越境ECの始め方は?注目されている理由やおすすめなサービスも紹介

how to start cross-border EC「越境ECを始めたい」「越境ECの始め方が気になる」

上記のように、越境ECを始めたいが、始め方がわからないと悩んでいる方もいるでしょう。越境ECの始め方には、モール出店や自社サイトなどいくつかの方法があります。

本記事では、越境ECの始め方を詳しく解説しています。越境ECを今始めるべき理由やおすすめの集客方法も紹介しているので、越境ECに興味がある方は、ぜひご覧ください。

越境ECとは

越境ECとは、文字通り国境を越えて行われる電子商取引のことを指します。日本国内の事業者が自社のECサイトや海外のECモールを通じて、海外の消費者に対して商品を販売することです。

越境EC市場規模は年々拡大しています。経済産業省の「令和5年度電子商取引に関する市場調査」によると、日本・米国・中国間の越境EC市場規模は、増加傾向にあります。特に、中国の消費者が日本の事業者から越境ECで購入した金額は2兆4,301億円に達し、前年比で7.7%増加しました。

データからもわかるように、越境ECは日本企業にとって新たな市場開拓の大きな機会となっており、今後もその重要性は増していくと考えられます。

参考:令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました 

今越境ECを始めるべき理由

現在の経済状況や社会情勢を踏まえると、今越境ECを始めるには良いタイミングといえます。今越境ECを始めるべき理由は、以下が挙げられます。

  • インバウンド消費の増加
  • 少子高齢化
  • 円安

越境ECを始めるべき理由を3つ詳しく見ていきましょう。

▼futureshopでは、越境ECの基本について動画でも解説をしています。

 

インバウンド消費

日本のインバウンド市場は、コロナ禍により一時的に落ち込みましたが、現在は回復しています。観光庁の発表によると、2024年にはインバウンド消費額が8兆円を突破する勢いを見せており、インバウンド消費は増加しているのです。

訪日外国人の増加は、越境ECにとっても良い影響を与えるとされています。日本で商品を購入し、品質や体験に満足した観光客は、帰国後もオンラインを通じて日本の商品を手に入れたいと考える傾向があるからです。実店舗での購買体験と越境ECを連携させることで、一時的な顧客から継続的な海外顧客を獲得できるでしょう。

少子高齢化

日本の人口は少子高齢化の影響で減少しているのも越境ECを始めるべき理由のひとつです。越境ECに参入し、海外市場へと販路を拡大することで、より幅広いターゲット層にアプローチできます。

成長を続けるアジア諸国や、安定した消費力を持つ欧米諸国へ販路を広げることは、国内市場だけに留まるよりも、売上拡大を期待できるでしょう。

円安

近年続く円安傾向は、海外の消費者にとって日本製品の魅力度を一層高めています。自国の通貨で支払うよりも少ない金額で手に入れられるため、相対的に割安感が生まれ、購買意欲が刺激されるためです。

品質の高さで定評のある日本製品は、海外で既に高い評価を得ているうえに、円安という要因が加わることで、これまで価格面で敷居が高かった層にも購入が広がる可能性があります。

越境ECの成功事例紹介

アパレル事業を行っている株式会社クーは、国内市場の縮小やコロナ禍におけるインバウンド売上の減少という課題に直面していました。そこで元々台湾に約15店舗の実店舗を運営していたこともあり、futureshopのアライアンスサービスである「WorldShoppingBIZ」を導入し、多言語対応や海外決済・海外配送まで提供する越境EC環境を整備しました。

また、さらなるCVアップのために「shutto翻訳」をトライアル導入し、海外の消費者がスムーズに商品を購入できる環境を整え、かつ日本の商品やブランドの魅力を適切に伝えられる多言語対応を進めました。その結果、株式会社クーは越境ECにおいて売上1.5倍という成長を遂げています。

この事例から、越境ECでは海外の顧客がストレスなく購入できる利便性や、商品を正確に伝えるためのコミュニケーションの両面を強化することが大切であることがわかります。

株式会社クー 越境EC事例

越境EC対策<買える>と<伝わる>の双方からアプローチ。売上1.5倍!株式会社クーの成功事例

2023-10-30

越境ECの始め方

一般的な越境ECの始め方は、以下の手順があげられます。

  1. 海外のECモールに出店する
  2. 海外のディストリビューターに販売してもらう(こちらから取り組むケースもある)
  3. 越境ECサイトを構築する
  4. 国内向けECサイトを越境EC対応する

ただし、futureshopとしては4→1→3→2の順、つまり「まずは国内向けECサイトを作り、海外からも買ってもらえる越境EC対応をする。アクセス・購買などのデータを分析した上で海外のモールに出店し、軌道に乗ってから越境ECサイトを構築する」という順番をおすすめしています。

1のモール出店は、売上規模が大きくなると手数料などの負担が増加します。2のディストリビューター経由での販売は、長期で見ると手数料がかさんだり、ディストリビューターに依存し取引停止になった場合のダメージが大きかったりと、売れれば売れるほどデメリットが大きくなるためです。

futureshopでは、しっかりと戦略を立てて、自社に合った売り方ができる自社ECサイトでの越境対応が成果に結びつきやすいと考えています。そのため、まずは自社ECサイトを持ったうえで、それを越境対応させることを推奨しています。

ここからは、越境ECの始め方をステップごとに詳しく解説していきます。

STEP1:国内向けECサイトを越境EC対応する

越境ECの始め方としておすすめなのが、国内向けECサイトを越境EC対応させることです。「WorldshoppingBIZ」と呼ばれる代理購入が可能なシステムを導入することで、簡単にECサイトを越境EC対応にできます。

新しく海外専用のECサイトを構築したり、海外のECモールに出店したりするには、高額な初期費用や月額費用、各種手数料などのコストが発生します。しかし、代理購入サービスを利用すれば、既存の国内ECサイトに簡単なタグを設置するだけで、海外からの注文や決済までを代行してもらえるのです。

多額の初期投資や、海外取引に関する知識がなくても、低コストで越境EC市場へ参入できます。

初期投資を抑えたマーケティング施策については、こちらの動画もご参照ください。

STEP2:海外のモールに出店する

越境ECの次のステップとして検討したいのが、海外のECモールへの出店です。AmazonやeBay、Tmallなど、「越境EC」と聞いてはじめに思い浮かべる方も多いでしょう。

モールは膨大な数のユーザーを抱えているため、自社ECサイトだけではリーチしにくい広範な海外顧客層に効率的にアプローチできるのがメリットです。ブランドの認知度向上にも繋がりやすくなります。

一方で、出店には店舗設立時の広告費や保証金などの初期費用や月額手数料、売上に応じた販売手数料などがかかります。モールごとに異なる規約や決済システム、配送方法などに対応する必要があり、運用コストが高くなる傾向にあるのがデメリットです。集客力とコストのバランスを考慮し、自社の商品やターゲット層に合ったモールを選ぶことが大切です。

STEP3:越境ECサイトを構築する

越境ECへの最終段階として、自社独自の越境ECサイトを構築することが挙げられます。越境EC対応可能なプラットフォームを使えば、簡単に多言語対応のサイトを立ち上げられます。

一方で自社サイトはモールと異なり、最初から集客力があるわけではありません。集客面を含めた運用コストもかかるため、国内同様しっかりと現地で認知度を高める施策等を実施しないと売り上げがあがらないため、注意が必要です。

ただし、STEP1〜2を経ている場合、これまで得られた海外市場のニーズ、顧客の購買データ、売れ筋商品などの情報を活用し、適切な戦略立案や運営方針を立てやすくなります。いきなりゼロから越境ECサイトに取り組むよりも成功確率は高まるでしょう。

越境ECの集客方法

越境ECを成功させるためには、ターゲットとする海外市場の顧客に自社の商品やブランドをいかに認知・購入してもらうかが大切です。国内での集客方法とは異なる特性を持つため、現地の文化や消費者の行動様式に合わせた戦略が必要不可欠です。

ここでは、越境ECの集客方法を2つ紹介します。

現地のSNSを活用する

越境ECで集客するには、現地のSNSを活用するのがおすすめです。国や地域によって主要なSNSプラットフォームが異なります。例えば、アメリカでは、X(旧Twitter)やInstagramが多く利用されていますが、中国ではWeChatやRED、Weiboなどが人気を集めています。

ターゲットとする国の消費者が日常的に利用しているプラットフォームを特定し、SNS施策を打ち出すことが大切です。

また、ターゲットとする国がすでに決まっている場合は、自社ブランド名で他社にアカウントを取られてしまうリスクがあるため、SNSアカウントは早い段階で作成しましょう。後発で公式アカウントを作成すると、本物である証明ができず、訴訟問題になるケースもあるため注意が必要です。

ショップカードを配布する

ショップカードを配布するのも、越境ECにおいて効果的な集客方法のひとつです。訪日外国人観光客が商品を購入した際に、オンラインで購入できる情報を提供するショップカードを渡すことで、自国に帰った後にリピート購入してもらえる可能性が高まります。

ショップカードには、越境ECサイトへのアクセスを促すQRコードやURL、多言語対応している旨の記載などを記載しましょう。実店舗と越境ECの連携を強化することで、顧客との関わりを増やし、より多くの海外顧客の獲得を目指せます。

越境ECを始める際に利用したいサービス

越境ECを始める際に利用したいサービスは、以下が挙げられます。

  • shutto翻訳
  • WorldShopping BIZ

それぞれのサービスについて詳しく解説していきます。

shutto翻訳

shutto翻訳は、JavaScriptのタグを1行挿入するだけで多言語化が可能になるサービスです。自動翻訳・プロ翻訳・セルフ翻訳機能の3つがあり、ニーズに合わせて選択できます。「自動翻訳では不安」といった場合は、プロの翻訳者に依頼できるため、精度の高い翻訳が期待できます。

futureshopでショップをオープンしている場合は、30日間無料トライアルを利用可能です。shutto翻訳について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

WorldShopping BIZ

WorldShopping BIZは、多言語対応や海外決済、海外配送などを一貫して代行してもらえるサービスです。JavaScriptタグを1行挿入するだけで、世界228の国と地域に向けての海外販売対応を行えます。

WorldShopping BIZについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

futureshopは簡単にECサイトを始められます

futureshopでは、shutto翻訳やWorldShopping BIZなどを用いて簡単に越境ECを始められます。自社ECサイトは、海外のモール出店や代理購入サービスでは得られない高い戦略性と柔軟性を持ち合わせているのがメリットです。

また、モール出店に比べて手数料の負担も少ないため、売上規模が拡大した際の利益率向上も期待できます。futureshopでは、shutto翻訳やWorldshopping BIZといった提携サービス以外にも、広告代理サービスなど越境ECに必要な機能を多数提供しています。

越境ECを検討している方は、ぜひ一度futureshopにご相談ください。

まとめ

インバウンド消費の高まりや円安などの影響もあり、越境ECを始めるのには「今が」良いタイミングといえます。

おすすめの始め方としては、国内向けECサイトを越境ECに対応させ、海外のモールに出店する方法です。そこで情報収集をしておくことで、自社独自の越境ECサイトを構築した際に、スムーズな運営が可能になります。

futureshopでは、本記事で紹介した「shutto翻訳」や「WorldShopping BIZ」など越境ECにおすすめなサービスと連携しています。越境ECを始めようか悩んでいる方は、ぜひ一度futureshopにご相談ください。