「PayPay」や「d払い®」を自社ECに導入するとどうなる?集客と売上への効果を徹底解説【後編】
- 2020.07.162024.11.28
「PayPay」「d払い」という2大QRコード決済の自社ECへの活用法を学ぶセミナー「『PayPay』と『d払い』は、Eコマースに何をもたらすか?その実力を知る。」のレポート記事の後編です。
「d払い」の活用法の解説や、EC事業者さまにご参加いただいたオンラインディスカッションをレポートします。
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目次
第三部 dポイントユーザがもたらす「2000億pt」が自社ECにもたらす衝撃!d払いとは。
セミナー第三部では、株式会社NTTドコモの津田谷さんが「d払い」の概要や自社ECサイトに導入するメリットなどを解説してくださいました。
「d払い」の仕組みとは?
「d払い」は2015年に始まった決済サービス。
当初はネット決済のみでしたが、2018年から実店舗で使えるバーコード決済にも対応しています。
Amazonやメルカリなど大手ECプラットフォームで使われているほか、大手自社ECサイトを含めて約200のサイトに導入されているそうです。※2020年5月時点
「d払い」の決済代金を支払う際は、月々の電話料金と一緒にお支払いできる「電話料金合算払い」を利用できるほか、クレジットカードと紐付けて決済することも可能。
クレジットカードと紐付ければドコモの回線契約者以外も「d払い」を利用できます。
キャリア決済なら、クレジットカードとの紐付けや事前のチャージを行うことなく、最大10万円まで電話料金と一緒に支払いできます(津田谷さん)
4桁の暗証番号で決済
「d払い」をオンラインで使う際、ドコモユーザーは携帯電話で4桁の暗証番号を入れて決済します。
ドコモユーザー以外は初回にeメールアドレスで「dアカウント」を登録し、クレジットカード情報を紐付ければ、それ以降は4桁の暗証番号で決済できます。
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7,500万人以上が使う「dポイント」経済圏
津田谷さんはECサイトに「d払い」を導入する最大のメリットは「dポイント」にあると強調しました。
200サイト以上に導入されている理由は、キャリア決済の手軽さに加え、国内最大級の利用規模を誇る「dポイント」がたまったり、つかえたりする「 お得さ 」が認識されたからだと思います(津田谷さん)
NTTドコモが発行している「dポイント」は、ユーザーが携帯電話料金を支払ったときや、dポイント加盟店で買い物をした際などにもらえます。
また、ユーザーの誕生日にポイントを進呈するなど、NTTドコモがさまざまなキャンペーンを通じてポイントを進呈しています。
「dポイントクラブ会員」の会員数は2020年3月末時点で7500万人以上です。
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買い物の際に「dポイント」を使える加盟店はローソンやファミリーマート、マクドナルド、ガスト、エディオン、東急ハンズなど339社で合計7万4000店舗(2020年4月時点)。
津田谷さんによると、「dポイント」の使い道は、以前は携帯電話の買い替えなどが多かったそうですが、現在はポイントの60%が加盟店で消費されているとそうです。
4年前はポイントの95%が機種変更などドコモ内で使われていましたが、現在はポイントの60%が加盟店で使われています。
加盟店が顧客に進呈するポイント進呈率に対し、加盟店で消費されるポイントはその10倍以上。NTTドコモが大量にポイントを進呈しているため、ポイントが加盟店で消費されやすくなっています(津田谷さん)
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ドコモのポータルサイトから加盟店サイトに送客
ドコモユーザー向けのポータルサイト「dmenu」や、「dポイント」の専用ページ「dPOINT CLUB」などから加盟店のサイトへリンクを貼ることで、dポイントユーザーを加盟店に送客する導線を作るなど、「d払い」加盟店のオンラインサイトへの送客にも力を入れているそうです。
さまざまなメディアから「d払い」の加盟店に送客することで新規顧客の獲得に貢献します。
ある加盟店では、新規購入者の約1割が「d払い」によるものと推定されています(津田谷さん)
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dポイントの大型キャンペーンを実施
津田谷さんはNTTドコモが「dポイント」の原資を負担する大型キャンペーンを定期的に行なっていることも強調。
20%還元キャンペーンや、「d払い」を導入したECサイトで買い回りすると「dポイント」の還元率が高まるキャンペーンなど、さまざまな企画を毎月実施しています。
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第三部の最後に津田谷さんは、「d払い」を自社ECサイトに導入するメリットを次のように強調しました。
クレジットカードや代引き、銀行振込、後払いといった既存の決済手段にはないメリットを顧客に提供できるようになり、ECに踏み切れないユーザーの不安や不満を解消できます(津田谷さん)
「d払い」と「futureshop」が2020年11月に連携
「futureshop」は2020年11月に「d払い」と連携します(2020年秋をめどに申し込み受付を開始する予定)。
SBペイメントサービス株式会社が提供しているネット決済サービスのオプションで「d払い」をご利用いただけます。
現在は「futureshop」をご利用中の店舗さまが「d払い」を導入する場合、受注後に個別で決済依頼のメールを顧客に手動で送信する運用が必要です。
11月以降は「d払い」のオプションに申し込んでいただくと、追加開発を行うことなく、管理画面で設定するだけで「d払い」を利用できるようになります。申し込み手続きや導入後の精算処理も簡素化されます。
第四部 ネットショップ経営者が語る「PayPay」と「d払い」への期待度は?
オンラインセミナー最後のプログラムとなる第四部では、ワイシャツのECサイト「ozie」を運営している株式会社柳田織物の柳田社長と、ドライフルーツとナッツのECサイト「上野アメ横 小島屋」を運営している株式会社小島屋の小島専務にオンラインでご参加いただき、2社の現在の決済比率や、「PayPay」と「d払い」への期待感などを率直に語っていただきました。
決済比率はクレジットカードとID決済が中心
モデレータ フューチャーショップ安原(以下、fs安原):
まずは、「ozie」さんと「小島屋」さんが現在導入している決済の種類と、決済比率を教えていただけますか?
柳田織物 柳田さん(以下、柳田さん): 自社ドメインのECサイトで使っている決済は「後払い」「代引き」「AmazonPay」「クレジットカード」「銀行振込」です。
金額ベースでの決済比率はクレジットカードとAmazonPayを合計して約90%です。
小島屋 小島さん(以下、小島さん): 「小島屋」の決済は「クレジットカード」「AmazonPay」「代引き」「銀行振込」があります。決済比率は「AmazonPay」が約5割。
「AmazonPay」と「クレジットカード」を合計すると80~85%を占めています。「代引き」が10~15%、残りは「銀行振込」です。
安原: 販売戦略上、決済比率の目標はありますか?
柳田さん: 「代引き」の比率は下げたいですね。
自社ECでは電話注文も多いので代引きを残していますが、代引きは(受け取り拒否など)事故率も高いので減らしていきたい。ただ、特定の決済手段を伸ばす考えはなく、お客さまが使いやすい決済手段があればそれでいいと思っています。
小島さん: うちも柳田さんと同じで代引きは事故率が高いので徐々に減らしたいですね。
「PayPay」や「d払い」は既存のID決済を凌駕できる?
安原: 次の質問です。 「PayPay」や「d払い」は既存のID決済を凌駕できると思いますか?
小島さん: この質問については、そもそも「凌駕する必要はない」と思っています。
新しい決済手段が既存ユーザーのシェアを奪うのではなく、新規のお客さまが「この決済方法があるなら買おう」と考えるような、購入の最後の一押しになるなら導入すべきだと思います。
柳田さん: 正直、導入してみないと分かりませんが、私も凌駕することはできないのではないかと思います。そもそも他のID決済と仕組みが異なるので、比較できるものでもありません。
「Yahoo!ショッピング」では「PayPay」がよく使われています。以前お客さまに「PayPay」で決済する理由をたずねたところ、「PayPayで買うとポイントがたくさんつくから、やめられない」とおっしゃっていました。
そういった声を踏まえると、「PayPay」さんがユーザーに使われ続けるかどうかは、今後のキャンペーン次第だと感じています。
「d払い」は、ドコモさんがユーザーを加盟店に送客してくれれば売り上げにプラスになる可能性はあります。
「dポイント」を消化していないユーザーも多いということですので、「dポイント」の認知が広まれば「ドコモ経済圏」が広がるかもしれませんね。
小島さん: 「PayPay」さんは(大々的なキャンペーンによって利用者が顕在化しているため)目の前にお宝がある。これを取りに行かない理由はない。
一方で「d払い」は、私の観測範囲内ではあまり使われていないので、逆にお宝が眠っているかもしれません。
「PayPay」や「d払い」を導入する?
安原: 柳田さんと小島さんにズバリお聞きしますが、「PayPay」と「d払い」を導入しますか?
小島さん: 私は導入する予定です。
今やらない選択肢はないんじゃないかと僕は思っています。
ただ、決済比率がどう動くかは実際に使ってみないと分からないので、3年後や5年後もずっと使い続けるかは現時点ではなんとも言えないです。
柳田さん: 正直に言うと、このセミナーに登壇するお話をいただくまで、「d払い」については内容を良く知りませんでした。
ただ、今回のセミナーで津田谷さんのお話を聞いていて、どうやらプラス要素の可能性もあるなと感じたので「d払い」を導入しようと思います。
「PayPay」は「Yahoo!ショッピング」のお店でよく使われていますし、Yahoo!経済圏も育ってきていると感じているので、こちらも導入しようと思います。
「d払い」と「PayPay」を入れれば「成功間違いなし」とは言えないですが、導入することが負担にはもならないだろうというのが今の率直な感想です。
決済手段を無尽蔵に増やせば良いとも思っていないので、「PayPay」さんと「d払い」さんを導入したら、しばらくは新しい決済を入れずに様子を見ようと思います。
まとめ
今回のオンラインセミナーでは、「PayPay」と「d払い」を自社ECに導入するメリットを具体的に解説していただきました。
それぞれ大型キャンペーンを今後予定しているとの発表もありましたので、「PayPay」と「d払い」を導入する店舗さまは、ぜひキャンペーンの波に乗っていただきたいと思います。
「PayPay」と「d払い」はSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」および「futureshop omni-channel」にに対応予定となっており、導入に際してはまず「SBペイメントサービス」のfutureshopオプション『決済オプション「SBPS」』を導入し、「PayPay」や「d払い」のオプションを契約する流れとなります。
「PayPay」は6月から申し込みを受け付けており、「d払い」は今年秋に事前受付を開始する予定となっておりますので、詳細はfutureshopのサービスサイトやfutureshop公式・twitterにてご報告いたします。
また、SaaS型ECプラットフォーム『futureshop』にご興味ある方は詳しい機能をご紹介した資料もご用意しておりますので、こちらからご請求ください。
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※ d払いは株式会社NTTドコモの登録商標です。