売上50%UPの事例も!自社ECの運命を左右する?!決済代行費用問題と送料とは

画像:自社ECオープに向けて検討したいこと。決済代行と送料問題。

先行運営されているECオーナーは、どのような過程を経てサイトを立ち上げたのか?
制作過程での悩みや葛藤にはどんなものがあるのか?

ライター業を営む傍ら、自身でECの運営代行やwebサイトのディレクションも行う筆者。
そんな筆者が、実際業務にかかわったECサイトの制作過程や、挫折・売り上げ目標をクリアしていく様を赤裸々にご紹介する体験談。

▼前回のEpisodeはこちら

連載第3回商品選定と売れる商品の要素とは?

商品選定どうしてる?ヒット商品になりうる5つの要素と商品登録のルールの重要性を再確認!

2019-12-12
今回の記事では、決済代行会社にまつわるお話や配送業者の決定に関するエピソードをご紹介します。
『EC運営を始めよう』とお考えの方々に、参考にしていただけたら嬉しいです!

銀行振込や代金引換だけで対応したエピソード

この連載でご紹介している、DIY系の木材通販サイト。サイト構築も佳境を迎え、いよいよオープンが迫ってきました!

あとは決済の方法と、商品を輸送する配送業者を選定する作業を残すだけとなりましたが、ここでも問題が発生

決済方法が決まらないのです。

この会社のサイトご担当者は、とても慎重な性格の持ち主。
サイトのオープンに先立ち、我々サポートチームは幾度となくクレジットカード決済を導入すべきとご提案を行ったのですが、決済手数料の高さに導入を躊躇

オープン後当面は、銀行振り込みと代金引換の決済方法だけでサイトを運営するという選択をされたのです。

しばやん
しかしこの慎重な選択が、後になって問題を招きます…

顧客とのやり取りの中で「クレジットカードは使えないの?」という問合せが

今思えばある意味凄いと思うのですが、このショップさまは実に1年以上もの間クレジットカード決済を導入せずに運営を続けられました。

これは決済手段の少なさを十分に補うほど、顧客に対するホスピタリティやサービスが素晴らしかったことを意味します。

しかし顧客とのやり取りのなかで、

クレジットカードは使えないの?
カードが使えるのなら友人にショップを紹介したい

という声は常に上がっており、課題として無視できない要望に発展

ここに及んで、ついにクレジットカード決済の導入を検討されることとなりました。

手数料の問題でクレジットカード決済の導入を躊躇してしまうのは本末転倒

画像:Credit Card決済についてのイメージ
ECサイト運営には不可欠なクレジットカード決済ですが、当然ながら初期費用や月額利用料それに各支払い時に手数料が必要です。

具体的には…

初期費用で50,000円程度
月額のランニング費用は5,000円~
そして各支払いに必要な手数料は3.2~3.5%
となっています。

このように導入時や月次で費用が必要、それに商品が売れるたびに手数料が掛かるとなると、

「クレジットカード決済の利用はもったいない
「もう少し売り上げが立ってから導入を考えたい

と考える方が出てきても不思議ではありません。

特にサイト立ち上げ時は、ショップ運営に自信を持てないオーナーや担当者は多いですから、固定費削減の観点からもこのような感覚に陥るのは理解できます。

思い通りの決済方法がなければお客さまは買わない

「インターネットショッピングに関する動向調査2012」の調査データによると、サイト訪問者は希望の支払い方法がなかった場合、実に73.7%もの割合で他のサイトで買う、もしくは買うのをやめてしまうという結果が出ています。

時間と労力をかけてサイトをつくり、広告などお金をかけた集客施策を行ったとしても、「いざ支払い!」という段階になって離脱されたのではたまったものではありません。

クレジットカード決済をはじめECでよく使われる決済の方法

クレジットカード決済を利用するには、顧客からのクレジットカード払い(決済)を代行してくれる「決済代行会社」に依頼する必要があります。

ここでは決済代行についての概要と、代表的な決済代行の種類についてご説明したいと思います。

決済代行

決済代行とは…
カード決済やコンビニ決済をはじめとするいくつかの方法を、一つのシステムでまとめて集金できる仕組みのこと。

直接金銭のやり取りができないECサイトにおいて、決済代行は不可欠な仕組みであり、その選定は慎重に行う必要があるといえるでしょう。

■ クレジットカード決済

ECで最も代表的な決済方法といえるのが、クレジットカード決済です。

現在流通している主なカード会社は、

  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
  • AmericanExpress
  • Dinersclub

EC運営を行うのなら、最低でもここにあげたカードブランドぐらいは使えるようにしたいもの。

決済代行会社に依頼すれば、まとめて審査してくれるので、各カード会社と個別に折衝する必要はありません。

クレジットカード決済をECサイトで利用するには、決済代行システムと自社ECサイトを接続してカード情報のやり取りを行う必要があります。

決済代行会社との主な接続方法は3種類

決済代行会社とECサイトの接続方法は、以下の3種類から選択。
ショップの規模や、取り扱う商品の特性に応じて選びましょう。

  1. リンク型
    自社ECサイトの注文完了画面から決済代行会社の提供するクレジット決済ページに飛ばし、決済をさせる仕組み
  2. モジュール組み込み型
    決済代行会社から提供されたプログラムを、自社ECサイトの決済画面に組み込む
  3. データ伝送型
    暗号化に対応するサーバーを自分たちで用意し、顧客のクレジット情報を決済代行会社に送る

■ コンビニ決済

コンビニの大手といえば、セブンイレブン・ファミリーマート・ローソンの3社になりますが、カード決済と同様に決済代行会社に依頼すれば個別の折衝は必要ありません。

コンビニ決済を使われるケースも多かったですが、現在では後払い系サービスが増えたことによって、支払ってからしか送られないコンビニ決済は減少傾向にあります。

■ 後払い決済

この決済は、手元に届いた商品をきちんと確認してから代金を支払えるので、顧客にとっては非常にメリットが大きいといえます。

その反面サイト運営者にとっては、未回収のリスクが大きい決済方法といえるでしょう。

ただ「後払い決済事業者」と契約すれば、顧客の与信審査や商品代金の立替を行ってくれるので、未回収のリスクが軽減されます。
 

■ 掛け売り

一般的な小売業では必要ないと思いますが、業務販売大口の物流サービスを行うショップでは「掛け売り」対応は欠かせません。

掛け売りは信用取引の一種で、品物を先に相手に送り後日定められた期日に集金をするものです。
この取引は信用取引になるため、未払い・支払い遅延・貸し倒れといったリスクが付きまといます。

掛け払い決済の対応ができる決済システムを導入すれば、このようなリスクから解放されます。

新しい決済方法の追加に想定以上のコストと時間が掛かる

このDIYショップは、最初はオープンソースでECサイト構築をしましたが、その後、機能拡充・カスタマイズの必要性から、自社開発でフルスクラッチのECシステムに移行しました。

そうこうしているうちに、市場では「Amazon Pay」や「楽天Pay」「Apple Pay」など新しい決済サービスが次々と登場。

特に「Amazon Pay」の利便性を、耳にするようになっていました。

しかしフルスクラッチでは、新たに開発をしなければ、新しい決済に対応することができません。

その開発には予想以上にコストがかかり、各決済の仕様分析や導入前後のテストにも時間が掛かってしまいます。

私はこのサイトに、常に最新のシステムにアップグレードを続けるASPやSaasモデルのECシステム利用しなかったことを、いまさらながら後悔しています。

この経験からも、今後ECサイトを構築する際は、

しばやん
時流に合わせて新しい決済方法の導入にも、システムバージョンアップで対応してくれる、Saas型のECシステムを導入するのが賢明だと思うに至りました。

配送業者と送料の選定は競合店との差別化につながる

画像:配送会社の選択は大事
決済システムと同様に、ECサイト運営の「鍵」となるのが配送業者の問題。これは特に女性のサイトオーナーや担当者に多いのですが、配送料金は各社一律とお考えの方は案外多いようです。

しかし配送料金は各社で異なる他、長尺物や重量がある商品は配送を受け付けてくれない場合もあります。

ー ECサイトに対応してくれる代表的な3つの配送業者

宅配業者の合理化や統合が進んだ結果、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵政の3社が主な配送業者となります。

これらの会社は、一般的な配送サービスである「個人向けサービス」だけでなく、個人事業主や対法人向けサービスをターゲットとする「事業向けサービス」も展開しています。

またある程度の販売実績があれば、自社・自店にあわせた「特約契約」にも応じてくれるでしょう。

ー 配送料金の設定に迷ったら…

配送業者選びに関しては、他の比較サイトで詳しくお調べいただければと思います。
各社が特徴あるサービスを用意していますので、サイトで販売する商品の特性に合わせた選択をしてください。

しばやん
ただしここで気を付けていただきたいのが、配送料の設定についてです。

もうすでにお気づきだと思いますが、「商品売価+配送料」という価格設定が必ずしも顧客に受けいれられるとは限りません。

実は商品価格と同様に、配送料金の設定に悩まれるショップオーナーは非常に多いのです。

配送価格の選定に迷ったら、まずは競合店の配送料を調査してみましょう。

ー 競合店に競り勝つためには戦略的な決断も必要

あなたが調べたように、お客さまも同じように競合の配送料をチェックしています。

お客さまが価格比較を行う際は、商品単体だけでなく送料もプラスした総額を見ていることを意識しましょう。

競合店に競り勝つためには、例え送料分がマイナスになったとしても、戦略的な価格設定を決断する覚悟は必要です。

通常とは異なる形状の商品を取り扱う場合は注意が必要

イメージ画像:木材等の規定外の配送はどうする?
このエピソードでご紹介している木材通販のショップさんは、文字通り木材を販売しています。
一般的にDIYで使われる木材は2メートルを超えるサイズであり、重量もそれなりにあります。

先に挙げた3社の配送業者であれば、1社だけが対応可能だったのですが、一般的な荷物でないため非常に高価な配送価格設定になってしまうことがわかりました。

そこで、主要3社の配送業者以外にも、長尺物や重量物を配送してくれる業者をEC担当と一緒になって懸命に探していった結果、1社だけお手頃な価格で対応してくれる配送業者が見つかりました。

ただし、購入客の中には、特定の配送業者を好む場合もあるため選択肢は多いほうが良いと考え、やや高価な配送業者と、探して見つけた配送業者の2択で選んでいただけるように設定

これでようやくすべての設定と手配が済み、ようやくECサイトをオープンできる運びとなりました。

決済方法や配送方法は重要な事柄なのか?

この記事をご覧になってくださっている方々は、おそらくECサイトを立ち上げようとお考えの方やEC構築のご担当者が多いのでは?と推察します。

しばやん
そんな方々にご質問です。
決済方法と配送方法は決めていらっしゃいますか?

『まだです…』という方は、自社・自店の取り扱い商品の特徴を捉えつつ、決済代行配送の方法すぐにでも考え始めましょう。

『もう決めている』という方も、今一度その方法で良かったのか?再度見直してみてください。

構築時はあまり気にならないのですが、EC運営時において決済と配送の問題は、

店舗の運命を左右しかねない重大事項です。

ここでの決定は、後々問題になってくるいわゆる「カゴ落ち」にも密接に関係してきます。よく考えた上で決定したいですね。

まとめ

前回の商品選定や商品登録のエピソードでも書きましたが、ECサイトのスタートアップではカート選びやサイト構築だけに注力している訳にはいきません。

商品を購入して代金を支払い、自宅や職場にお届けするという最終フローにまで気を配らなければ運営に失敗します。

言い換えれば競合店と比較して、支払い方法の選択配送料とお届までの時間自信を持つことができれば、ライバルに対して非常に優位に立てるといえるでしょう。

ちなみにここで紹介している木材通販サイトの場合、
決済代行会社のサービスを導入する前と後では、購入時の離脱率がおよそ30%、

売上額は50%も向上しました。

他の施策も同時に行っているので、一概に決済方法だけの効果とは言い難い部分もありますが、参考までに記述しておきます。

次回のおはなし

デザインの問題、決済会社の問題、それに送料の問題を何とかクリアしてようやくオープンしたECサイト。

でも肝心の商品が全然売れません!

どうしたら商品が売れるのか?…連日話し合いです。
チーム全員で考えたあげく、やっと見つけ出した答えは…?!

続きはこちらから! ↓
Episode5 『最初の1つがどうしても売れない…』

ドタバタEC奮闘記 Episode5はこちらから

自社EC最初の難関!最初の1商品を売るには? 商品が売れない原因と、回避方法を把握しよう。

2020-03-10

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