カート移行でEC売上が過去最高!D2C参入のイデアポートがfutureshopを選んだ理由と成功要因
- 2024.03.262024.03.26
公式オンラインショップのECプラットフォームをfutureshopにリプレイスし、その直後にEC売上高が過去最高を更新するなど、リニューアルに成功した企業があります。株式会社イデアポート(東京)です。
2022年11月に自社ECサイトを立ち上げた同社は、その約1年後にECプラットフォームをfutureshopにリプレイスしました。ECプラットフォームを換えた理由は、自社ECサイトをオープンしたものの、やりたいことを思うように行えないもどかしさがあったから。自社ECサイトを立ち上げて間もなかったものの、EC事業を伸ばしていくには自社に合ったECプラットフォームにできるだけ早く乗り換える必要があると判断し、リプレイスを決断したそうです。
今回のインタビューでは、株式会社イデアポートが自社ECサイトのリニューアルに踏み切った経緯のほか、D2Cに参入した理由やブランディングの取り組みなどについて、同社の小杉顕一取締役と小島怜也課長にうかがいました。
また、リニューアルを支援した株式会社アイリの沢井アダム専務取締役もお招きし、制作会社の視点から、リニューアルで意識したポイントを解説していただきました。
自社ECサイトの立ち上げやリニューアルを検討している方は、この成功事例をぜひ参考にしてください。
目次
ブランドごとの世界観を自社ECサイトで表現
株式会社フューチャーショップ 取締役 安原貴之(以下、fs安原):本日はよろしくお願いします。まずは、イデアポートさんが手がけている事業や、取り扱っている商品について、あらためてお聞かせいただけますか?
株式会社イデアポート 取締役 統括 小杉顕一さん(以下、小杉さん):弊社はファッション雑貨や日用雑貨などの企画・開発・輸入・販売を行っています。家庭用品・家具・インテリアなどの総合商社である株式会社藤栄の子会社として、2000年に設立されました。
現在は3つのオリジナルブランドと、4つの海外ブランドを展開しています。海外ブランドはすべて国内総代理店です。
fs安原:これらの商品は、どのような流通経路で販売しているのでしょうか。
小杉さん:セレクトショップや雑貨ショップ、インテリアショップ、専門店、通販事業者などへ卸売りを行っているほか、2022年11月に自社ECサイト「I Be.(アイビー)」を立ち上げて直販も開始しました。
fs安原:EC事業を開始した理由をお聞かせいただけますか?
小杉さん:ブランドの魅力や世界観を、自分たちの言葉で発信したかったからです。
弊社は設立から20年以上、卸売りのみで商品を販売してきました。現在も卸事業が柱であることに変わりはありません。しかし、消費者の購買行動が変化し、オンラインで商品を調べたり買ったりすることがあたり前になった現在、メーカーの役割も変化しています。
ブランドの魅力を、より多くの消費者に知っていただくには、ブランドのことをもっともよく理解している私たちが情報を発信していく必要がある。そういった考えもあって自社ECサイトを立ち上げました。
fs安原:「I Be.」は1つのネットショップでありながら、ブランドごとに世界観をしっかり作り込んでいますね。
小杉さん:ブランドの個性を表現することは、「I Be.」のリニューアルでもっともこだわったポイントです。futureshopにリプレイスした際に現在のデザインに変更しました。
弊社が扱っている7つのブランドは、それぞれにストーリーやブランドメッセージがあります。ブランドの魅力をどのように表現すれば、お客さまに伝わるのか。そのことを常に考えてブランディングに取り組んできました。ですから、自社ECサイトにおいてもブランドの世界観を大切にしています。
自社ECの立ち上げから1年でfutureshopにリプレイスした経緯とは?
fs安原:自社ECサイトを立ち上げてから約1年でECプラットフォームをリプレイスした経緯をお聞かせいただけますか?
株式会社イデアポート 課長 小島怜也さん(以下、小島さん):一言で説明すると、以前のECプラットフォームでは「やりたいことが、できなかった」ということです。自社ECサイトをオープンしたものの、自分たちのやりたいことを思うように行えないもどかしさがありました。
以前のECプラットフォームは、比較的簡単にECサイトを立ち上げることができて、初期費用を抑えられるなどメリットもありました。ECサイトの見た目も綺麗に作ることができていたと思います。ただ、ECサイトを運用していく中で、さまざまな課題が見えてきたんです。
例えば、デザインテンプレートを使ってECサイトを構築したため、すべてのブランドのページが同じレイアウトになってしまい、ブランドごとの世界観を作り込むことができませんでした。
また、ECサイトに機能を追加するにはアプリストアからアプリをダウンロードする必要があったのですが、最適なアプリを選定して検証するのは大変でしたし、不明なことがあっても質問できるところがなく解決に時間がかかることも悩みでした。
それ以外にも、納品書の発行や会員登録といったECの基本的な機能に従量課金が発生し、売上が伸びるにつれて費用負担が重くなっていくことも頭の痛い問題でした。
そういった課題が見えてきたなかで、解決策を社内で議論した結果、早急にECプラットフォームをリプレイスした方が良いという結論に至りました。オープンから半年ほど経った2023年初夏のことです。
futureshopを契約した決め手は「機能」と「制作パートナーの存在」
fs安原:たくさんのECプラットフォームの中から、futureshop commerce creatorを選んでくださった決め手はどのような点だったのでしょうか。
小島さん:最大の理由は、commerce creatorはブランドごとの世界観を表現できるプラットフォームだからです。ナビゲーションメニューの内容やパーツの配置、コンテンツの見せ方などをブランドごとに設計できるという説明を受けて契約を決めました。
それ以外の理由としては、ECに必要な機能が揃っていることや、ノーコードでページのレイアウトを変更できることも現場から高評価でした。
それから、commerce creatorの制作パートナーであるアイリさんの存在も大きかったです。
アイリさんは契約前の商談で、「I Be.」のデザイン案や機能、動線などについて具体的に提案してくださいました。私たちのブランドのことを理解しようとしてくださる姿勢が嬉しかったですし、社風も弊社と合っていて、EC事業を一緒に盛り上げてくれそうだと感じたことを覚えています。
fs安原:弊社は、お客さまから問い合わせをいただいた段階で、ご希望があれば制作パートナーさんを紹介しています。アイリさんはファッションECに精通し、commerce creatorの構築実績も豊富なので、イデアポートさんにぴったりだと思っておつなぎしました。
株式会社アイリ 専務取締役 沢井アダムさん(以下、沢井さん):「I Be.」のリニューアルに携わる機会をいただき、ありがとうございました。イデアポートさんは素晴らしい商品をお持ちですし、ブランディングに対する考え方にも共感していましたので、お仕事をご一緒できることが決まったときは本当に嬉しかったです。
制作パートナーが明かすcommerce creatorの強みとは?
fs安原:沢井さんにうかがいたいのですが、「I Be.」のリニューアルで意識したことはありますか?
沢井さん:イデアポートさんが実現したいことと、日々の運用のしやすさのバランスを重視しました。
ECサイトのデザインを過剰に作り込んだり、機能を詰め込み過ぎたりすると、オープン後の運用が煩雑になることも少なくありません。その点に注意してECサイトを設計しました。
fs安原:「オープン後の運用のしやすさ」という視点は、見落としがちですがとても重要なポイントですね。
沢井さん:おっしゃる通りです。
日々の運用のしやすさという点では、そもそもcommerce creatorはとても優れたプラットフォームだと思います。ドラッグ&ドロップでページ内のパーツの配置変更を行えますし、オプション機能を追加する際も個別開発は必要ありません。ノーコード運用が可能なのでエンジニアがいなくても問題ないでしょう。
その一方で、サイト構築の段階ではHTML・CSSやJavaScriptなどで個性を出すことができます。例えば、「I Be.」はブランドごとにナビゲーションメニューを変え、一部のブランドのみマウスオーバーで詳細カテゴリが表示されるようにプログラムを組みました。
サイト構築の自由度がありながら、運用はノーコードで簡単に行える。それを両立していることがcommerce creatorの特徴であり、他のECプラットフォームよりも優れている点だと思います。
fs安原:サイト構築の自由度と運用の利便性のバランスは、commerce creatorを開発する際に時間をかけて議論し、とことんこだわったポイントでした。制作パートナーであるアイリさんからそのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。
ECプラットフォームをリプレイスしてEC売上高が過去最高に
fs安原:イデアポートさんにうかがいたいのですが、commerce creatorにリプレイスしたことで成果を実感していることはありますか?
小島さん:定量的な成果では「I Be.」の売り上げが伸びました。2023年12月のEC売上高は単月としては過去最高でした。
施策レベルの成果としては、futureshopの機能を活用してファン向けのサービスも強化できています。例えば、対象者を絞って商品を販売できる「闇市グループ機能」を使い、リアルイベントの来場者に限定価格で商品を販売するといった企画を行いました。futureshopは機能が豊富で、オプション機能や外部連携も含めると、できることがとても多いと感じています。futureshopの機能を早く使いこなせるようになって、さまざまな施策を実行していきたいです。
そして、これは個人的な感想になりますが、フューチャーショップさんやアイリさんの手厚いサポートを受けられることもリプレイスの成果だと思っています。commerce creatorの使い方で疑問が出てきても、フューチャーショップさんのサポート窓口に電話をすればすぐに解決します。ECサイトのデザイン編集やコンテンツ制作についてはアイリさんがサポートしてくださるので心強いです。
沢井さん:フューチャーショップさんのサポート体制は、SaaSのECプラットフォームではトップクラスだと思います。店舗さんのビジネス成長に伴走するという姿勢が素晴らしいですよね。また、制作会社である弊社もcommerce creatorの技術的なことに関してフューチャーショップさんのサポート窓口に問い合わせることがあるのですが、サポートスタッフさんは技術的なことにも詳しく、その場で回答してくださることも多いので助かっています。
fs安原:サポートにご満足いただけてよかったです。弊社は創業当初からサポートを重視してきました。サポートメンバー全員が店舗さんやパートナーさんのお役に立ちたいと思って仕事をしていますので、お困りごとがあれば、いつでも遠慮なく問い合わせてください。
自社ECの購買データを商品開発やマーケティングに活かしたい
fs安原:最後に「I Be.」の展望をお聞かせください。
小島さん:EC事業を立ち上げてまだ1年ですので、まずは組織づくりやフルフィルメントの整備、事業フローの改善など、EC事業を伸ばしていくための基礎を固めたいです。
また、自社ECサイトを持ったことで、購買データの収集や分析も可能になりました。将来的には、そういったデータを商品開発やプロモーションなどに活かせるかもしれません。ものづくりやブランディングといった弊社の得意領域に、EC事業で得た知見を掛け合わせることで、マーケティングの幅を広げていきたいです。
fs安原:お時間が迫ってきましたので、このあたりでインタビューを終えたいと思います。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
編集後記
自社ECサイトを通じてブランドの魅力を発信しているイデアポートさまの取り組みは、オリジナル商品を販売しているメーカーやD2Cを手がけているブランドにとって、示唆に富むものだったのではないでしょうか。これからEC事業を始める方や、自社ECをテコ入れしたい方は、イデアポートさまの成功事例をぜひ参考にしてください。
そして、イデアポートさまがfutureshopを選んだ理由の1つとして、制作パートナーであるアイリさんの存在を挙げてくださったことは弊社にとっても大変喜ばしいことでした。
株式会社フューチャーショップは店舗さまのビジネス成長を後押しするため、ECサイトの構築、コンテンツ制作、物流、広告運用、Webマーケティングなど、さまざまな分野のパートナー企業と提携し、必要に応じて店舗さまに紹介しています。
自社ECサイトの構築や運用において、専門家のサポートがあれば心強いでしょう。株式会社フューチャーショップでは、自社ECサイトの立ち上げやリニューアルを検討している事業者さまを対象に、制作パートナーの選定に関するご相談も承っています。ご希望の事業者さまはお気軽にお問い合わせください。
制作パートナーの選定に関するご相談も承っております。下記のページからお問い合わせください!