【検討者必見】ECサイトに必要な費用を構築・運用の17項目で紹介!
- 2024.04.262024.04.26
ECサイトに必要な費用の目安は、無料から数千万単位となるのが一般的です。具体的な費用はサービスや運用方法によって異なりますが、初期投資からランニングコストまで多額の支出が必要になります。とはいえ、適切な要件定義やサービス内容の確認、追加費用の把握などにより、無駄のない予算管理が可能です。
本記事では、ECサイトに必要な17項目の費用について、構築段階から運用段階まで詳しく解説します。構築方式ごとの初期費用の目安はもちろん、ランニングコストの内訳までを網羅的に紹介しています。ECサイトの構築を検討している方は効果的な投資ができるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ECサイトに必要な17項目の費用
ECサイトに必要な費用は、無料から数千万単位と非常に幅が広いのが特徴で、構築方法やランニングコストの内容により、大きく変動します。
適切な見積もりと予算管理ができれば、効果的な投資が可能です。それぞれの目安となる費用を以下で解説していきます。
構築段階の費用5選
ECサイトの構築方法には主に5種類あり、それぞれの特徴と費用の目安は下表のとおりです。ただし、実際の費用は利用内容によって変動しますので、あくまで参考程度にご覧ください。
構築方法 | 費用目安 |
SaaS/ASP | 0〜100万円
(制作会社に依頼すると200〜300万円ほど) |
オープンソース | 100万〜500万円 |
パッケージ | 500万円前後 |
ECモール(出店) | 10万円以下 |
フルスクラッチ | 数千万円 |
以下より、構築方法の内容について詳しく解説します。
SaaS / ASP
SaaSやASPを利用する場合、初期費用は0〜100万円で構築できます。ただし、デザインや機能追加などを制作会社に依頼すると、200〜300万円まで増額となるのが一般的です。
具体的な費用は、カスタマイズ内容によって大きく異なります。SaaSやASPを使ってECサイトを構築する場合、初期費用が抑えられる一方で、機能が簡素化される可能性もあるため、自社のニーズに合った機能を備えているかの確認が必要です。
マルチテナント方式のため、ベンダーの顧客数が多いほどお得に利用できますが、多くなり過ぎるとターゲットの幅が広くなり、機能が簡素になりやすい点に注意が必要です。futureshopでは稼動店舗約2,900の実績をもち、機能面の充実度も高く、料金もお得にお使いいただけます。
以下の記事では、ECサイト構築方法別のメリットやデメリットについて詳しく解説しているため、併せてご覧ください。
オープンソース
オープンソースでECサイトを構築する場合、プログラム自体は無償ですが、機能のカスタマイズをどこまでやるかによって費用が異なります。
具体的なイメージは下表のとおりです。
内容例 | 費用 |
導入のみ | 無料 |
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〜100万円 |
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100万円〜 |
オープンソースのECサイトシステムを利用すれば、規模に関わらずオリジナルのECサイトを構築できるため、オリジナリティの高いサイトを求める場合に適しています。代表的なシステムは「EC-CUBE」や「Magento」です。
パッケージ
パッケージ型は、ベンダーがシステムを用意しているため、導入費用が多くかかるほか、大規模なカスタマイズも別途開発費用がかかるなど、内容によってオープンソースよりも高額になる傾向です。
具体的な費用イメージは、下表のとおりです。
内容例 | 費用 |
標準機能実装 |
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代表的なシステムは「ecbeing」や「ebisumart」などです。標準機能やカスタマイズ範囲はシステムによって異なるため、比較・検討が欠かせません。
ECモール(出店)
Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどのECモールに出店する場合、初期費用は10万円以下で環境が構築できます。基本的な集客と、基本機能のメンテナンスをモール自体が行ってくれることがメリットです。
ただし、出品手数料などの売上に応じた費用が高めに設定されているため、月々のランニングコストが重要となります。なお、ECモールへの出店は、ECサイトの構築に該当しません。出店にまつわる費用の一環としてご紹介しました。
フルスクラッチ
ゼロベースからオリジナルのECシステムを開発する「フルスクラッチ」は、数千万円単位の費用がかかります。しかしながら、近年ではほとんど採用されなくなっており、代わりにSaaS型が主流となっています。
運用に必要な12項目のランニングコスト
ECサイトを実際に運営していくためには、さまざまなランニングコストが必要です。初期の構築費用とは別に発生するため、事前に予算として見積もっておきましょう。
サーバー代
ECサイトのサーバー代は一般的には年間500円〜1万円程度です。オンプレミス型で必要な場合が多く、クラウド型のECサービスでは構築費用に含まれているパターンがほとんどです。
実際に、futureshopではサーバー代が含まれているため、別途費用を払う必要がありません。
通信費・セキュリティ
通信費とセキュリティ費用は、Web環境の通信費用のほか、顧客の個人情報を守るためのセキュリティ環境構築費として、数万円〜数十万円/月、年額で数十万〜数百万円程度が見込まれます。固定IPの確保や、ウイルス対策ソフトの導入などが主な内容です。
ドメイン代
ドメイン代は500円〜6,000円/年ほどが一般的な水準ですが、futureshopではドメイン代も含まれているため、個別に支払う必要はありません。
SSLサーバー証明書
SSLサーバー証明書の費用は1万円〜9万円/年と幅がありますが、構築費用に含まれているケースが多く、futureshopの場合も証明書代が込みになっています。
決済代行サービス手数料
決済代行サービスの手数料は売上の3〜5%程度が目安です。こちらは売上に応じて変動するコストになります。具体的な手数料は代行サービス会社によって異なるため、複数社で比較するとコストの最適化が図れます。
ASPカートシステム利用料
ASPカートシステムの利用料は3.6万円〜120万円/年と幅広く、受注件数や売上に応じた従量課金が必要になることが一般的です。
たとえば、1受注あたり30円〜の価格設定となっている場合が多く、基本プランに加えて、オプションやシステム利用料の従量課金が上乗せされるため、売り上げが伸びるほど、費用も増えます。
なお、futureshopの基本プランには課金がなく、オプションやシステム連携時の従量課金が発生する形になっています。
外部ツール利用料
ECサイトの運営にはさまざまな外部ツールの活用が不可欠です。具体的なツールと利用料の相場は下表のとおりです。
ツール | 利用料 |
LINEマーケティング | 初期費用:0〜50万円
月額費用:2,980〜5万円程度 |
クラウド型CRM | 初期費用:0〜10万円程度
月額費用:1ユーザーあたり0〜1万円程度 |
オンプレミス型CRM | 初期費用:50万〜200万円程度
月額費用:1ライセンスあたり5万〜10万円程度 |
個社開発型CRM | 初期費用:200万〜500万円程度
月額費用:要見積もり(保守含む) |
マーケティングオートメーション | 初期費用:0〜10万円程度
月額費用:10万〜数十万円程度 ※従量課金制のツールもあり |
接客ツール | 初期費用:0〜20万円
月額費用:2,000〜60,000円程度 |
受注管理システム | 初期費用:3万〜15万円程度
月額費用:5,000〜150,000円程度 ※搭載機能やデータ件数で増減 |
ツールによって従量課金制の場合があるため、利用状況に応じた予算管理が求められます。
フルフィルメント費用
商品の配送やフルフィルメントにも費用がかかります。具体的には以下のようなコストが発生します。
- 配送料:1回あたり300〜2,000円程度
- 梱包材費:1個あたり100〜500円程度
- 場所代:倉庫の賃料、自社の事務所家賃など
配送料や梱包費用は商品の大きさや重さ、配送地域によって変動するため、詳細な見積もりが必要になります。また、自社で在庫管理・発送する場合は、倉庫スペースや人件費も含めた検討が必要です。
マーケティング費用
ECサイトの集客やプロモーションには、規模や戦略によりますが百万円単位のマーケティング費用が必要なケースがあります。具体的には、広告費、コンテンツ制作費、更新費などが含まれます。ECサイトの認知度向上や、効果的な集客施策の立案・実行には、一定のマーケティング予算確保が欠かせません。
人件費
円滑なECサイト運用には、専任のスタッフが必要不可欠です。一人あたりの人件費は概算で月30万円程度を見込む必要があります。ECサイトの規模や業務内容によって変動しますが、適切な人員配置と人件費は確保しましょう。
EC運営代行(外注した場合)
ECサイトの運用全般を外部に委託する場合、年間72万円 ~ 420万円程度の費用が必要になります。具体的には、受注管理、在庫管理、配送手配、カスタマーサポートなどの業務をすべて代行してもらえるサービスです。
自社で運用するよりも手間と費用は抑えられますが、運用の自由度が下がるデメリットもあるため、自社の体制や予算に応じて利用を検討する必要があります。
ECサイトの費用を抑える3つの方法
費用をコントロールし抑えるための方法は、以下の3つです。実践できる内容かどうか、参考にしてみてください。
- 自社ニーズを満たす標準機能を搭載したシステムを選ぶ
- フェーズを細分化して費用を分散させる
- ECサイトに利用できる補助金制度を活用する
自社ニーズを満たす標準機能を搭載したシステムを選ぶ
ECサイトの構築においては、カスタマイズの部分にコストがかかりやすいため、無駄な出費を避けるためにも、自社ニーズに合った標準機能を備えたシステムの選択が重要です。
初期費用が安い場合でも、後々のカスタマイズに高額な費用がかかるケースがあります。自社のニーズを明確にし、それに合った機能を標準で提供してくれるシステムを選べば、無駄な出費を防げます。
自社に合ったECシステムの選び方について、以下の記事で詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
フェーズを細分化して費用を分散させる
ECサイトの構築を段階的に行うことで、費用を抑えられる可能性があります。たとえば、以下のような細分化の方法が考えられます。
- 最低限の機能を実装したシステムを構築
- 顧客の反応をみながら最小限のカスタマイズを実装
- データ分析で機能を絞る
フェーズを分けると納期スピードの向上にも効果的です。ただし、この方法を採用するには、自社内で優先順位付けの作業が必要になります。外注する場合は制作会社と相談しながら、効率的に費用を分散させるひと工夫が重要です。
ECサイトに利用できる補助金制度を活用する
現在利用できる見込みのある3つの制度を紹介します。いずれも条件や申請期限が異なるため、利用できる可能性のある補助金は、問い合わせてみるとよいでしょう。
自治体ごとの補助金
ECサイト構築にあたっては、地方自治体が提供しているDX系の補助金制度の活用が考えられます。具体的な地方自治体の補助金例は、以下のとおりです。
- 東京都中央区:ECサイト活用補助金
- 神奈川県:中小企業生産性向上促進事業費補助金
参考:神奈川県「中小企業生産性向上促進事業費補助金について」
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者を対象とした「小規模事業者持続化補助金」も、ECサイトの構築費用の一部を支援してくれる制度です。販路開拓や業務効率化を目的としているため、ECサイトの構築に活用できる可能性があります。
事業再構築補助金
「事業再構築補助金」は、事業の再構築や転換を支援する制度です。ECサイトの構築だけでは利用できない点に注意が必要ですが、ECを含む事業の抜本的な変革に活用できる可能性があります。
参考:事業再構築補助金
ECサイトの費用対効果を高めるためのポイント
ECサイトの構築や運用にはさまざまな費用がかかりますが、WEB接客の最適化によって費用対効果を高められます。
具体的には、商品情報の分かりやすさや、ナビゲーションの使いやすさ、お問い合わせ窓口の設置など、ユーザビリティ向上に取り組むことで、より多くのユーザーがサイトを活用してくれるようになります。
このような施策により、広告費やコンテンツ制作費などの集客コストに対して、受注件数や売上が増加し、ECサイトの費用対効果が高まります。
また、費用対効果の改善では、サイトのコンバージョン率(CVR)向上の取り組みが重要です。CVRの改善によって、広告費用に対する売上の割合が上がり、全体の収支が右肩上がりになっていきます。
以下の記事では、CVR改善に不可欠なWEB接客について詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
ECサイトの費用を見積もる際の3つの注意点
ECサイトの構築や運用に必要な費用を見積もる際には、以下の3つの点に注意が必要です。これらの3つの注意点を踏まえて、ECサイトの費用見積もりを依頼することで、無駄な出費を避けられるようになります。
要件定義を明確にする
ECサイトの目的や必要な機能、デザインなどを事前に明確に定義しておくことが重要です。要件が曖昧なまま見積もりを依頼すると、後々追加費用が発生したり、仕様変更が必要になる可能性があります。事前に要件を正確に伝えれば、適切な見積もりを得られるようになります。
内訳でサービスの質を確認する
見積もりの内訳を確認し、具体的な項目が明確に記載されているかを確認しましょう。同じ内容の見積もりでも、業者によって記載される項目が異なる場合があります。安価な見積もりでも、細かい項目まで明記されていれば、サービスの質が高い可能性があります。
追加費用を把握する
仕様変更が発生した場合の追加費用について、事前の確認が大切です。また、アフターサポートの有無と費用についても、あわせて確認しておくとよいでしょう。突発的な追加費用が発生しないよう、できる限り事前に見積もりに含めてもらうことをおすすめします。
まとめ
ECサイトの構築方式にはさまざまなオプションがあり、初期費用は0円台から数千万円までと幅広い水準です。さらに、サーバー代やセキュリティ対策など、運用時のランニングコストも数十万から数百万円単位で発生します。
一方で、自社ニーズに合った低コストのシステムを選択したり、補助金制度を活用したりするなど、費用対効果を高める方法もあります。また、要件定義の明確化や追加費用の把握など、見積もり時の注意点にも留意が必要です。
ECビジネスの成功には、適切な費用管理が不可欠です。本記事でお伝えしたポイントを意識しながら、まずは構築方法の検討から始めてみてはいかがでしょうか。