、発売日を従来の金曜日から木曜日に前倒ししました。そのことも売り上げが伸びている一因かもしれません。

以前は発売当日に在庫切れになっても、土日は会社が休日なので対応できず、月曜日まで受注を再開できませんでした。
しかし今は、木曜日に在庫切れになっても、金曜日に次の入荷予定日をECサイトに掲載し、土日に予約注文を受けるなど、素早くフォローできています。

また、以前は金曜、土曜、日曜の3日間の注文を、週明けに出荷していたので、月曜日だけでは出荷が間に合わず、一部商品の出荷は火曜日にずれこんでいました。

しかし現在は、木曜日に受注したものを金曜日に出荷し、金土日に受注した分は月曜日に出荷しています
細かいことかもしれませんが、こういった取り組みが、お客様の満足度向上につながっているのではないかと思います。

EC部次長難波宏様EC部 次長 難波 宏 様

自社ECを重視する理由

──シャルズさんはEC事業を開始した当初から、自社 ECサイトを非常に重視していらっしゃいますね。

小川様: 
自社ECサイトは、お客様の属性データや購買データなどを細かく取得できますから、手厚い接客や顧客対応を行えます。

例えば、一定の条件を満たしたお客様には、オリジナルグッズなどを商品に同梱しています。
自社ECサイトなら、そういったきめ細かいサービスも行いやすいです。

「スカラー」のECサイトのお客様の中には、何年も継続して買ってくださっている会員様が少なくありません。ブランドのファンを増やしていけるのが、自社ECサイトの強みではないでしょうか。

難波様: 
ECモールで商品を販売する場合、弊社の商品は何千、何万種類という膨大な商品の中の1つになってしまいます。ブランドを確立し、ファンを増やしていくには、やはり自社ECサイトの役割は大きいと考えています。

小川様: 
弊社では自社ECサイトとECモールで、役割を分けています。
例えば、フラッシュセールサイトの「GLADD」は、弊社にとってアウトレットという位置付けです。

また、自社ECサイトとECモールの客層は重複しない場合も多いですから、お客様の裾野を広げるには、ECモールに出店することも有効でしょうね。

小川様、難波様の2ショット

同梱物でF2転換を強化

──EC事業の売り上げをさらに伸ばしていくために、どのような施策に力を入れているのでしょうか。

小川様: 
今期はF2転換(新規顧客が2回目の購入へ転換すること)の割合を高めるための施策に力を注いでいます。

例えば、新規顧客への同梱物を工夫することで、ブランドロイヤルティを高め、2回目以降の注文につなげる取り組みを試しています。
同梱物を活用したリピート促進策は、フューチャーショップさんからご提案いただいたので、早速実行していますよ。

──「スカラー」さんの自社ECサイトのアクセス数や転換率などの数字を分析した結果、新規顧客のF2転換を、さらに強化できると感じましたので、施策をご提案しました。

小川様: 
新規顧客がリピーターになるかどうかは、ブランドにとって非常に重要なことですから、そのための施策を提案していただけるのは、非常にありがたいですよ。

F2転換を上げる施策は7月に開始したので、8月以降、リピート率にどのような変化が表れるか楽しみです。

朝倉様: 
同梱物を使った施策では、EC限定商品を注文してくださったお客様や、予約注文のお客様に、非売品のオリジナルグッズをプレゼントする企画も準備しています。

ブランド公式キャラクターの「スカラー」のクリアファイルなど、お客様がSNSに投稿したくなるような、弊社ならではグッズを作る計画です。

公式キャラクター「スカラー」イラストブランド公式キャラクター「スカラー」

小川様: 
弊社は出荷作業を社内で行っていますので、同梱物を柔軟に変えることができます。
これまでも、購入金額に応じてオリジナルのスタイルブックを同梱するなど、さまざまな取り組みを続けてきました。

手間が掛かることではありますが、お客様1人1人の購買状況などを踏まえて同梱物を出し分けるような、1to1のマーケティングを続けることで、これからもファンを増やしていきたいです

小川様、朝倉様の2ショット

「commerce creator」で情報発信やコンテンツ管理を強化

──2019年4月に「futureshop」の新機能「commerce creator」を導入していただきました。導入した理由をお聞かせいただけますか?

小川様: 
ECサイトの更新や、コンテンツの管理を自社で行えるように、「commerce creator(コマースクリエイター)」を導入しました。

「commerce creator」は、ECサイトの要素をパーツとして捉え、管理画面の中でパーツをドラッグ&ドロップするだけで、ページのデザインを作ることができますよね。
使い方を勉強すれば、バナーの更新やメインクリエイティブの変更などを、社内で制作できます。

現在はまだ、ページの更新を外部業者に委託していますが、できるだけ早い段階で、ページ更新を社内で行えるようにする予定です。

──お聞きするのが少し怖いですが、自社ECサイトのプラットフォームに「futureshop」を10年以上もご利用いただいていると、正直、システムの切り替えを検討したこともあるのではないでしょうか?

小川様: 
正直に言うと、検討したことはありますよ。

私がEC事業を管掌するようになった2017年に、「futureshop」も含めて、EC事業のシステムやベンダーをすべて見直しました。
そのときに、他社のECシステムも検討したんです。

ただ、それまで「futureshop」で問題があったわけではありませんし、フューチャーショップさんの日々の対応も良かったですから、継続することを決めました。

「futureshop」は頻繁にバージョンアップがありますし、決済システムなど外部ツールとの連携も積極的に行っていますよね。

また、2018年に「commerce creator」をローンチするなど、進化していますから、弊社としては、今後も「futureshop」をうまく活用して売り上げを伸ばしていきたいと思っています。

難波様: 
個人的な感想ですが、「futureshop」を契約していて良かったことの1つに、EC事業者さんやベンダーさんとのつながりが生まれやすいことがあります。

フューチャーショップさんが開催したセミナーや勉強会などに参加したことがきっかけで、同業者さんとの横のつながりができることも少なくありません。業界の情報交換を行える知り合いが増えるのは、ありがたいです。

EC部の皆様

今期はEC売上高20%増を目指す

──最後に、2020年3月期におけるEC事業の計画や、今後の展望をお聞かせいただけますか?

小川様: 
今期のEC売上高の目標は、前期比約20%増の1億9000万円です。

その目標を達成するには、魅力的な商品を作り続けるのはもちろんのこと、リピーターを増やすことが欠かせません。

近年、29歳以下の新規会員の数が伸びています。
こうした新規会員を、いかにリピーターに育てていくかが、今後のブランドの成長を左右するでしょう。そういった意味でも、先ほどお話ししたようなF2転換の施策を重視しています。

若い世代への施策を強化するために、InstagramなどSNSで情報を発信しているほか、今後はLINE@を使ったセグメイント配信も強化していく計画です。

商品戦略では、ファッションアイテムを軸にしながら、他社とのコラボレーション企画を含めて、ファッション以外の商品も積極的に展開していきたい。
また、テレビショッピングなど、新たな販路にも挑戦したいです。

──自社ECサイトを軸にファンを増やしている御社の取り組みは、多くのEC事業者さんにとって参考になると思います。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!