ECの価格競争から抜け出すフレームワークと成功事例!EC実践会講師が徹底解説【セミナーレポート】

EC実践会 セミナーレポートのメインビジュアル

自社ECサイトが成長の踊り場を迎えたとき、過度な値引きや広告で状況を打開しようとすると「売上が伸びても利益が出ない」という悪循環に陥ります。

ネットショップを再び成長軌道に乗せるには、事業フェーズに合った施策を、正しい優先順位で実行することが重要です。

本稿では、その具体策として次のフレームワークを、具体的な事例とともに紹介します。

価格競争から抜け出す「参入障壁フレームワーク」

このフレームワークは、企業が持つ強みを商品戦略やコンテンツ作りなどに活かし、価格以外の要素で消費者から選ばれるネットショップを実現する方法論です。グループコンサルティング「EC実践会」で学べる戦略の1つであり、受講者の方々が実際に成果を出してきた再現性のある内容です。

「EC実践会」で数多くのネットショップを成功に導いてきた水上浩一さんに「参入障壁フレームワーク」を解説していただきました。EC実践会受講者の成功事例も多数紹介していますので、「自社ECで利益を確保する差別化戦略を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

本稿は2026年1月に開催したオンラインセミナー『価格競争から抜け出す!脱モール依存戦略 月商1000万円を突破する「一点集中」の勝ち筋』もとに構成しています。掲載内容はセミナー開催時点の情報です。 

【スピーカー紹介】

セミナーのスピーカーを務めたEC実践会講師の水上浩一さん

株式会社ドリームエナジーコンサルティング

代表取締役 水上 浩一(みずかみ ひろかず)氏

「戦略的ウェブ活用」を得意とし、オープン80日で月商1100万円達成ほか、月商1億円超、月商4800万円店舗など、大手企業から地方の商店街・地域活性化まで幅広いジャンルにて、ネットショップ・実店舗問わず短期間で劇的な売上アップに貢献。オールアバウト「インターネットサービス」ガイド、FMラジオのパーソナリティ、雑誌コラム・テレビなどマスコミでも活躍中。年間180回以上行われるセミナー、全国22地域延べ3300人以上の参加実績がある「EC実践会®for futureshop」など、講師としても高い人気を誇る。

futureshopは最新テクノロジーとヒトが
サポートするSaaS型ECプラットフォームです

ITreview顧客満足度1位 ご利用店舗継続率99.3% サポート満足度93.4%

株式会社伊藤久右衛門様

LINE連携やAmazon Payなど
販促ツールの対応が早く満足しています

株式会社イデアボート様

リニューアルして
売り上げ過去最高になりました

ミレー・マウンテン・グループ
・ジャパン株式会社様

オムニチャンネルに着手したことで
ECの成長に弾みがつきました

ECサイト成功事例集

自社ECサイト成功事例集

年商1億円の秘訣がわかる
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価格競争を回避する「参入障壁フレームワーク」

商品の価格比較が容易なECにおいて、価格競争を回避するには、競合と比較されにくい状態をつくることが必要です。それを実現する方法論の1つとして水上さんが提唱しているのが「参入障壁フレームワーク」です。

「参入障壁フレームワーク」とは、企業が持つ強みを商品開発や品ぞろえなどに活かしたり、ネットショップのコンテンツに落とし込んだりすることで、価格以外の要素で消費者から選ばれるネットショップを作る方法論です。

また、適切なコスト管理やバリューチェーン(事業活動における価値の連鎖)の効率化、コンバージョン率の高いページ作りといった取り組みも含めてネットショップの競争力を高めます。

具体的には、下記の3つの要素のうち、2つ以上を満たすとネットショップの優位性が高まり、価格競争を回避できるとされています。

1.供給サイド(お店側)の優位性:コスト管理ができているか、独占的技術があるか 

2.お客様の需要の満足:習慣的に買われるようになっているか、信頼感があるか 

3.見えない改善(資産)の蓄積:バリューチェーンが効率化されているか、購買確率の高いページの量産化ができているか

これら3つの要素について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

参入障壁フレームワークを説明するスライド

「供給サイドの優位性」「お客様の需要の満足」「見えない改善(資産)の蓄積」という3つの項目のうち、2つ以上を満たすと競争力が高まって価格競争を回避できる

参入障壁フレームワークの必要条件

1.供給サイドの優位性

  • コスト管理:ネットショップのリソース分散や過剰コストを排除し、利益の圧迫要因を取り除く。例えば、漫然とした広告運用による販促費の浪費や、売れ筋商品以外の過剰在庫を見直す。単なるコストカットではなく“勝てる分野”にリソースを集中することがポイント。
  • 独占的技術:特許や独自素材などコア・コンピタンス(核となる強み)を明確化し、競争力の高い商品を作る。また、コア・コンピタンスが消費者に伝わるように、商品力の裏付けとなる技術・体制・素材などを分かりやすく紹介する。

お客様の需要の満足

  • 習慣化、スイッチングコスト:リピート商材の開発や、継続利用を前提としたサービスなどを通じて、買い物の習慣化を促進し、商品やネットショップを切り替える心理的ハードルを高める。
  • 信頼感、安心感、歴史・背景:品質の裏付けとなる技術や製造工程、会社の歴史、ユーザーレビューなどをECサイトに掲載し、ネットショップの安心感や信頼感を高める。また、顧客満足度を高めるサービスを拡充する。

見えない改善(資産)の蓄積

  • バリューチェーンの効率化:仕入れ・製造・販売・物流・顧客サポートといったバリューチェーン(事業活動における価値の連鎖)のボトルネックを1つ1つ潰し、ショップ運営を効率化することで競争優位性を高める。
  • 購買確率の高いページの量産化:買い物しやすい商品ページや、顧客の悩みを解決するコンテンツページなど、訪問者の購入につながるページを量産してネットショップ全体の転換率(コンバージョン率)を上げる。

供給サイドの優位性」「お客様の需要の満足」「見えない改善(資産)の蓄積」という3つの項目のうち、2つ以上を満たすと、強力な参入障壁として機能して価格競争から抜け出すことができます(水上さん)

 

参入障壁フレームワークの成功事例「ソルボ公式オンラインストア」

水上さんは参入障壁フレームワークの成功事例として、外反母趾サポーターやインソールなどの製造販売を手がけている「ソルボ公式オンラインストア」の取り組みを紹介しました。

参入障壁フレームワークの事例として紹介した「ソルボ公式オンラインストア」のトップページ画像

同社が直面していた課題は、卸先が大手ECモールで安売り(定価の約3割引)したことで、卸先との価格競争が起きていたことです。

「適正な利益を確保するとともに、ブランドの価値を守るという観点からも、メーカー直販サイトが値引き競争に乗るわけにはいかなかった」(水上さん)という状況を打破するために、同社は参入障壁フレームワークの次の3つの施策に取り組みました。

  1. 独占的技術(コア・コンピタンスの明確化)
  2. 信頼感、安心感、歴史・背景(公式サイトの安心感・顧客満足度)
  3. 購買確率の高いページの量産化(商品ページ・コンテンツページ) 

「ソルボ公式オンラインストア」はこれらの取り組みを通じて商品力や信頼感などで選ばれるネットショップを作り上げ、価格競争の回避に成功。売上も大きく伸びて月商1000万円の壁を突破しました。参入障壁フレームワークの3項目をすべて満たして成功した理想的な事例です。

同社の具体的な取り組みを紹介します。

「ソルボ公式オンラインストア」が取り組んだ参入障壁フレームワークの施策

独占的技術(コア・コンピタンスの明確化)

同社の強みは特許取得素材「ソルボセイン」を持っていること。衝撃吸収や圧力分散性能を備えた人工筋肉とも称される素材です。その特徴を顧客に伝えるため、鉄球を落としても跳ね返らずピタッと止まる動画や、圧力分散をビジュアル化した画像などをECサイトに掲載しています。

また、英国国立研究機開発公社の支援で誕生した背景も紹介するなど、技術的な優位性を具体的かつ視覚的に表現することで、「価格比較」から「技術比較」へと勝負の土俵を移しました。

「ソルボ公式オンラインストア」が取り組んでいる参入障壁フレームワークの「供給サイドの優位性:独占的技術」の具体策

信頼感、安心感、歴史・背景(公式サイトの安心感・顧客満足度)

足の悩みに関する専門家「フットコントロールトレーナー」の資格を持つ社員16名が商品選びをサポートしています。そのことを詳しく説明する特集ページを作り、公式オンラインショップの信頼感や安心感を高めました。

また、商品の試着会や足圧測定会など、専門性の高いサービスを“リアルの接点”でも提供することで差別化しています。

さらに、公式サイト限定特典として「開封・試着後でもサイズ交換可能」といったサービスを提供し、公式オンラインストアで購入するメリットも明確に打ち出しています。

「ソルボ公式オンラインストア」が取り組んでいる参入障壁フレームワークの「信頼感・安心感・歴史 背景の訴求」の具体策

購買確率の高いページの量産化(商品ページ・コンテンツページ)

顧客が商品を選びやすいように「サッカー」「野球」「テニス」「バスケットボール」といった具体的なスポーツごとにランキングを作成しました。また、機能性や用途、悩みを切り口としたランキングなど、ニーズが具体化した顧客に刺さるコンテンツも量産化しています。その結果、「スポーツ名+サポーター」「スポーツ名+悩み系キーワード」のような購買確率が高い検索クエリでのオーガニック流入を増やすことに成功しました。

「ソルボ公式オンラインストア」が取り組んでいる参入障壁フレームワークの「購買確率の高いページの量産化」の具体策

スポーツごとのランキングや、「つま先がきつくならず足をケアするインソールランキング」といった”悩み”を切り口にしたコンテンツなど、ニーズが具体化している顧客に刺さるコンテンツを量産化した

 

購買確率の高い商品ページを作る施策としては、カートボタンをレビューの下に移動し、レビューで共感を高めてからカート(購入の意思決定)へと進むように導線を変更しました。

さらに、商品のサイズごとにカートボタンを設定するなど、コンバージョンアップの施策を積み重ねることで、商品ページの転換率を0.58%から1.3%へと改善することに成功しています。

「ソルボ公式オンラインストア」がCVRアップの施策として実行したカートボタンの位置を変更した事例

 

SEOの施策と絡めて購買確率の高いコンテンツページを作る取り組みの一環として、課題解決型のコンテンツの作成にも注力しています。例えば、「旅行中の腰痛対策に 持ち運べるソルボ腰サポーター」や「ソルボインソールの選び方」など、購買意欲が高いユーザーが使う検索キーワードを狙った記事を量産化しました。

「ソルボ公式オンラインストア」のコンテンツページの事例

SEO効果でアクセス数が増加

参入障壁フレームワークの施策に取り組んできた結果、顧客の検索意図に合致したページが増えるとともに、Google検索で重視される「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」が高まり、ソルボ公式オンラインストアのカテゴリページやコンテンツページの検索順位が上昇しました。

例えば、サポーターのカテゴリページは「外反母趾サポーター」といったキーワードで検索1位を獲得。さらに、購買確率が高いミドルキーワードやスモールキーワードでも上位表示を獲得しています。

また、先ほど紹介した「旅行中の腰痛対策に 持ち運べるソルボ腰サポーター」など課題解決型のコンテンツページは転換率が高く、コンテンツ経由での売上アップに貢献しています。

「ソルボ公式オンラインストア」のSEO施策の事例

「外反母趾サポーター」などのキーワードで検索1位を獲得している

 

EC実践会参加者の参入障壁フレームワーク成功事例

セミナーでは「ソルボ公式オンラインショップ」のほかにも、参入障壁フレームワークを活用して価格競争からの脱却に成功したEC実践会参加者の事例を多数公開介しました。その一部を紹介します。 

自動車用シートカバー・フロアマット「グレイス」

自動車用シートカバーやフロアマットの製造販売を手がけ、自社ECサイトで月商1000万円以上を安定的に達成している「グレイス」は、全国各地のオートバックス店舗にグレイスコーナーを設置し、商品の実物を見て触れられるようにしました。

オンラインでは生産拠点や工場情報を紹介し、製品の安全性の追求や安定供給に努めていることを詳しく説明しています。

こうした取り組みを通じて「参入障壁フレームワーク」の「お客様の需要の満足」を高めています。

リアルの接点を絡めてショップの信頼感や安心感を高めていることも、成果を上げたポイントです(水上さん)

自動車用シートカバーなどを販売しているグレイスが取り組んでいる参入障壁フレームワークの事例1つ目

全国各地のオートバックス店舗にグレイスコーナーを設置している

自動車用シートカバーなどを販売しているグレイスが取り組んでいる参入障壁フレームワークの事例2つ目

オンラインカタログで生産拠点や工場情報を紹介

業務用食品資材・食材「カイコム」

業務用の食品資材や食材を扱う「カイコム」は、商品を選びやすいカテゴリページや特集ページを増やすとともに、購入ニーズが高い検索クエリを狙ったコンテンツも拡充するなど「購買確率の高いページの量産化」に取り組むことで、転換率アップに成功しています。

飲食店向け資材・食材のBtoBサイト「カイコム」が取り組んでいる参入障壁フレームワークの事例

商品を選びやすいカテゴリページや特集ページを充実させ、「購買確率の高いページの量産化」に取り組むことで転換率アップに成功した

 

EC実践会で効果が実証されたフレームワークを多数解説

今回のオンラインセミナーでは「参入障壁フレームワーク」のほかにも、「一点集中から展開戦略」「チャネル展開サイクル」「SEO展開戦略」「売上高構成比率とキー・プロダクト」「チャネル別KPI設定方法」といった、さまざまな戦略やフレームワークを解説していただきました。

どれもEC実践会の参加者が成果を出している再現性のある内容です。これらの戦略やフレームワークをより深く学びたい方は、EC実践会への参加をぜひご検討ください。

 

【一点集中から展開戦略】 

ランチェスターの法則をベースにしたフレームワークで、EC事業の立ち上げ当初や事業規模が小さいネットショップが大手と戦う際に有効な戦略です。

EC事業の初期は競争力の高い商品に広告予算やSEOのリソースを集中投下する「一点集中」で局地戦を勝ち抜き、月商が300万円前後に達したら隣接市場へとターゲットを広げる「展開戦略」で売上をさらに伸ばしていきます。

EC実践会で取り入れている「一点集中から展開戦略」の概要図

【チャネル展開サイクル】

ECサイトの売上構成を①広告チャネル②オーガニックチャネル(検索流入)③顧客リストチャネルの3つに分類し、それぞれをバランスよく強化することで相乗効果を生み出し、売上を伸ばしていきます。ECサイトの売上を伸ばすために「何を」「どのような順番で」実行すれば良いかを示したフレームワークです。

EC実践会で取り入れている「チャネル展開サイクル」の概要図

【SEO展開戦略】

特定の複合ワードでSEOを強化し、その成功パターンを隣接する複合ワードへと横展開していくことで、最終的にメイン・キーワード(ビッグワード)で検索1位を獲得します。

EC実践会で取り入れている「SEO集中戦略マップ」のワークシート

 

まとめ

今回のオンラインセミナーでは、EC実践会のカリキュラムをベースに、自社ECサイトの売上と利益を伸ばす具体的な方法論をお伝えしました。

その手法と成功事例は、商材を問わず多くの企業にとって参考になったのではないでしょうか。

値引きや広告に依存することなく、価格以外の要素で消費者から選ばれるネットショップを作るために、本稿で紹介した「参入障壁フレームワーク」もぜひ参考にしてください。 

実践型のグループコンサルティングサービス「EC実践会」の紹介

このセミナーレポートで紹介したフレームワークは、EC実践会で学べる内容のごく一部です。

EC実践会はネットショップ運営に必要な知識とスキルを6ヶ月間で習得する実践型のコンサルティングサービスで、SEO・データ分析・広告など、さまざまな戦略やフレームワークを学ぶことができます。

ワークショップを取り入れた月1回の講義に加え、日報への講師によるフィードバック、個別コンサルティング、受講者同士の交流会なども行っています。

【EC実践会の主な内容】

  1. 講義&ワークショップ(毎月1回約4時間)※オンライン参加や録画視聴も可能
  2. メール日報/個別相談&アドバイス(毎日)
  3. 個別コンサルティング(6ヶ月中に1回約1時間)
  4. 懇親会

※東京会場・大阪会場のそれぞれ10社限定で、1社4名まで同一料金で受講することが可能です

EC実践会のカリキュラム

ノウハウを提供するだけの勉強会ではなく、課題を自ら発見する力や、売上と利益を伸ばす基礎力の習得を目的とした実践型のカリキュラムであるため、EC部門に着任した方のスキルアップや、経験豊富な店長さんのリスキリング、さらには新入社員研修などにもオススメです。

直近1年でも月商1000万円突破店舗が多数誕生しました。スポーツ関連商材で1900万円、バッグで2100万円など、業種を問わず成果が生まれている点も注目に値します。

EC実践会の受講者の実績一覧

グループコンサルティングサービス「EC実践会」はfutureshopをご利用中の企業はもちろんのこと、それ以外の方にもご参加いただけます。グループコンサルティング EC実践会」の詳細やお申し込みは下記ページをご覧ください。