2026年に必須のEC戦略とは?竹内謙礼さんが提言するAI対策・ファン獲得・利益確保の具体策【セミナーレポート】

竹内謙礼さん2026年予測セミナーサムネイル

お客さまから長く愛され、利益を確保できるネットショップを作るために、必要なことは何か。

そのヒントを探るため、EC・小売りの分野で20年以上活躍している経営コンサルタントの竹内謙礼さんをお招きし、2026年のトレンド予測とネットショップに求められる対策を“忖度なし”で解説していただきました。

『生成AIが普及し、AEO(回答エンジン最適化)が必須になった』

『利益を確保するには“競争しない商材”と“ファン獲得”が鍵になる』

『2026年は、25年周期で訪れる大転換の年かもしれない』

こうした見解が次々と飛び出し、シビアながらも前向きで具体的なEC戦略が語られた今回のオンラインセミナー。参加者からは「最新の情報が聞けて有意義な時間でした」「たくさんの有益なヒントをいただきました」「やるべきことが明確になりました」「まだまだ伸び代が大きいと自信が持てました」といった熱量の高い感想が数多く寄せられました。

竹内さんが提言した2026年に必須のEC戦略とは?ネットショップの経営者やEC担当者など約200人が参加し、大きな反響があったオンラインセミナーを特別に公開します。

【スピーカー紹介】

スピーカーを務めた竹内謙礼さん

有限会社いろは

代表取締役 経営コンサルタント

竹内 謙礼 氏

ネットショップを中心にマーケティングの指導を行う経営コンサルタント。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光施設の企画広報に携わり、楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。独立後、日経MJで「竹内謙礼の顧客をキャッチ」を10年以上連載。取材した企業は650社を超える。Eコマースや小売業の次年度の消費トレンドをまとめた「予測カレンダー」は19年目を迎えて、累計7800本以上を販売。精度の高い流通業界の予測情報として、各業界から注目を集める。楽天市場やAmazonをはじめ、Eコマース関連の企業でセミナーやコンサルティングの実績を多数持つ。「ネットショップ運営攻略大全」「楽天市場最強攻略ガイド」(共著)「Amazonに勝てる絶対ルール」「簡単攻略SEO」など著書は60冊を超える。

本稿は2025年12月に開催したオンラインセミナー「2026年を徹底予測!ネットショップ大転換の年 10年間顧客に愛される利益確保の自社EC戦略」をもとに構成しています。掲載内容はセミナー開催時点の情報です。

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節約志向が一層高まる2026年は「利益とファン客の絶対確保」が重要

2026年のEC市場を考える上で、まず押さえておきたいのが消費動向の変化です。竹内さんは日本経済の見通しや消費者物価など各種経済統計を踏まえ、2026年は消費者の節約志向が一層強まると予想しました。

消費者物価の上昇が続く一方で、賃金の伸びが鈍化し、実質賃金はマイナスに沈むと予想しています。2026年は消費者の節約志向が、さらに強まると考えています(竹内さん)

節約志向が強まる中で、ネットショップ運営のポイントに挙げたのは「利益とファン客の絶対確保」。商品が売れにくいからといって安易な値下げや広告に頼らず、お店の利益を支えてくれる「ファン客」を増やすことが、これまで以上に重要になると強調しました。

利益を確保するには、節約とは別軸で商品を買ってくれる「ファン客」を獲得することが、これまで以上に重要になります。ファン客を増やすには、その商品を買う理由や、そのお店で買う理由を「超明確化」することが必要です。節約・タイパ重視・増量・推し──など、コンセプトやキャッチコピーの方向性を明確にしてください(竹内さん)

2026年の消費動向予測

2026年の消費のポイントとして「利益とファン客の絶対確保」を挙げた

ネットショップが利益を確保するための「4つの具体策」

竹内さんはネットショップの利益が出にくい構造的要因を列挙した上で、それぞれの解決策として4つの具体策を解説しました。

【ネットショップの利益が出にくい構造的要因】

  • 競合の増加:競合が増えて価格競争が激化。広告コスト(CPA)も上昇している。
  • 消費者のリテラシー向上:SNS・口コミサイト・生成AIなどで商品を徹底的に調べる消費者が増え、集客の難易度が上がった。
  • 節約志向の高まり:消費者の節約志向が高まり、価格比較が一層シビアになった。
  • 運営コストの上昇:原材料費や人件費、外注費、デジタルツールのコストなどが高騰して利益を圧迫している。

【ネットショップが利益を確保するための4つの具体策】

  1. 競合店と競争しない商品作り
  2. AEO(回答エンジン最適化)の強化
  3. 「節約」とは別軸のファン客をSNSや動画で増やす
  4. 生成AIを活用してコスト削減

競合店と競争しない商品作り

競争を回避する商品開発の方法論として竹内さんが紹介したのは、売れている商品の性能を「少しだけレベルアップする」という手法です。売れている商品の一部性能を改善し、価格を少しだけ下げるとともに、商品ページのクオリティを高めるといった“小さな改善”を積み重ねることで売れる商品を作り出します。

商品開発の例「家庭用餅つき器」

  • 正月以外は使わないことを考慮し「収納性」を高める
  • 販売価格は競合製品よりも約1000円安くする
  • 製品の使用動画や利用シーンを商品ページに掲載する

売れている商品の性能や価格、コンテンツなどについて、それぞれ“少しだけ改善”することで、売れる商品を作ることができます(竹内さん)

競合が知らない売れる商品の作り方の法則

商品開発における、もう1つのポイントは「消費トレンドと自社商品を結びつける」こと。例えば、リフォーム商材であれば、防犯意識の高まりで住宅の安心安全へのニーズが高まっていることを踏まえ、「防犯・防災」というコンセプトを付加した取り付け式シャッターを開発するといった方法論です。

ECの強みは、商品を柔軟に入れ替えられることです。商品寿命が年々短くなっている現在は、既存商品を無理に延命させるより、新商品を投入したほうが売上アップにつながりやすい。消費のトレンドを捉え、売れている商品のカテゴリやジャンルに乗ることがヒット商品を生み出す鍵になります(竹内さん)

消費トレンド+自社商品のアレンジで新商品を考える

今回のセミナーではこのほかにも、2026年の消費トレンドとして「リユース・中古」「男性用化粧品」「ジェネリック売り」など、竹内さんが注目しているトピックスを詳しく解説していただきました。これらの消費トレンドは竹内さんが毎年制作している「売れる販促企画・キャッチコピー予測カレンダー」2026年版を踏まえた内容です。詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

2026年の消費トレンド

竹内さんが毎年制作している「売れる販促企画・キャッチコピー予測カレンダー」から2026年の消費トレンドを解説した

AEO(回答エンジン最適化)の強化

ネットショップが利益を確保する具体策の2つ目は、AEO(回答エンジン最適化)の強化です。

AEO(Answer Engine Optimization)とは、ユーザーが生成AIに質問した際に、AIが生成する回答において自社の情報を優先的に参照・回答してもらうための対策です。Google検索のAI OverviewやAmazonのRufusといった生成AIが、自社の商品や会社情報を参照・回答しやすいように、インターネット上の情報を整備します。

検索結果の上位にAIの回答が表示されるようになり、ゼロクリック(検索ユーザーがWebページをクリックしないこと)が増えています。従来のSEOだけではネットショップのアクセスが減っていく可能性があるため、顧客獲得の手段としてAEOは必須です。

AEOの具体策は、Googleビジネスプロフィールの登録やネットショップの専門性を高める情報発信、FAQの充実などがあります。ネットショップのレビューを増やしたり、メディア掲載・受賞歴などの実績を充実させたりして、お店の信頼性や権威性を高めることもAEOに有効です(竹内さん)

【AEOのポイント】

  • 基本はGoogleのSEOを押さえておく(E-E-A-T/経験・専門性・権威性・信頼性)
  • 商品ページよりもカスタマーページやFAQのサイトの情報を参照する傾向
  • 楽天市場やAmazonの出店、Googleビジネスプロフィールのクチコミ対策は効果的
  • メディア取材や、業界の権威ある人からの言及やリンクは有効
  • 質の低いオウンドメディアは衰退。コミュニティサイトへの転換が早急に求められる
AEO(回答エンジン対策)の強化

生成AIが普及し、ネットショップはAEO(回答エンジン最適化)が必須になったと強調した

続けて竹内さんは、生成AIがECの広告にも浸透し、大きな変化が生じていると指摘した上で、Google AI Overview の広告枠が日本でも導入される見通しであることなどを挙げて「ECのゲームチェンジが起きるかもしれない」と警鐘を鳴らしました。

AI Overviewに広告が表示されるようになると、そのわずかな広告枠を巡って入札競争が激しくなることが予想されます。広告費のさらなる高騰やリスティング広告のコンバージョン率低下、AI主導の広告運用など、ECのゲームチェンジが起こるかもしれません(竹内さん)

今後のAEOの動向

検索や広告にAIが浸透することでネットショッピングの形も変わっていくと予想した

「節約」とは別軸のファン客をSNSや動画で増やす

ネットショップが利益を確保する戦略の3つ目は、指名買いしてくれるファン客をSNSや動画で増やすこと。その具体的な手法として竹内さんは「Googleビジネスプロフィール」「Instagram」「LINE」を活用した顧客育成を提唱しました。

  1. 「Googleビジネスプロフィール」による新規獲得
  2. 「Instagram」でファン化
  3. 「LINE」を活用したリピート促進

「Googleビジネスプロフィール」による新規獲得

新規顧客獲得においてGoogleビジネスプロフィールが効果的な理由について竹内さんは「生成AIとの相性の良さ」を挙げました。

先ほども解説したように、Google検索のAI Overviewなど、検索エンジンにAI回答が実装されたことで、ネットショップ運営においてAEOの重要性が高まりました。

Googleビジネスプロフィールは「店舗情報や口コミといった生成AIが重視するデータが構造化されており、生成AIの情報源になっている」(竹内さん)と説明。AEOにおいて「Googleビジネスプロフィールの優先度は非常に高い」と指摘しました。

Googleビジネスプロフィールを登録していない企業は、生成AIから“実在しない会社”と判断されてAI回答で言及されなくなる可能性があります。実店舗を持たないネットショップもGoogleビジネスプロフィール対策が必須です(竹内さん)

【Googleビジネスプロフィール対策のポイントは「信頼性・正確性」】

  • リンク先に設定した公式サイトの質を上げる
  • 口コミの数や評価、返信スピードを意識する
  • 社名や住所などの情報を正確に掲載する
Googleビジネスプロフィールは必須

AEOの観点からGoogleビジネスプロフィールの重要性を説明した

Instagramでファン化

続いて竹内さんは、ネットショップの顧客をファン化するツールとしてInstagramを挙げました。

顧客をファン化するにはリール(ショート動画)やカルーセル(通常投稿)、ストーリーズ(24時間で消えるコンテンツ)などを継続的に投稿する必要があります。投稿頻度はリールが週3〜5本、カルーセルは週1〜2回(1投稿あたり写真10枚以上)、ストーリーズは毎日投稿するのが理想だと説明しました。

【Instagram運用のポイント】

  • ジャンルシグナルを意識する(投稿内容に一貫性を持たせる)
  • リール動画の維持率を高める(最後まで視聴したユーザーの割合を高める)
  • DMとストーリーズの関係を重視する(ストーリーズを見てDMを送るようなエンゲージメントの高いユーザーを増やす)

ただ、これらをすべて実行するのは「正直かなり大変」と指摘し、Instagram運用の難易度が上がる中で、人員と資金を投下できる大企業を除き「成果を高望みしない割り切りも必要」と強調しました。

Instagramを攻略する難易度は、ここ数年で一気に上がりました。プロのSNS人材を大量投入している大手企業と正面から戦うのは現実的ではありません。フォロワー数や売上を大きく狙おうとするのではなく、フォロワーに忘れられない程度にコミュニケーションを取るなど、リソースに合わせた割り切った運用も必要です(竹内さん)

Instagramの難易度がアップ

Instagramのポイントを解説した上で「リソースに合わせた割り切った運用も必要」と指摘した

LINEを活用したリピート促進

既存顧客のリピート促進にはLINEが効果的です。竹内さんはLINEの注意点として「お客さんの数よりも質が重要」と指摘し、登録者を獲得する手段として「リアルの人間関係を絡めると効果が出やすい」と説明しました。

実店舗やポップアップショップなどで、店員が接客を通じてLINE登録を案内し、お客さんの相談窓口としてLINEを活用するなど、リアルを絡めた関係維持のツールとしてLINEを使うとリピート促進効果が出やすいです。逆に、オンラインのみでクーポンやキャンペーンを打って登録者を増やすと、安さ重視のお客さんが増えてしまい、利益が残りにくくなるリスクがあります(竹内さん)

LINEは客質重視

LINEは登録者の「数」よりも「質」が重要

生成AIを活用してコスト削減

ネットショップが利益を確保する具体策の4つ目は、生成AIを活用してコスト削減を図ることです。具体例としてメール対応の自動化や商品説明文の作成、キャッチコピーのアイデア出しなどを挙げました。

なお、生成AIは便利なツールですが「過度な期待は禁物」(竹内さん)と注意喚起しました。

カスタマーサポートの問い合わせ対応がAIだと、それだけで離脱する消費者はまだ多いようです。顧客の離反リスクを考えると、生成AIに頼りすぎるのは危険でしょう。

生成AIを使いこなすには訓練が必要です。最低でも20〜30時間、本気で使ってみると、生成AIのクセやメリット・デメリットが見えてくると思います(竹内さん)

生成AIを活用してコスト削減

生成AIのコツをつかむには「20〜30時間、本気で使うことが必要」と強調した

2026年は新たな「25年周期」の幕開け

セミナーの終盤、2026年以降のEC市場について竹内さんは「新たな25年周期の始まりかもしれない」と自説を提唱しました。

コンシューマー向けのIT・デジタル分野では、25年ごとに大きな変化が起きています。1970年代前半にテレビゲームが登場し、その25年後の1990年代中盤から2000年にかけてECや検索エンジンなどインターネットによる大変革が起こりました。そこから25年後の現在、生成AIが社会を大きく変えようとしています。2026年は、新たな25年周期が始まる大転換の年になるかもしれません(竹内さん)

生成AIがネットショッピングにもたらす変化は一過性のトレンドではなく、今後10年単位で続く大きな流れになると竹内さんは見ています。

その象徴的な存在が、今後本格化するとされるAIエージェントです。

従来のECは「検索→クリック→閲覧→コンバージョン」というプロセスでしたが、AIエージェントが普及すればプロンプト(指示)とコンバージョンだけ、というシンプルな構造へと根本的に変わる可能性があります。消費者が商品を探す方法は、従来のキーワード検索から、「会話の中でAIから“答え”を受け取る行動へと移行していく」(竹内さん)と予想しました。

現時点では、AIエージェントによるEコマースは発展途上であり、流動的です。ただし、BtoB領域では企業がAIエージェントを持ち、企業間のやり取りをAI同士が担う世界も現実味を帯びてきました。こうしたトレンドが消費者向けのECにも波及していく可能性は十分にあると思います(竹内さん)

生成AIがECに浸透する未来を見据えたとき、AEOはネットショップの利益を守るための重要な土台になります。AEOは結果が出るまで時間がかかるため、早めに取り組むべきだというのが私の見解です(竹内さん)

総論:2026年のEC予測

AIエージェントの浸透は流動的としながらも「時代の変化についていくことが重要」と語った

参加者からの質問に竹内謙礼さんが本音で回答

セミナーの最後は、参加者からの質問に竹内さんが、その場で回答する質疑応答です。

「気合い入れて答えますよ」

そう語った竹内さんは、事前に想定していなかった踏み込んだ質問にも本音で回答。参加者アンケートでも「Q&Aも、とても参考になった」といった声が多く寄せられました。終了時刻を過ぎても質問が止まらず、当初の予定時間をオーバーしたにもかかわらず参加者の退出は少なく、画面越しにも熱量の高さが伝わってきます。本稿では特に反響の大きかった質問を一部抜粋して紹介します。

竹内謙礼さんの質疑応答

質疑応答では参加者からの質問が途絶えず、当初の予定時間を大きく超えて続いた

Instagram・LINEに関する質問

【質問】Instagramでショート動画を作るコツはありますか?

人気の動画を研究するのが王道です。「おすすめ」に流れてくる上位コンテンツを徹底的に調べて、視聴されやすい動画のパターンを掴んでください(竹内さん)

 

【質問】リールの撮影・編集・運営を社内で行っています。コンテンツ制作が滞りがちなので外注を検討していますが、自社ブランドのことをしっかり理解している人に制作してほしい気持ちもあり踏み出せません。

外注するとノウハウが社内に溜まらないため、内製化を続けることをお薦めします。ショート動画の重要度は今後、さらに高まっていきます。だからこそ、今からノウハウを蓄積しておきましょう(竹内さん)

 

【質問】40代〜60代の女性をターゲットにしたネットショップを運営しています。Instagramを強化した方が良いでしょうか。

もちろんです。今は年齢を問わずSNSを使う時代です。また、Instagramを使っている現在の20代〜40代が将来、ターゲット層になるわけですから、今から対策しておきましょう(竹内さん)

 

【質問】Instagramのリールの視聴維持率を上げるために、社員総出で視聴すると効果がありますか?

ほとんど意味がないと思います。むしろ、同一IPでの不自然な動きは、細工を疑われてアカウント停止のリスクがあるので、やめておいた方が良いと思います(竹内さん)

 

【質問】LINE公式アカウントの配信内容が商品の売り込みばかりだと、ブロックされないか不安です。箸休め的なコンテンツも必要でしょうか。

登録者の集め方次第です。例えば、ニッチな趣味用品など「とにかく商品が好き」「たくさん商品を見たい」という顧客が多いなら、むしろ商品情報をたくさん発信した方が喜ばれます(竹内さん)

 

Googleビジネスプロフィールに関する質問

【質問】Googleビジネスプロフィールの所在地は本社・事務所のどちらを登録すべきでしょうか?

ECサイトの事業者情報に表記している所在地を記載するのが無難でしょう(竹内さん)

 

【質問】Googleビジネスプロフィールは頻繁に更新した方が良いでしょうか?

更新頻度は、それほど重要ではないと考えています。会社情報や写真などの更新は月2〜3回で十分でしょう。ちなみに、Googleビジネスプロフィールの更新代行サービス業者が増えていますが、不要なサービスを高額で契約する業者もいるので気をつけてください(竹内さん)

 

【質問】Googleビジネスプロフィールに会社情報を掲載すると、商品を買えると勘違いした消費者が来社することを懸念しています。

難しい問題ですが、私なら商品を買えるようにします。その労力をかけてでも、Googleビジネスプロフィールは対策する価値があると考えています(竹内さん)

 

【質問】複数のブランドを展開している場合、Googleビジネスプロフィールにすべてのブランド名を記載した方がいいでしょうか?その場合、ビジネスの説明項目欄などに記載すればいいでしょうか。

その対応で良いと思います。なお、宣伝要素が強いとアカウントBANのリスクがありますので、説明欄に「50%オフ」や「クーポン配布中」といった宣伝要素は入れないように注意してください(竹内さん)

参加者から次々と寄せられる質問に答える竹内さん

参加者から次々と寄せられる質問に、忖度なしで真剣に回答する竹内さん

EC・出店戦略に関する質問

【質問】「TikTok Shop」「メルカリShops」「Temu」のいずれかに出店するなら、どれがオススメですか?

個人的な見解になりますが、現時点では、どれも無理にリソースを割いてまで出店する必要はないと思います。TikTok ShopとメルカリShopsは流通規模が現時点では小さいため出店の優先度は低いです。Temuは運営会社の純利益の成長率が鈍化しており、今後、巨額投資を続けることが難しくなれば、モールの成長にブレーキがかかる可能性があると予想しています。

いずれにせよ、いま出店しているECモールで売れていない企業が、別のモールに出店したからといって急に売れることはありません。青い鳥を探すよりも、地に足をつけて、まずは既存店舗をしっかり運営することが一番です(竹内さん)

 

【質問】女性用シューズのオリジナルブランドを販売しており、「Qoo10」に出店すべきか迷っています。

10代向けなど若年層がターゲットで、客単価が数千円の低単価商材であれば売れる可能性があります。それ以外の年齢層をターゲットにしているお店や、高単価商材は、慎重に検討した方が良いと思います(竹内さん

 

【質問】ECの顧客獲得単価の目安を教えてください。

業界や商材によるため一概に言えませんが、総じて顧客獲得単価は年々上がっています。AIが運用するネット広告は、広告費をかけるほどAI学習が進んで費用対効果が上がる側面もあるため、多額の広告投資を行える企業が勝ちやすいという現実もあります(竹内さん)

 

SEO・AEO・AIに関する質問

【質問】AI Overviewなど生成AIの影響で、SEO目的のオウンドメディアは衰退するでしょうか?

誰でも書ける記事を量産しているオウンドメディアは、AIがその内容を学習して回答してしまうため、集客は厳しくなるでしょう。一方で「体験」や「生の声」が集まるようなメディア、言い換えればコミュニティ化されたメディアの価値は、むしろ高まると考えています。例えば、フューチャーショップさんのオウンドメディア「イーコマースマガジン」は、お客さんを取材して生の声を掲載するなど「体験」を重視した質の高いコンテンツがたくさん載っているので、オウンドメディア運営の参考になると思います(竹内さん)

 

【質問】アパレルECサイトでSEO記事を書いています。検索エンジンで上位表示されているほか、GoogleのAI にも言及されることが多いです。今後の対策についてアドバイスをお願いします。

AI に言及されるオウンドメディアは相当レベルが高いです。方向性は間違っていないので、今のまま続けてください。さらに強化できることを挙げるとすれば、アパレル業界の有名人に記事を紹介してもらうといった取り組みも意識すると良いでしょう(竹内さん)

 

【質問】BtoB ECサイト特有の課題を解決するために、AIを導入するメリットはありますか?

見積依頼への対応やメール返信など、定型化できる業務をAIで効率化することから始めてみると良いのではないでしょうか(竹内さん)

 

【質問】ホームページのリニューアルを予定しています。動画コンテンツは今後も重要でしょうか。

動画は、とても重要です。生成AIはYouTube動画を拾うことも多いため、解説動画やQ&A動画などを作っておくとAEOにも効果があります。ただし、YouTubeチャンネルの登録者数とECの売上は比例しません。“数”を追いかけるのではなく“質”を重視してください(竹内さん)

 

【質問】 HTTPS未対応のサイトは不利になりますか?

さまざまな観点でデメリットが大きいです。HTTPSはネットショップの信頼性の土台です。最優先で対応してください(竹内さん)

 

まとめ:EC転換期に必要なことは「変化を前提とした思考」

今回のセミナーは、ECを取り巻く環境が変わっていくなかで、ネットショップのあり方も時代に合わせて変えていく必要があるという現実を痛感する内容でした。

節約志向の高まり、コスト構造の変化、生成AIの登場による検索行動の転換──。どれも単体で見れば、すでに多くの経営者やEC担当者が感じ取っている変化かもしれません。

しかし、それらを一つの流れとして整理し、「何をすべきか」という行動に落とし込んで語られる機会は多くありません。そういった意味でも今回のセミナーは貴重な学びの機会になったのではないでしょうか。

竹内さんの言葉からは「すぐに正解が出る話ではない」というメッセージも伝わってきました。時代の大きな変化の入口に立つ今、重要なのは“完璧な答え”を求めることではなく、“変化を前提に考え続ける姿勢”なのかもしれません。このセミナーで語られた視点が、今後のEC戦略を考えるうえでの一つの指針となれば幸いです。