メルマガ売上1.4倍!アパレルEC「ゴールドジャパン」に学ぶ再現性のあるシナリオ配信の具体例
- 2026.02.16
2026.02.16

「広告費の高騰でCPAが悪化している」「リピート売上を伸ばすためにCRMを強化したい」
ECの新規獲得が厳しさを増す中で、こうした課題を感じているネットショップ経営者やEC担当者も多いのではないでしょうか。
その課題を解決するヒントを提供するため、メルマガを軸としたCRMでリピート売上を伸ばしたレディースアパレル専門店「ゴールドジャパン」の成功事例を紹介します。
CRM・MAツール「アクションリンク」を活用し、「カゴ落ち対策」「閲覧リターゲティング」「レコメンド通知」といったシナリオ配信を2024年秋に開始。お客さまが求めている情報や欲している商品を、適切なタイミングで送るパーソナライズ配信も自動化することで、大きな労力をかけることなくメルマガ経由の売上を約1.4倍に伸ばしました。
既存顧客との関係性を深めるには、どのようなCRM施策が効果的なのか。“再現性のあるシナリオ配信”という視点から、これからのECに求められるパーソナライズ戦略を紐解きます。
本稿は2025年10月に開催したオンラインセミナー「大きいサイズレディース専門通販のゴールドジャパンが実践した鉄板シナリオ®とパーソナライズ戦略」をもとに構成しています。掲載内容はセミナー開催時点の情報です。記事中の「鉄板シナリオ®」は株式会社ファブリカコミュニケーションズの登録商標(第35類)を指します。

株式会社インターナショナルスワングループ
EC店長 廣嶋 理菜(ひろしま あやな)氏
2014年、株式会社インターナショナルスワングループに入社。入社後まもなく「大きいサイズのゴールドジャパン」自社サイトの担当に就任。年間約5000万円だった売上は2025年には10億円へ成長。「数字を根拠にした成長戦略」に力を注ぐ。特に、広告や時間、人員といったリソースをどこに投下すれば最も効率的に売上が伸びるのかを徹底的な数値分析で見極めている。常にABテストを回し、トライアンドエラーを繰り返しながらPDCAを高速で回すことで、失敗も成功もデータとして蓄積してきた。マネージャーとして最も大切にしているのは、スタッフの得意を見つけ仕事で成功事例を自ら作り経験を増やす仕組みをつくる事。

株式会社ファブリカコミュニケーションズ
アクションリンク事業責任者 山本 篤廣(やまもと あつひろ)氏
ダイレクトマーケティング専⾨広告会社を⽴ち上げ、前職の広告代理店営業時から20年間で通販会社400社以上と取引。紙、WEB、TVの新規顧客獲得プロモーションを実施。通販業界メディア「通販通信ECMO」⽴ち上げ、運営→売却。アクションリンクを⾃社で開発・運営、現在はファブリカコミュニケーションズにジョインしCRMツール、EC業界シェアNo.1を⽬指している。
目次
「ゴールドジャパン」がパーソナライズ配信を強化した理由
「ゴールドジャパン」は株式会社インターナショナルスワングループが運営している大きいサイズのレディースアパレル専門店です。自社ECサイトを中心にRakuten・ZOZOTOWN・au PAYマーケット・Amazonなど20以上のECモールにも出店しています。
自社ECサイトの年商は約10億円で、自社EC比率は約60%。売上高は過去10年でおよそ20倍に拡大しました。EC会員は20万人を突破しています。過去10年にわたって新規顧客のリピート率が50%を超えるなど、リピート率の高さが事業成長の原動力の1つです。

大きいサイズのレディースアパレル専門店「GOLDJAPAN(ゴールドジャパン)」
従来からCRMに定評があった「ゴールドジャパン」が、2024年秋にパーソナライズ配信をあらためて強化した背景には、EC市場を取り巻く環境変化がありました。
2020年から2023年にかけて、コロナ禍でEC市場に追い風が吹いたこともあり「ゴールドジャパン」の売上は急増しました。ただ、コロナ禍が明けて日本全体でリアル店舗回帰が進んだ2024年は、急成長の反動もあって売上高の成長率が鈍化。物価高による節約志向の高まりで顧客単価が下がるなど「昨対プラス成長が危ぶまれる状況」(廣嶋さん)でした。
さらには、それまで「ゴールドジャパン」のリピート売上を支えてきた重要なチャネルの1つであるメルマガ経由の売上も前年割れで推移していました。
新規顧客の売上高は前年並み、リピート売上は前年割れの状況でした。広告費の高騰でCPAが悪化する中で、広告頼りの新規獲得は厳しい。EC売上高を前年比プラスで着地させるには、リピート売上を伸ばすためのCRM強化が喫緊の課題でしたが、頼みのメルマガも不調で相当苦しい状況でした(廣嶋さん)

アパレルECの巨大プレイヤーによる莫大な広告投資の影響で、ゴールドジャパンのCPAは悪化。こうした状況を受け、同社は「CRM強化は喫緊の課題だった」と振り返った。
手作業でのパーソナライズ配信に限界を感じてツール導入を決断
「ゴールドジャパン」のリピート売上を伸ばすための打開策として廣嶋さんが選んだのがパーソナライズ配信でした。廣嶋さんは従来からメルマガを重宝しています。配信頻度は2024年当時も現在も週4〜5回です。
廣嶋さんは2024年前半ごろ、リピート売上を伸ばすためにパーソナライズ配信を試験的に実施しました。
ただ、当時はすべてが手作業。購入履歴や属性でのセグメント抽出、ランキングなどのコンテンツ制作、シナリオに沿った配信まで、すべてを自力で行ったといいます。その苦労について廣嶋さんは「効果はあっても負担が重すぎる」と率直に語りました。
リピート売上を伸ばすためにパーソナライズ配信を強化したいのに、作業負担が重すぎて思い切った施策を打てない。そんな閉塞感を打破する一手が「アクションリンク」の導入でした。2024年8月のことです。
手作業でのメルマガ配信に限界を感じ、CRMツールに興味を持ちました。いくつかのツールを比較する中で、ファブリカコミュニケーションズ・山本さんから「アクションリンクを導入して鉄板シナリオ®を活用すれば99%の確率で売上が伸びる」という言葉をいただいたこともあり、導入を決断しました(廣嶋さん)
メルマガで特に効果が高いシナリオ配信の具体例
「アクションリンク」導入後、廣嶋さんが着手したのがトリガー配信の活用です。トリガー配信とは、ユーザーの行動や属性などの条件を起点に、あらかじめ設定したシナリオに沿ってメルマガが自動で配信される仕組みを指します。
実際に行ってきたトリガー配信で特に売上への効果が大きかったのは「カゴ落ち通知」「閲覧リターゲティング」「レコメンド通知」「ランキング通知」。これらは「アクションリンク」に初期設定済みの「鉄板シナリオ®」と呼ばれるトリガーです。
- カゴ落ち通知:カートに商品を入れたまま離脱した顧客に、リマインド通知する
- 閲覧リターゲティング:顧客が過去に閲覧(アクセス)した商品を案内する
- レコメンド通知:顧客の購入履歴などにもとづいてオススメ商品を案内する
- ランキング通知:ランキングを自動生成して通知する

特に効果が大きかったトリガー配信(鉄板シナリオ®)の例
これらの中でも「カゴ落ち通知」は圧倒的な売上を出しているといいます。その理由について廣嶋さんは「気になった商品をとりあえずカートに入れてから、買う商品を吟味するお客さまが多いのではないか」と分析。ECサイトには、お気に入りボタンもありますが、そういった機能を使わない顧客へのアプローチとしても「カゴ落ち通知」は大きな成果を上げています。
カゴ落ち通知は費用対効果が抜群に良いです。ROAS(ロアス)が2000%を超えることも珍しくありません(廣嶋さん)

メルマガを軸に、さまざまなトリガー配信(鉄板シナリオ®)を行っている
アクションリンク導入後3ヶ月でメルマガ売上1.4倍
こうしたトリガー配信(鉄板シナリオ®)を取り入れた結果、3ヶ月で早くも成果が現れました。2024年8〜10月におけるメルマガ経由の売上高は、前年同期間と比べて140%に拡大。メルマガの復調が起爆剤となり、前年比マイナスで推移していた自社ECサイトのリピート売上も前年比110%へと押し上げられました。
メルマガを軸としたCRMが奏効し、EC売上を伸ばすことができました(廣嶋さん)

2025年現在、「ゴールドジャパン」ではメルマガのトリガー配信は週2回、それ以外のスポット配信は週3回の頻度で実施しています。メルマガ経由の売上をトリガー配信とスポット配信で切り分けて分析し、それぞれの前年比を集計した結果、トリガー配信が売上アップに寄与していることも判明しました。

メルマガのトリガー配信が売上アップに貢献していることが判明した
分析機能でABテストを実施し成功パターンを横展開
メルマガの効果を上げるために廣嶋さんはABテストを繰り返しています。「アクションリンク」の分析機能を活用してメルマガごとの開封率・CTR・CVRなどを分析し、成功パターンを抽出。開封率が高かった件名を広告のキーワードやLINEのタイトルに横展開するなど、チャネル横断での相乗効果も出しています。
開封率やコンバージョン率などを分析・深掘りし、どのような言葉がお客さまに刺さるのか、データにもとづいて徹底的に調査しています。一見するとファッションとは無関係のワードのCTRが高いなど、新たな気づきも多いです。さらに、効果が高い件名を広告のキーワードなどに応用して相乗効果を出しています(廣嶋さん)
「アクションリンク」の分析機能のメリットについて廣嶋さんは「数字にもとづく意思決定を素早く行えるようになった」と強調しました。例えば、新規顧客と既存顧客それぞれの購入者数や売上高の前年比を確認し、ECサイトの現状や課題を即座に把握した上で、何をすべきか判断しているそうです。従来はこうした数値を手作業で集計していましたが、「アクションリンクの管理画面で確認できるので分析にかかる時間を大幅に短縮できた」と語りました。

「アクションリンク」管理画面の分析レポートイメージ
手作業が減って業務効率化にも成功
「アクションリンク」はセグメント抽出やランキング作成、レコメンド生成なども自動化できるツールです。廣嶋さんはこうした機能について「ツールが運用代行のように働いてくれる感覚がある」と感想を語りました。
アクションリンクを導入する以前は、CRMツール全般へのイメージとして複雑な設定や運用が必要だと感じていました。でも、アクションリンクは設定も運用も非常に楽で、手間をかけずにパーソナライズ配信を行えます。私以外のスタッフも「メルマガ配信が本当に楽になった」と喜んでいます(廣嶋さん)
アクションリンクを活用することで業務の一部を自動化した結果、1ヶ月あたり約13時間分の手作業を削減できました。その時間をクリエイティブの工夫や戦略の立案などに充てています(廣嶋さん)

「アクションリンク」の使い勝手や業務効率化への貢献度なども語った
オリジナルのトリガー配信で大きな成果
廣嶋さんは「アクションリンク」の「鉄板シナリオ®」を参考に、独自のトリガー配信を行うことでリピート売上の向上につなげています。
「ゴールドジャパン」で売上1位の商品を紹介するメルマガを作成し、その商品の購入履歴がない顧客を対象に月1回ほどの頻度で送信します。商品を購入した顧客は翌月の配信対象から除外し、未購入の顧客には配信を継続するというシナリオです。
その際、メルマガをしつこく送りすぎると登録を解除されてしまうため、ある程度の期間が経過したら「商品ページを閲覧しても買っていない人」に送信対象を絞るといった工夫もしています。
このトリガー配信を始めてから約4ヶ月で、該当商品の非購入者の割合が約4%減りました。着実にリピート売上を積み上げることができています(廣嶋さん)

累計販売20万本以上の人気商品「ハイパーストレッチ美脚スキニーパンツ」のトリガー配信でリピート売上を伸ばしている
これからのECにCRM戦略が一層重要な理由
セミナーの後半では、「アクションリンク」を提供している株式会社ファブリカコミュニケーションズの山本さんが、EC・通販においてCRMが一層重要になっている理由について実例を上げながら現場目線で解説しました。
CRMの重要性について山本さんが挙げた主なポイントは次の3点です。
- CPAが下がらない時代に入った
- リピートしない理由の多くは「忘れているだけ」
- メルマガの効果は依然として大きい
近年、EC市場の競争激化で広告費が高騰し、CPAが悪化しているネットショップは少なくありません。新規獲得だけでトップラインを伸ばすには限界があります。売上成長の鍵はリピート売上を伸ばすことです(山本さん)

実際のネットショップの売上構成比を例に挙げながら、売上成長の鍵はリピート売上を伸ばすことにあると指摘した
情報が氾濫している現在、多くの消費者は「どこのお店で買ったのか」を、はっきりとは覚えていません。メルマガやLINEを定期的に送り、お店のことを思い出してもらうだけでもリピート購入のきっかけを作ることができます(山本さん)

ECサイトでリピート購入しなかった理由に関するアンケート結果を紹介し、81%が「特に理由はない(忘れていた)」と答えていることに言及した上で「リピートしない理由の多くは単純に忘れられているだけのことが多い」と指摘した
メルマガやLINEを送りすぎると、迷惑がられて登録を解除されるのではないかと懸念する方もいるかもしれません。しかし、お客さまが求めている情報や、欲している商品を適切なタイミングで送るパーソナライズ配信によって、登録解除を防ぐことができます(山本さん)

メルマガがきっかけで購入した理由として「ちょうど欲しい商品を知らせてくれた」「欲しい商品を気づかせてくれた」「品切れになる商品を知らせてくれた」といった理由が挙がった
アクションリンクの「鉄板シナリオ®」の具体例
「アクションリンク」はECや通販のLTV向上に貢献するMA・CRMツールです。顧客の属性や閲覧履歴、注文履歴、アンケート結果などにもとづいてセグメントを構築し、メルマガの作成から配信、効果測定などを自動化・効率化します。さらに、データ分析にもとづくインサイトの深掘りによって顧客像の理解も進みます。このように、多くのEC事業者が「いつかやらなくてはいけない」「できることならやってみたい」と思っているCRM施策を実行できるツールです。
CRMを行いたくても、労力がかかりすぎることを気にして二の足を踏むEC事業者さんは少なくありません。限られた人材、限られた時間の中で「誰がやるのか」という問題もあるでしょう。そういった課題を解決するために作ったのがアクションリンクです(山本さん)
山本さんのこうした説明に廣嶋さんも同調し、手作業では限界があった施策を、自動化によって“仕組み”として回せるようになることは「アクションリンクを導入した大きな成果」と語りました。

「ゴールドジャパン」も活用しているカゴ落ち対策、閲覧リターゲティング、レコメンド通知、ランキングなどの「鉄板シナリオ®」は初期設定済みで、「オン」にするだけで実施できます。「CRMのノウハウがない」「シナリオを考える時間がない」「メルマガ作成・配信設定の工数を減らしたい」といったEC事業者でも取り組むことが可能です。
【アクションリンクに初期設定済みの「鉄板シナリオ®」の例】
カゴ落ち通知/閲覧リターゲティング/レコメンド通知/バースデー通知/ランキング通知/ポイント明細/ポイント有効期限/残りわずか通知/お値下げ通知/再入荷通知/コンセプト啓蒙/正しい使い方啓蒙/間違った使い方抑止/変化の実感訴求/継続理由の啓蒙/ユーザーボイス訴求/習慣化訴求/定期あまり対策/マイレージ利用訴求/アンケート/クロスセル訴求/アップセル訴求

アクションリンクはfutureshopと連携済み
「アクションリンク」はECサイト構築プラットフォーム「futureshop」と連携しているため、futureshopをご利用中の店舗は導入もスムーズです。契約から管理画面の引き渡しまでの目安は約1か月。技術的な設定サポートもありますので、CRM初心者でも安心して導入できます。ECサイトの受注データや顧客データ、メルマガ会員情報などは自動的に「アクションリンク」に連携されますので、「鉄板シナリオ®」をオンにするだけで、すぐにパーソナライズ配信に挑戦することが可能です。
「アクションリンク for futureshop」に関する詳細やお問い合わせはサービスページをご覧ください
まとめ
セミナーの最後に山本さんは、CRM戦略を考える上で重要な視点として「コミュニケーションの量と質がLTVを最大化する」と強調しました。既存顧客との接点の「量」を増やすとともに、顧客満足度の向上につなげるにはコンテンツや配信タイミングなどの「質」が求められるということです。今回紹介した「ゴールドジャパン」の事例からも見えてきたように、メルマガ配信を効率化することで顧客とのコミュニケーション頻度を高め、かつ、質の高いパーソナライズ配信を実現することが、リピート売上を伸ばすポイントになります。
そして、CRM施策が失敗する理由の1つは「現場スタッフの業務が増えすぎる」ことです。セグメント抽出やクリエイティブの制作、配信設定、効果測定——こうした作業をすべて手作業で行えば、現場は疲弊し、効果が出ると分かっていても継続できなくなってしまいます。マンパワーに頼らず、ツールを上手く活用し、“頑張らなくても回る仕組み”を構築することがCRMを成功させる鍵になるでしょう。




