メルカリShops × 自社ECで売上アップ!販路拡大とファンづくりの実践法【セミナーレポート】
- 2025.10.28
2025.10.28
![]()
広告費の高騰や買い物動線の多様化により、新規顧客の獲得に悩むEC事業者さまは少なくありません。そこで注目されているのが、月間利用者数2300万人以上の巨大マーケットにリーチできる「メルカリShops」です。
新しいお客さまに出会える場としてメルカリShopsを活用し、獲得したお客さまを自社ECサイトでリピーターに育て、ファンづくりへとつなげていく。メルカリShopsと自社ECを併用することで、販路拡大とブランド価値向上の両立が可能になります。
この記事では、株式会社メルカリの担当者らが登壇したセミナーをもとに「メルカリShopsの特徴」「売上アップの施策」「成功事例」「自社ECと併用するメリット」を解説します。セミナーで語られた最新の知見を、ぜひご一読ください。
2021年にスタートしたECモール「メルカリShops」。モールの特徴や出店メリット、売上を伸ばす方法などを株式会社メルカリの担当者らが解説した

株式会社メルカリ 佐藤純平さん(写真左)/株式会社メルペイ 与那覇知洋さん(写真中央)/株式会社フューチャーショップ 安原貴之(写真右)
本稿は2025年8月28日に開催したオンラインセミナー「急成長するECモール『メルカリShops』で認知を広げ、自社ECでファンを育てる!年間取引額1兆円超、約2300万人市場を味方につける販売戦略」をもとに構成しています。掲載内容はセミナー開催時点の情報です。
目次
メルカリShopsとは?
まずはメルカリShopsの特徴を解説します。メルカリShopsで売上を伸ばす予備知識として、他のECモールとの違いや、メルカリShopsの出店メリットを押さえてください。
メルカリShopsは法人や個人事業主がフリマアプリ「メルカリ」に出店し、メルカリの利用者に向けて商品を販売できるECモールです。メルカリShopsで販売する商品は、アプリのホーム画面にある「おすすめ」の表示枠や、検索結果などに表示されます。メルカリShops専用の売り場があるわけではなく、個人が出品している商品とメルカリShopsの商品が混在して並びます。

ホーム画面の「おすすめ」や検索結果に商品が表示される。個人が出品している商品とメルカリShopsの商品が混在して並ぶ(赤枠がメルカリShopsの商品)
メルカリShopsでは食品や家具、アパレル、雑貨、美容健康、スポーツ、酒類など幅広いカテゴリが販売されています。事業規模は個人事業主から中小企業、大企業までさまざまです。
2021年10月のサービス開始以来、メルカリShopsの流通額は右肩上がりで伸びています。ECモールとしては後発ながら、「さまざまな企業が続々と参入してマーケットが活性化している」(株式会社メルカリ・佐藤さん)ことからEC業界でも注目が高まっています。

なお、フリマアプリであるメルカリは主に個人がリユース品を販売する二次流通プラットフォームですが、メルカリShopsでは新品の方が売れています。
メルカリShopsでは販売金額・販売商品数ともに新品の方がリユースよりも売れています(株式会社メルカリ・佐藤さん)

メルカリShopsの特徴と出店メリット
メルカリShopsは月間利用者数2300万人以上にリーチできるほか、初期費用や月額固定費が無料で、越境ECも簡単に行えるなど、さまざまな特徴があります。
【メルカリShopsの特徴】
- 客層・・・若年層が多く、10〜30代が半数以上を占めている
- 消費の特徴・・・メルカリでの売上金を使って買い物をする
- 越境EC・・・約120の国・地域に向けて越境ECを簡単に開始できる
- 費用・・・初期費用と月額固定費が無料。手数料は販売金額の10%
利用者の半数以上が10〜30代
メルカリユーザーの年齢構成は若年層の比率が高く、10〜30代が55%を占めています。性別は女性が約60%、男性が約40%です。
他の大手ECモールと比べてユーザーの年齢層が若く、新たな客層にアプローチすることが可能です(株式会社メルカリ・佐藤さん)
メルカリでの売上金を買い物に使える
メルカリShopsの大きな特徴の1つは、スマホ決済サービス「メルペイ」を買い物に使えることです。
メルペイとは、フリマアプリ「メルカリ」で利用できるスマホ決済サービスです。「メルカリ」の売上金のほか、銀行口座やATMから「メルペイ」に残高をチャージして使ったり、チャージレスな後払い決済サービス「メルペイスマート払い」を利用して、スマートフォンを使ってお店やECサイトで買い物することができます。利用者数は約1950万人です(2025年6月末時点)。
メルペイを自社ECサイトに導入すれば、メルカリユーザーの買い物を促進する効果も期待できます。
株式会社メルペイの与那覇さんがオンラインセミナーに登壇し、「メルペイ」の特徴やメリット、利用動向を解説した
年間1兆円規模の流通取引総額を誇るメルカリでは、多くの売上金がメルペイに貯まっており、大きな購買力を生み出しています。
メルカリShopsに出店すると、メルペイに蓄積された巨大な購買力にアプローチすることができます(株式会社メルペイ・与那覇さん)

「メルペイ」のサービス概要や特徴、利用動向などは、過去記事『「メルペイ」を自社ECに導入するメリットとは?店舗さまの疑問にメルペイ社員さんが回答!』で詳しく解説しています。こちらもぜひご一読ください。
約120の国・地域に向けて越境ECを簡単に開始できる
メルカリShopsは越境ECを簡単に始めることもできます。国内の顧客に商品を販売する場合と同じフローで、約120の国・地域に向けて越境ECを行うことが可能です。
越境ECには代理購入の仕組みが活用されています。海外ユーザーから注文が入ると、代行購入業者がメルカリShopsで商品を購入し、決済や発送、顧客対応などを行います。
メルカリShopsの出店者は代理購入業者から注文を受けたら、商品を国内の倉庫に送るだけ。商品代金は代理購入業者から支払われます。
国内における取引と同じフローで、約120の国・地域に向けて越境ECを行うことができます。商品ページも自動的に翻訳されるため、出店者側で特別な対応は一切不要です。(株式会社メルカリ・佐藤さん)


越境ECの販売金額が多い国・地域は中国、米国、台湾、香港、韓国
初期費用と月額固定費が無料。手数料は販売金額の10%
メルカリShopsは初期費用と月額利用料が無料です。商品が売れた際に、販売金額(税込)の10%を手数料(決済手数料込み)として株式会社メルカリに支払います。ショップ開設の申し込みから最短2営業日で販売を開始できるなど、「低リスクで、素早く簡単に始められる」(株式会社メルカリ・佐藤さん)ことがメリットです。
商品情報はCSVで一括登録できます。複数のネットショップを運営しているEC事業者さまは「ネクストエンジン」「クロスモール」「助ネコ」など30種類以上の連携ツールを活用して商品情報・在庫データ・受注処理を一元管理することも可能です。
メルカリShopsが選ばれる理由をアンケートから読み解く
メルカリShopsの出店者が増えている理由について佐藤さんは「EC事業者さまがECモールに求める条件を満たしている」と自信を示しました。
株式会社メルカリが実施したアンケート(メルカリShopsに出店していないEC事業者が対象)によると、ECモールへの出店で重視することの上位は「費用」や「売れるモールであること」でした。また、ECモールへの出店で課題に感じることの1位は「集客(新規顧客獲得)」です。
この結果について佐藤さんは「出店費用や月額固定費が無料のメルカリShopsは、EC事業者さまのニーズを満たしている」と説明。続けて、「月間利用者2300万人のユーザー基盤を背景とした高い集客力をご評価いただいている」と強調しました。
EC事業の売上を伸ばす手段として、新たなモールへの出店を検討する中で、メルカリShopsを選ぶ事業者さまが増えています(株式会社メルカリ・佐藤さん)


メルカリShopsで売上を伸ばす“勝ち筋” 4ステップ
メルカリShopsの特徴を踏まえ、売上を伸ばす“勝ち筋”として佐藤さんは次の4つのステップを解説しました。
【メルカリShopsの勝ち筋 4ステップ】
- 継続的な「商品登録」で露出を増やす
- 「タイムセール」で購買促進を図る
- 「クーポン」でフォロワーを獲得する
- 「広告」や「イベント」でブーストをかける
継続的な「商品登録」で露出を増やす
商品の認知を高めるには、メルカリアプリの検索結果や「おすすめ」に商品ができるだけ多く表示されるように、「たくさんの商品を登録し、検索面を獲得していくことが重要」(株式会社メルカリ・佐藤さん)と指摘しました。
商品を新たに登録すると、その都度ショップのフォロワーにプッシュ通知が届くため、継続的な商品登録はリピーター対策としても効果的です。
「タイムセール」で購買促進を図る
メルカリShopsの販促機能の1つである「タイムセール」も有効です。タイムセールを開始すると、ショップのフォロワーや、商品に「いいね」をつけたユーザーにプッシュ通知が送信されます。タイムセール開催中はサムネイルに割引率(○%OFF)が表示されるため、検索結果一覧で目立ちやすく、クリック率の向上が期待できます。また、タイムセールの残り時間が24時間を切ると、商品ページでカウントダウンが始まり、ユーザーの購買意欲を高めます。

「クーポン」でフォロワーを獲得
メルカリShopsのクーポン機能を使うとショップのフォロワーを増やすことができます。メルカリユーザーがクーポンを利用するには、ショップのフォロワーになる必要があるためです。
フォロワーを増やすメリットについて佐藤さんは「ショップの情報がフォロー一覧ページに表示されるほか、商品登録時やタイムセール開始時などにプッシュ通知が届くためリピート促進に効果がある」と説明しました。

「広告」や「イベント」でブーストをかける
アプリ内広告や、メルカリの大型イベントを活用し、売上のブーストをかけることもできます。「超メルカリ市」など大型イベントに合わせてタイムセールを実施し、売上を伸ばした成功例も多いそうです。

【超メルカリ市の売れ筋商品】
- まとめ買い・・・飲料や酒類など、通常はバラ売りしている商品を、まとめてセール価格で販売
- 季節限定・・・旬の海鮮など、その季節ならではの商品を、お試し価格で販売
- 訳あり商品・・・大きさや形などが規格外の商品を特別価格で販売

メルカリShopsの成功事例「甲羅組」
メルカリShopsで売上を伸ばしているショップの成功事例も紹介しました。
futureshopで自社ECサイトを運営しているカニ専門店「甲羅組」さまは、「メルカリShopsアワード2024」の総合賞で3位になるなど、メルカリShopsでも高い実績を上げています。
「甲羅組」さまはメルカリShopsで毎週継続して新規商品を登録するとともに、週替わりで一押し商品のタイムセールを実施しています。商品登録やタイムセールを実施する度にプッシュ通知がフォロワーに届き、アクセス数の増加に成功。サムネイルや商品情報も工夫し、コンバージョン率アップにも取り組むことで売上を伸ばしました。

商品情報に購入者の口コミを掲載しているほか、サムネイルに割引率を記載するなど、コンテンツにも工夫を施してコンバージョン率アップにつなげている
メルカリShopsと自社ECの相乗効果でファンを増やす方法
セミナーの後半では、メルカリShopsと自社ECサイトを併用してネットショップのファンを増やす方法について、株式会社フューチャーショップの安原が解説しました。
メルカリShopsと自社ECサイトの相乗効果について安原は、「メルカリShopsで新規顧客を獲得し、自社ECサイトでファンと永続的な関係を築くことができる」と説明しました。
メルカリShopsの高い集客力を活かしてブランドの認知を広げ、新たな客層を獲得するとともに、施策の自由度が高い自社ECサイトでCRM施策を行い、お客さまと永続的な関係性を築くことでブランド価値を高めることができます(株式会社フューチャーショップ・安原)

指名検索を増やして自社ECサイトに誘導
メルカリShopsで獲得したお客さまを自社ECサイトに誘導する方法の1つは、検索エンジンでの「指名検索(商品名やブランド名で検索すること)」を増やすことです。
メルカリShopsで商品を販売し、ブランド名や商品名の認知度が高まると、検索エンジンにおける指名検索も増えていきます。自社ECサイトのSEO対策を実施し、検索結果の上位に表示されるようにしておけば、指名検索を行ったユーザーを自社ECサイトへと誘導することが可能です。
自社ECサイトに流入したユーザーをリピーターに育てるには、コンテンツの拡充や買いやすい動線、ファン化を促進するサービスも重要です。また、メルペイを自社ECサイトに導入すると、購入時にクレジットカード情報などを入力する必要がなく、メルカリユーザーの新規購入を促進することができます。
なお、futureshopはSEOに強いサイト構造であり、お客さまのファン化を促進する多彩な機能も提供しています。メルペイとも連携しており、個別開発を行うことなくメルペイを導入することが可能です。
(※メルカリShopsの規約上、メルカリアプリから自社ECサイトへ直接誘導することはできません)
自社ECサイトは「ブランドの本拠地」
EC事業が軌道に乗ると、お客さまと永続的な関係性を築くために、ブランディングやCRMが必要になります。また、EC事業の収益性向上を図ることも重要です。そのためには顧客のファン化が不可欠であり、ファンづくりにおいて自社ECサイトの果たす役割は非常に大きくなります。
自社ECサイトで取り組むべき具体的な施策として安原は、「ブランドの世界観を表現・発信する」「お客さまをファンに育てるCRM施策を行う」「多彩な販促施策で収益性向上に取り組む」ことを挙げました。
ブランドの世界観を表現・発信
デザインの自由度が高い自社ECサイトでは、ブランドのストーリーやコンセプトを細部まで表現できます。ブランドや商品の価値を伝えることで、価格競争から脱却し、“価格以外の価値”で選ばれるお店を作ることができます(株式会社フューチャーショップ・安原)
ブランドの世界観を細かく表現するには、サイトデザインの自由度が高いECサイトを使うことが重要です。futureshopのcommerce creatorはECサイトの要素をパーツに分割し、パーツを並び替えることでページのデザインを編集することができます。ドラッグ&ドロップで操作できるためHTMLやCSSなどの知識がなくても問題ありません。また、パーツの内容を修正すると、そのパーツを埋め込んだページは一括で修正が反映されるため、運用も楽になります。

お客さまをファンに育てるCRM
自社ECサイトは顧客情報を“自社の資産”として蓄積できることも大きなメリットです。
定期購入や頒布会、サブスクリプションサービスで継続的な購入につなげるとともに、会員ステージを設けて上位顧客のみ参加できる先行予約販売を行うなど、独自のロイヤルティプログラムを行うこともファン作りに効果的です。
また、メールマガジンやLINE、SNSなどを通じて、お客さまとのコミュニケーションを強化し、新規顧客を“生涯顧客”へと育ててください(株式会社フューチャーショップ・安原)
リピート率を上げる施策は、さまざまなものがありますが、重要な施策の1つが「独自のポイント制度」です。購入金額に応じたポイント還元のほか、会員登録時や口コミ投稿時にポイントを付与すると、エンゲージメント向上にもつながります。さらに、会員ステージ機能を併用し、購入金額が多い顧客へのポイント還元率を高めるなど、ロイヤルティプログラムを組み合わせることで効果が高まります。

お客さまとのコミュニケーションにおいてSNSも欠かせません。futureshopはInstagram、TikTok、YouTube、LINE、Facebookなど主要なSNSと連携しており、InstagramショッピングやTikTok for Business、YouTubeショッピングなどを自社ECサイトに簡単に導入することが可能です。

質疑応答
今回のセミナーでは質疑応答の時間も設け、参加者の皆さまからの質問に登壇者がその場で回答しました。質疑応答の一部を紹介します。
【質問1】メルカリShopsで商品が多くの人の目に触れるようにするには、どのような取り組みが効果的でしょうか?
商品登録数を増やすことが重要です。また、タイムセールやクーポンを活用してフォロワーを増やすと、フォロワーにプッシュ通知が届くようになるので、検索ロジックに関係なく商品が多くのユーザーさんの目に触れやすくなります(株式会社メルカリ・佐藤さん)
【質問2】他の大手ECモールと比較して、メルカリShopsで特に売れ筋のカテゴリや価格帯、顧客層の傾向があれば教えてください。
女性が6割を占めていることや、30代以下の若年層が多いことが特徴です。カテゴリではファッションやエンタメ、食品などが人気です。アウトレットや訳あり品などが売れやすいのもメルカリの特徴です(株式会社メルカリ・佐藤さん)
【質問3】販売手数料10%以外に、運営にかかる可能性のあるコストをすべて教えてください。
原則、販売手数料10%のみですが、売上金を出金する際に振込手数料200円がかかります(株式会社メルカリ・佐藤さん)
【質問4】メルカリShopsの出店後のサポート体制を教えてください。
カスタマーサポート窓口に問い合わせをいただければ、ご質問やご相談にお答えします(株式会社メルカリ・佐藤さん)
【質問5】今後の機能アップデートのロードマップについて、差し支えない範囲で教えてください。
1回の注文で複数の商品を決済できるカート機能の実装を予定しています。予約販売機能やオークション機能なども検討しています(株式会社メルカリ・佐藤さん)
まとめ
今回のセミナーでは、メルカリShopsを活用した新規顧客の獲得と、自社ECサイトによるリピーター育成の両立が、EC事業を成長させるカギであることをお伝えしました。紹介した施策や成功事例は、規模や業種を問わず幅広いEC事業者さまに応用できる内容です。メルカリShopsで販路を広げ、自社ECでファンを育てる──。この両輪によってブランド価値の向上につながります。EC事業を伸ばす戦略の1つとして、ぜひ取り入れてみてください。
futureshopはメルペイと連携済み
ECサイト構築プラットフォームfutureshopは「メルペイ」と連携しており、futureshopをご利用中の店舗さまは個別開発を行うことなく導入することが可能です。「メルペイ」のオプション機能に関する詳細は以下のページをご覧ください。
futureshopに関するお問い合わせや資料請求、個別相談などは下記バナーからお問い合わせページに遷移し、フォームに入力して送信してください。




