EC物流ECクレームTOP3!なぜ売上アップ後にブラック企業化したのか?

奮闘記エピソード7 物流

✓ 先行運営されているECオーナーは、どのような過程を経てECサイトを立ち上げたのか?
✓ 運営開始にあたって、どんなことでつまずいたのか?

しばやん
ライター業を営む傍ら、自身でECの運営代行やwebサイトのディレクションも行う筆者。
そんな筆者が、実際業務にかかわったECサイトの構築過程や、課題・売上目標を達成していく様を赤裸々にご紹介する体験談。

今回の記事では、商品を顧客に届けるまでのEC物流業務。ECオペレーションについてお話したいと思います。

▼ 前回のお話

画像:「まとめサイト」でバズり!さらにフォロワーが多数に!売れないサイトがどうなった?!

月商が約3倍にも!売れるECサイトへの転機はUGCとコンテンツマーケティングにあり!

2020-04-10

EC物流とクレームランキングTOP3

EC物流効率化の問題
ECは販売サイトですから、売り上げ向上に目を向けるショップ担当者やオーナーは多いと思います。
その反面、商品のピックアップ・梱包作業も含めた、EC物流業務の効率化まで意識が向く方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?

通信販売の一形態であるECでは、物流の効率化は避けて通れない課題。

もしECで物流業務に問題が起きて配送遅延が生じると、即キャンセルやクレームに結びついてしまいます。

事実、ECに寄せられるクレームで最も多いのが

しばやん
商品の配送/サービスの提供が遅れた(数日~1 週間の遅延)で、

これは全体の30%強を占めています。

その他のクレームはというと…。

  • 2位・・・商品自体やサービスに問題があった→ 24.2%
  • 3位・・・異なった商品が届いたもしくはサービス内容が違った→ 15.3%
  • 同率・・・梱包も含め商品が壊れていた→ 15.3%

と続きます。 ※経済産業省:平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備からの情報。

EC物流の業務を分解してみる

ここで、ECの物流業務項目を確認しておきましょう。

EC物流業務は、以下のような作業内容に分類されます。

ECの物流手順とその作業

① 検品・入庫作業

検品・入庫はEC物流の出発点です。
この作業では、入荷データと実際に入荷された品物に誤りがないことを確認します。

② 棚入れ作業

入庫した材料や商品を、自社の倉庫内できちんと仕分けする作業となります。

③ 保管作業

倉庫内で材料や商品が劣化しないように、保管する作業です。
特に食料品は温度や衛生管理に気を配らなければなりませんが、どのような製品でも湿度や温度管理・防塵対策は必要です。

④ ピッキング作業

出荷時に顧客からのオーダーに従って、棚入れした材料や商品を取り出す作業です。
複数の倉庫や保管場所があるのであれば、ピッキング作業はより複雑なものとなります。

⑤ 流通加工作業

出荷に合わせて、顧客のオーダー通りに材料を加工する作業です。
この流通加工は昨今注目されている新しいカテゴリです。
食料品のパック詰め、アパレルのタグ付けアイロン加工といった比較的簡単なものから、PCの組み立てのような複雑な作業まで多様な形態があります。

⑥ 梱包と出荷作業

ピッキングされた商品・製品や流通加工で仕上がった商品を、配送に耐えるように梱包して出荷する作業です。
出荷時には、顧客からの問い合わせに対応するために、配送される商品・製品の追跡も行います。

⑦ 在庫情報の管理作業

受注 ⇒ 在庫 ⇒ 商品管理 という一連の流れを管理。
在庫情報の管理を行う作業は、顧客からスピードと正確さを求められるECにおいて欠かせない業務となっています。

このように、EC物流業務では①~⑦の作業が存在します。

対面対応ができないECはリアル店舗よりもシビアな対応が求められる

顧客からの受注に対して、スピーディー且つ正確な対応を求められるのは、ECもリアル店舗も変わりません。
ただフェイス・トゥ・フェイスの対応が可能なリアル店舗と違って、お互いの顔が見えないECでは、よりシビアな対応が求められます。

ではECの物流では、いったいどんな問題が発生しているのでしょうか?
以下に代表的なEC物流におけるトラブルをご紹介したいと思います。

EC物流業務における代表的なトラブル

  1. 出荷量が想定外に増えたため、これまでの物流では対応できなくなる
  2. 材料・商品が多様化して在庫管理しているのにも関わらず欠品が発生する
  3. 出荷準備に時間がかかりすぎて、顧客ニーズに応えられず商機をのがす
  4. 商品分類・組み合わせの対応件数を増やしたいが、システム開発が高騰する

このような問題は

  • 出荷オペレーションの見直し
  • 在庫と財務システムの連携や基幹システムの見直し
  • 在庫管理システムの導入
  • 出荷スタッフの増員
  • 出荷作業のアウトソーシング
  • WMS(倉庫管理システム)の導入

※ WMSとはWarehouse Management Systemの略。商品の入出荷・ピッキング・在庫管理の正確性とスピードアップを目指して導入するシステムの略称。

といった施策を行うことで解決できます。

ただいずれの解決方法も、それなりのコストが掛かります。

そのため問題解決を先送りし、既存のスタッフの休日出勤や残業対応で乗り切ろうとするショップさんも珍しくありません。この傾向は、規模の大きくないショップにおいて顕著に現れます。

キメ細かい対応がアダとなって出荷が思うようにいかなくなる

この連載で紹介している木材DIYの業者さん。
エピソード6「月商が約3倍にも!売れるECサイトへの転機はUGCとコンテンツマーケティングにあり!」でご紹介したように様々な施策が功を奏し、ようやく売り上げが立つようになりました。

売り上げに目途がついてきたことは良いのですが、当初の想定になかった『オーダーに応じて木材のカットや塗装を行う』という工程がネックとなって中々出荷がままなりません…。

上記の工程でいうと、⑤流通加工作業と⑦在庫情報の管理作業に問題が生じたことになります。

しばやん
このキメ細やかな対応が、売り上げ向上の要因になっているのも事実です。

EC物流事件!連日の残業&休日出勤…

過剰な労働に…

我々サポートチームは、この問題解決を図るため、物流加工のアウトソーシングや社内の他部署への協力要請をお願いしたのですが、担当者はコストが掛かることを理由に首を縦に振りません。

確かに木材のカットや塗装を伴う特殊加工を、アウトソーシングでカバーしようとすると、費用も余計にかかります。
が、出荷を遅延させる訳にはいかない。

そこでEC担当者は、サイトに関わる他の社内スタッフに協力を求め、毎日日付が変わるまで残業を続けました。
オーダーが多い日は、休日も出勤して出荷対応をこなしていたほどです。

こんな無茶な勤務体制が長続きするわけがありません。

そのうち勤怠記録から、会社にEC部門の勤務実態が明らかになり問題が発覚。

社長さんも加わった社員総出で、出荷対応を行って急場を凌ぐことになりました。

社長も出陣!ブラック企業状態を打破!

ご紹介のECサイトではこれまで何か問題が起こると、我々サポートチームが助言や提案を行い、運営の手助けを行ってきたのですが今回は違いました。

上層部も総出で出荷対応を行ったことが良かったのか、会社全体で問題を認識。

我々が提案するよりも先に、社長の一声でEC専用の加工部門が創設されることになったのです。

出荷対応も、社内の物流対応部門と連携して行うことで一気に問題が解決される運びとなりました。

今回はたまたま社長も加わり、会社ぐるみでオペレーションの問題を解決することができましたが、このようなケースは稀かもしれません。

例えECオペレーションに問題があっても、担当者のマンパワーによってその綻びが表面化していないケースも珍しくないと思います。

まとめ: 「売上アップ」と「EC物流」は両輪

緻密な戦略を立てておこう
せっかく売り上げが立ったのに、商品加工や物流業務でコストが嵩むと何のためにECを行っているのかわからなくなる。
そのような境遇に陥った担当者やオーナーの気持ちは、痛いほど理解できます。

ただコスト増を理由に物流業務の改善を行わなければ、顧客に迅速に品物をお届けするというECの美点が損なわれます。
その結果、クレームやキャンセルを招いていたのでは、本も子もありません。

ネットショップであるECでは、まず売り上げ向上に着目して運営を行うことになります。
それと同時に、売り上げ向上施策に伴う物流課題を想定し対策を立てておかないと、後々「業務フローやオペレーションの破綻」といった問題を抱えることになりかねません。

顧客の要望に合わせて、常にサービスや商品の形態の変化を求められるECは、物流に関しても臨機応変な対応が求められます。
「物流効率」は「売上向上」とは異なったベクトルの課題として、認識しておきたいものですね。

EC物流を効率化するためのサービス

Fulfillment by ZOZO 

販売前の作業 《 採寸・サイズ表示・撮影・商品登録・在庫管理 》 と販売後の出荷作業 《 注文確認・ピッキング・梱包・発送 》 を、ZOZOの物流プラットフォーム「ZOZOBASE」に任せることができるフルフィルメントサービスをfutureshopと連携して利用することができます。

「ZOZOBASE」に在庫を入荷するだけで、自社ECサイトとZOZOの在庫が連動され、商品の登録・販売から発送までが完了。

販路拡大だけでなく、商品登録と物流に割いていたリソースを、コンテンツ作成やプロモーションに充てることができるようになり、ブランド認知・自社ECの売上アップが見込まれます。
※futureshopでは2020年8月より連携を開始いたします。

詳細は下記のプレスリリースをご参照ください。

▼こちらから
2020.05.21 フューチャーショップ、物流プラットフォームサービス「Fulfillment by ZOZO」と8月より連携開始。

はぴロジ

はぴロジ

1つの物流会社・1つの倉庫と契約して物流業務を委託するのではなく、全国の倉庫をネットワーク化
最寄りの倉庫からの分散出荷により、送料を抑え、迅速な配送を実現。

物流会社への出荷の指示・在庫管理の業務を、エクセルでの面倒なやり取りではなく、専用画面からのシンプルなボタン操作で指示できるので、出荷業務を簡略化できます。

出荷データのデータ変換や制御も自動化できるので、複雑な手動でのオペレーションをしている場合は、その作業が不要となり出荷ミスの低減にもつながります。

ロジレス

ECサイトでの受注から出荷までの自動化できるEC物流プラットフォーム。
複雑な業務フローを再現する機能も存在し、必要な作業は“確認が必要な注文データ”に対応することだけ。

受注後は自動的に取り込まれ、自動的に倉庫に出荷指示が共有されるので、指示を出すこともなく商品が出荷され、お客様のもとに届きます。

複数拠点からの自動出荷も実現しており、お届け先・在庫状況・支払い方法などの条件により出荷元倉庫を自動判定して、最も効率的な倉庫から自動的に出荷されます。

SaaS型EC構築プラットフォームfutureshopでは、物流を効率化する上記システムと提携しております。

自社に合うサービスがわからない時も、自社ECのプロ、futureshopのスタッフに、こちらのリンクからお気軽にご相談ください。

次回のおはなし

サイト運営開始からおよそ2年。

試行錯誤を繰り返しながらサイト運営を続けてきた、サイトオーナーと我々サポートチーム。
目下の問題はモバイル対応になっていないサイトデザインと、カスタマイズが難しいECオープンソースの使い勝手です。

サイト訪問者の大多数がモバイルからの流入にもかかわらず、使用しているオープンソースのバージョンの問題で、モバイル対応ができていないことは大問題。
また木材カットオーダーはミリ単位の対応が求められるため、どうしてもキメ細かな対応が求められます。

しばやん
そのため汎用に対応するオープンソースでは、サイト運営側の負担はかなりなものに。
この問題を解決するため、我々サポートチームが行った提案は?

次回、Episode 8 『 ECリニューアルで失敗しないために。無料ECシステムが業務破綻を招いた理由とは? 』 に続く…!

サイトリニューアルについて第一弾

ECリニューアルで失敗しないために。無料ECシステムが業務破綻を招いた理由とは?

2020-06-12

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(2020年4月15日公開)

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