ECサイトに保守が必要な4つの理由とは?具体的な内容は費用相場まで解説します
- 2024.06.072024.06.20
ECサイトを運営するうえで、保守は欠かせない業務の1つです。安定稼働、機能改善、データバックアップ、セキュリティ維持など、ECサイトを健全に運営するためには、継続的な保守が重要です。
しかし、保守の内容や費用は、サイトの構築方法やプラットフォームによって大きく異なります。サービス内容、サイトの規模、カスタマイズの程度、契約期間などの要因も、保守費用に影響を与えます。
本記事では、ECサイトの保守が必要な理由や、保守の種類、費用の相場、ランニングコストについて詳しく解説します。さらに、保守費用に影響を及ぼす項目についても触れ、自社に最適な保守体制を構築するためのヒントをお伝えするため、ぜひご覧ください。
目次
ECサイトに保守が必要な4つの理由
ECサイトを健全に運営するには、保守は欠かせません。ここでは、ECサイトに保守が必要な4つの主な理由について解説します。
ECサイトの安定稼働のため
ECサイトは、24時間365日休むことなく稼働し続ける必要があります。万が一、エラーやトラブルが発生してサイトが停止してしまうと、顧客の利便性が損なわれ、ショップの信頼性にも大きな影響を及ぼしかねません。
また、サイトが停止している間は、商品が売れずに機会損失が発生してしまいます。安定稼働を維持するためにも、システムの監視をはじめとする日々の保守は欠かせません。
機能追加や改善のため
ECサイトは、日々変化する顧客ニーズや競合他社の動向に合わせて、機能の追加や改善が必要です。
たとえば、モバイル端末の普及に伴い、スマートフォンでの利用に最適化したレスポンシブデザインを導入したり、決済方法を多様化したりすることで、利便性の向上を図ります。
ECサイトの競争力を維持するためにも、継続的な機能改善に向けた保守が必要です。
データバックアップのため
ECサイトには、顧客情報や商品情報など、ビジネスに欠かせない大切なデータが数多く保管されています。もし、これらのデータがシステムの故障やハッキングなどによって失われたり破損したりすると、事業継続が困難になりかねません。
万が一に備えてデータをバックアップしておくことは、ECサイト運営における必須の保守作業だといえるでしょう。
セキュリティを維持するため
ECサイトでは、顧客の個人情報や決済情報を扱うため、セキュリティ対策は特に重要視されます。OSやミドルウェアのセキュリティパッチを適用したり、定期的にセキュリティチェックを実施したり、不正アクセスを監視したりと、多岐にわたるセキュリティ対策が必要不可欠です。
ECサイトに対する信頼を獲得し、安全な取引環境を提供し続けるためにも、セキュリティ関連の保守は必須だといえます。
セキュリティ対策の種類や事例など、具体的な内容は以下の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
ECサイトの運用に欠かせない4つの保守内容
ECサイトを安定的かつ効率的に運用していくためには、さまざまな保守作業が欠かせません。ここでは、予防保守、改善保守、適応保守、訂正保守の4つに分けて、それぞれの内容を詳しく解説します。
予防保守
「予防保守」とは、システムに障害が発生する前に定期的な点検や整備の実施を指します。
具体的な内容は以下のとおりです。
- バックアップの作成と確認
- セキュリティパッチの適用
- ストレージの状態監視とデータ削除
- システムリソースの監視と調整
- ログの確認と分析
これらの予防保守作業を定期的に実施すれば、システムの安定稼働を維持し、深刻な障害の未然防止に繋げられます。
改善保守
「改善保守」は、既存のシステムの機能や性能を向上させる保守の作業です。たとえば、以下のような内容が挙げられます。
- ハードウェアの増設や交換による処理能力の向上
- ソフトウェアのバージョンアップによる新機能の追加
- データベースのチューニングによる検索・更新速度の改善
- ユーザーインターフェースの改修による操作性の向上
- セキュリティ強化のためのシステム改修
これらの改善保守によって、ECサイトの利便性や競争力を高められます。
適応保守
「適応保守」は、法改正や新規ビジネス要件などの環境変化に対応するための保守作業を指します。具体例は以下のとおりです。
- 税制改正に伴う会計システムの改修
- 新商品の販売に伴うECサイトの機能拡張
- クラウドシフトに伴うシステムのマイグレーション
- 他社システムとの連携のためのインターフェース開発
- モバイル対応のためのレスポンシブWebデザイン化
適応保守を適切に実施できれば、変化する環境にスムーズに対応し、ECビジネスの継続性を確保できます。
訂正保守
「訂正保守」は、システムの不具合やバグを修正する保守作業のことです。具体的には以下の内容が含まれます。
- プログラムのロジックエラーによる計算ミスの修正
- データ紐付けの不備による参照エラーの解消
- セキュリティホールの解消によるシステムの脆弱性の除去
- 画面デザインの不備による表示の見づらさの改善
- 入力値のチェック漏れによる異常終了の防止
これらの対応を迅速に行うことで、システムの不具合による業務への影響を最小限におさえ、サイトユーザーの満足度を維持できます。
ECサイトの保守費用相場
ECサイトの保守費用は、サイトの構築方法やプラットフォームによって異なります。しかし、保守自体はECプラットフォーム側で対応し、サイト運用者は月額費用として支払う形が一般的です。
具体的には、サーバーとソフトウェアの保守が必要ですが、SaaS/ASP型のサービスを利用する場合は、サービス提供元が保守を実施するため、利用者側に保守の義務や費用負担はありません。
一方、パッケージ型、オープンソース型、フルスクラッチ型のECサイトで、サーバーを自社で用意している場合は、自社で保守作業を行うか、外部に保守作業を委託する必要があります。
保守を含めたランニングコスト
ECサイトを運営する際には、初期の構築費用だけでなく、保守を含めた継続的なランニングコストを考慮する必要があります。
ランニングコストは、独自ドメイン型ECサイトと、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどのECモールでは、保守を含めたランニングコストの内容や金額が異なります。
具体的な項目や費用は以下の記事で解説しているため、ご確認ください。
ECサイトの保守費用に影響を及ぼす項目
ECサイトの保守費用は、以下の項目によって変動します。
- サービス内容
- ECサイトの規模
- カスタマイズの程度
- 契約期間
SaaS型のプラットフォームを利用しているECサイトの場合、保守費用を個別に考慮する必要はありません。ただし、Shopifyのような複数のアプリでカスタマイズする場合は、プラットフォームとアプリに精通した支援企業と保守契約を結んでおいたほうが無難です。
この場合、プラットフォームの利用料金、アプリの費用、保守費用を合わせて考える必要があり、トータルのコストが割高になる可能性があるので注意が必要です。
まとめ
ECサイトの保守は、安定運営に欠かせない重要な業務です。自社のECサイトの保守体制を整えるために、まずは自社サイトの特性を分析し、必要な保守サービスの内容と規模を明確にすることから始めましょう。保守について不明点があれば、futureshopまでお気軽にご相談ください