ECパッケージからfutureshopに移行した阪急スタイルレーベルズ。自社ECサイトのリニューアルに成功した要因とは?
- 2025.06.12
2025.06.12
アパレルやインテリア雑貨などのオンラインショップ「DOUBLEDAY ONLINE SHOP」を2024年6月にリニューアルオープンした株式会社阪急スタイルレーベルズ。さまざまなハードルを乗り越えてECサイトのリニューアルを成功させた経緯や、プラットフォームをECパッケージからfutureshopにリプレイスした理由などについて、Eコマース担当の松葉さんと斎藤さんにお話をうかがいました。
【阪急スタイルレーベルズさまの成功事例】
■リニューアル前の課題
時代の変化に対応してECサイトをバージョンアップする際、ECパッケージではカスタマイズの改修費用が嵩み、時間や労力もかかることが課題だった。
■対策
EC業界のトレンドや税制改正などにあわせてECシステムのバージョンアップが自動的に行われ、かつ、複雑な配送設定や倉庫管理システム(WMS)との連携、オムニチャネルなども実現できるfutureshop omni-channelにリプレイスした。
■リニューアルの成果
ECサイトのバージョンアップの自動化、ノーコードでのページ編集、実店舗とECのポイント統合、メルマガ会員数の増加、売上アップの兆候などさまざまな成果が出ている。
この記事はfutureshop制作パートナーの株式会社ソレプロから寄稿していただいた記事を要約したものです。記事の全文は同社コーポレートサイトでお読みいただけます。
目次
阪急スタイルレーベルズさまのご紹介
阪急阪神ホールディングスのグループ会社。生活者の日々の暮らしにちょっとした喜びや、楽しさ、満足を提供することを目指し、化粧品、雑貨、インテリアなどを扱うショップを展開。“キレイを見つけてHAPPYになる”をコンセプトとするコスメ・雑貨ショップ『COLOR FiELD(カラー・フィールド)』および『Cleduple(クレデュプレス)』、いつも前向きな女性のためのスタイルアップショップ『a.d.r.e.s(アドレス)』、“1日を2倍楽しむヒントが見つかる”ライフスタイルショップ『DOUBLEDAY(ダブルデイ)』の4ブランドで、関西を中心とする合計32店舗を運営している。設立;1961年2月。本社;大阪市。従業員数;115名(2024年3月現在)。

「DOUBLEDAY(ダブルデイ)」公式オンラインショップのトップページ
【インタビューにご協力いただいた方々】
第二営業部 Eコマース担当 マネージャー・松葉佳苗氏
入社以来、販促・営業企画に従事。『DOUBLEDAY』のブランドサイト担当を経て、EC事業立ち上げに携わる。ECサイトのローンチ後は唯一のEC専任者として事業を軌道に乗せる。現在はマーケティング領域のマネジメントを担当。
第二営業部 Eコマース担当・斎藤大暉氏
経営管理部にて、システム管理や総務などのバックオフィス系の業務に携わる傍ら、『DOUBLEDAY』のEC運営も兼任。松葉氏とともにマーケティングを担当。業務改善を得意とする。
『DOUBLEDAY』EC事業について
— 『DOUBLEDAY』とはどのようなブランドですか。
『DOUBLEDAY』は、もともとアパレル会社が立ち上げたインテリア雑貨のショップです。30代のニューファミリー層から50代までをターゲットとし、現在は、関西、関東、九州に12店舗を展開しています。品揃えは、洋服、家具、インテリア雑貨などを取り揃えています。
— EC事業を立ち上げたのはいつですか。
『DOUBLEDAY』のEC事業は、2018年の9月にローンチしました。当時、小売業界ではECを持つことが当たり前の風潮になっていましたし、ブランドサイトを分析してもニーズがあることは明らかでした。
— 『DOUBLEDAY』全体の中で、EC事業はどのような役割を担っているのですか。
ECに期待されるのは、店舗エリア以外のお客様を増やす効果です。また、EC事業を始めた2018年はO2Oという言葉が流行っていましたが、オムニチャネルやOMOなど、実店舗との融合、または相乗効果にも期待はしていました。
ただ、実店舗とEC店舗のポイントシステムが連動されていないなど、やりきれていない部分がありました。今回のリプレイスでは、OMOの施策を前に進めることも視野に入れて取り組みました。
時代の変化に遅れを取らないためのリプレイス
— 『DOUBLEDAY』ECサイトのリプレイスプロジェクトの概要をお話しください。
株式会社阪急スタイルレーベルズは、2022年末から2024年6月にかけて、『DOUBLEDAY』ECサイトのリプレイスに取り組みました。ECサイトのプラットフォームには、ASP型ECカート『futureshop』を採用し、サイト構築は株式会社ソレプロに依頼しました。
自由にカスタマイズできるパッケージからASP型へのリプレイスでしたが、フューチャーショップ、ソレプロ、両社の手厚いサポートがあったおかげで、心配していた問題は概ね解消した上で開業できました。また、当社が展開する全ブランドの実店舗とオンラインショップの保有ポイントを共通化した他、『DOUBLEDAY』ブランドサイトとECサイトの統合もできました。
— ECサイトのリプレイスを行った理由をお話しください。
ECサイトのリプレイスを行った理由は、時代の変化に対応しやすいシステム環境を構築するためです。近年は、決済方法の多様化やセキュリティの強化、税制改革などへの対応を迫られることが増えました。パッケージをさらにカスタマイズして、バージョンアップすることもできますが、改修費用が嵩み、時間や労力もかかります。
こうした負担を軽減し、トレンドの変化に柔軟に対応するため、定期的にシステムのバージョンアップがあるASP型ECカートへのリプレイスが最適だと判断しました。
外部システムとの連携も同様です。現在はマーケティング手法も多様化しています。ASP型のECカートは、SNSやポイントシステム、倉庫管理システムなど、外部システムとの標準連携が進んでいます。
パッケージ型の場合は、外部システムの導入やデータ連携に時間とコストがかかるという課題がありました。EC業界は変化が激しく、適切に対応できなければ機会損失につながります。そのため、定期的なバージョンアップという強みを持つASP型ECカートへのリプレイスを決断しました。
最大の障壁は配送設定の複雑さ
— 自社の運用に合わせてカスタマイズできるパッケージから、システムを改変できないASP型へ乗り換えるデメリットは感じておられませんでしたか。
もちろん、デメリットは感じていましたし、そのデメリットをいかに小さくできるかは、リプレイス先のASPを選定する際の重要なポイントの1つでした。私達が懸念していたことは(1)配送設定と(2)倉庫管理システムとの連携の2点です。
『DOUBLEDAY』は家具を扱っていますが、配送拠点が複数に分かれているため、配送設定が複雑です。ASPの標準機能でどこまで当社の運用に合わせた設定ができるかが懸案材料でした。
バックオフィス側の運用面では倉庫管理システム(WMS=Warehouse Management System)との連携に不安がありました。今回、ASP導入にあたっては、従来使っていたWMSをカスタマイズする必要があるとは思っていましたが、WMS側のカスタマイズだけでうまく連携できるのかどうか不安でした。
システム導入は、いくら事前に調査をして、大丈夫だと思っていても、実際にやってみたら無理だったということはありがちです。そのため各サービスサプライヤーと綿密な打ち合わせをして、不明点をなくした上でリプレイス先を選定しました。
「DOUBLEDAY ONLINE SHOP」ではfutureshopの機能を活用し、配送地域・商品サイズ・組み立ての有無・メーカー直送などの配送区分を設定した上で、商品ごとに適用することで複雑な配送設定を実現しています。また、「futureshop」が標準連携しているWMS「LOGILESS(ロジレス)」を導入し、ECシステムと倉庫のデータ連携も実現しました。
選定の決め手は親身な対応と外部連携機能
— ASP型ECサイトの選定では、何社ぐらい比較されたのですか。
現在、日本国内でサービス展開されているところは、ほぼ全て商談させていただいたと思います。ターゲットの規模感がかけ離れているところは除外しましたが、中堅向けのサービスを展開する会社は、20社以上商談したと思います。
— 20社の中から1社を選ぶのは非常にご苦労もおありだったかと思います。どのような方法で選定されたのですか。
ASP型への移行を決めた段階で、以前のECシステムで実現していたことを100%実現することが不可能であることは覚悟していましたが、今できていることを、どれだけ諦めなければいけないかを検証するため、各ベンダーさんにヒアリングし、情報を集め、従来運用していたECシステムと機能を比較しました。
ただ、『futureshop』以外は、詳細な比較ができるだけの情報量は得られませんでした。特に配送設定に関しては、「うちでは実現できないです」と、先方から早々に断られることもありました。
その中で『futureshop』は、従来使っていたECシステムとの比較が容易にできました。役に立ったのがWebサイトからダウンロードできる機能一覧です。
また、私どもの相談に最も根気強くお付き合いくださったのもフューチャーショップさんでした。特に配送設定に関しては、『futureshop』のデフォルトの機能でどこまで実現できるのか、見せ方など、テクニカルな要素で解決できるものなのかといったところを、何度も相談させていただきました。結果的に、課題も残りましたが、一旦は良しと思える状態を作ることができました。
— リプレイスを機会にOMOの施策も前に進めたいとおっしゃっていましたが、具体的にはどのような計画を立てていましたか。
OMOに関しては、ポイントシステムの統合を目指しました。当社が運営する店舗では、『クロスポイント』というポイントシステムを利用し、4ブランド共通のポイント制度『スタイルポイント』を運用しています。しかしECサイトだけは従来、独立したポイントシステムを運用していました。この2つのポイント制を統合させるには、『クロスポイント』とECのプラットフォームを連携させなければなりません。その完全連携の実績を持っていたのが、今回導入した『futureshop』を開発するフューチャショップさんだけでした。
— 最終的に『futureshop』を選定した決め手をお話しください。
長年の実績に基づく安心感と、充実した機能です。特に外部サービスとの標準連携の実績が多数ありました。『クロスポイント』とも標準連携しており、すでに複数の事例がありました。
顔合わせの打ち合わせで「今すぐやろう」と思える提案
— プラットフォームを選定した後は、ECサイトの構築作業ですね。制作会社はどのように進めましたか。
まず『futureshop』でECシステムを構築するにあたっては、『futureshop』の構築に精通している制作会社に依頼したいと思っていました。そこで複数社に相談した中から委託先を決めました。
— その中からソレプロ社に依頼した経緯をお話しください。
ソレプロさんはフューチャーショップさんからご紹介いただいたのですが、最初の顔合わせの時点で「この内容で今すぐ始めたい!」と思うほど、充実した提案をいただきました。
当初はご挨拶がてら、実績を伺いながら軽く課題について話すつもりだったのですが、担当の上田さんが熱のこもったプレゼンをしてくださり、提案書からも私たちの課題を深く理解した上で作成されていることが伝わってきました。これまで、ソレプロさんとは接点はなかったにも関わらず、まさに“痒いところに手が届く”提案で、「この問題にはこの機能が使えます」と具体的に示してくださったことが、決め手の一つになりました。
株式会社ソレプロによる提案内容やサポート、要件定義・構築・テスト運用・リニューアルオープンまでに取り組んだことの詳細については、元記事に記載してあります。そちらもご覧ください。
膨大な量のデータ移行もソレプロのサポートでトラブルなく完了
— ソレプロのサポートはいかがでしたか。
弊社の無茶な相談や要望にも快く応えていただきました。定期的な打ち合わせには、毎回、代表の市川さんと主担当の上田さんが参加してくださいましたが、お二人とも、常に笑顔で答えてくださいますので、気兼ねなく相談できました。
以前のECサイトはカスタマイズされていたため、データ量が膨大でした。その上、商品ページのフォーマットが異なるため、画像の移行方法や、旧サイトの商品情報を『futureshop』のフォーマットに合わせる作業も必要でしたが、細かい部分までサポートしていただきました。
— 構築を進める上で、御社側でご苦労されたことはございませんでしたか。
もちろん、ありましたが、EC事業を立ち上げた時に比べれば、工数は3分の1ぐらいだったと感じています。立ち上げ時は、社内にECの経験者が不在でしたので、右も左もわからない状況から始まりました。正解を誰も知らないまま、当時のベンダーさんに手取り足取り教えていただきながら構築しましたが、当時と比べると、非常にショートカットできたと思います。また、ASP選定や構築の過程を経たことで、業務を整理することもできました。
ECサイトをリニューアルオープンした成果
— ECサイトをリプレイスしたことで、ビジネス的に変わったことはありましたか。
実店舗とECのポイントを連携できるようになったことで、会員数が大幅に増えました。メルマガの配信数も以前とは比べものにならないほど増えています。
— ECの売上には影響がありましたか。
開業してまだ5ヶ月しか経っていませんので、昨年度との比較ができていません。ただ、新年度に向けて伸び始める11月は、例年よりも伸びています。
— 更新や運用のしやすさに関してはいかがですか。
運用しやすくなった部分はあります。例えば特集ページは以前、手作業でコーディングしていました。今回はソレプロさんに、ノーコードで特集ページが作成できるシステムを構築していただいたので、工数が減って量産できるようになりました。もちろん、受発注の処理など日々の運用に関しても、特に問題は生じていません。
今後のビジョンと2社への期待
— 今後のビジョンをお話いただけますか。
今回のリプレイスでポイントシステムを統合したことで、OMOの部分が一歩前進しました。その一方で、倉庫などを含めてシステムを整備したかった部分が、費用面で頓挫した部分がありました。今後の課題として、取り組んでいきたいと思っています。
また、これまでアンティークだけはショッピングモールに出店して販売していたのですが、今回のリプレイスを機に、『DOUBLEDAY』のECサイトに統合し、同じ基盤で販売し始めました。それによってお客様の流入も増えています。今後、さらにUIを改善して、サイト内の流動性を高め、売上を拡大したいと考えています。
— フューチャーショップ社、ソレプロ社、それぞれへのご期待がございましたらお話しください。
フューチャーショップの戸田さんは、導入を決めるまで大変親身になって相談に乗っていただきました。絶大な信頼を置いています。『futureshop』に関しては、今後の定期的なアップデートで、システムが改善されることを楽しみにしています。
ソレプロさんは、短期間で非常に完成度の高いものを作っていただき、本当に感謝しています。また、使いやすいツールを開発してくださることも、ユーザー側からすると非常にありがたいです。ソレプロさんは、スタッフの方がとてもほがらかで、優しい会社だなと感じました。今後、『futureshop』がアップデートすれば、フロントで対応していただくこともあると思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
まとめ
今回ご紹介した阪急スタイルレーベルズさまのインタビューは、futureshop制作パートナーである株式会社ソレプロによる寄稿記事をもとにしています。元記事では、リプレイスプロジェクトを中心に、サイトリニューアルに関する商談から提案、リプレイス後のサポートまでの流れが紹介されています。詳細は、株式会社ソレプロのコーポレートサイトにてご覧ください。
株式会社ソレプロは、futureshopの仕組みを活用した数々のカスタマイズを得意としています。DOUBLEDAYにもコーディネートピックや配送選択のカスタマイズ、ノーコードメルマガの提供をされています。フューチャーショップは、ソレプロさまをはじめ、多くのパートナー企業と連携してEC事業者さまをサポートしています。
また、ECサイトの利便性向上や運用の効率化、また、実店舗とECサイトのポイント統合や顧客データ一元化などオムニチャネルを推進していきたい事業者さまは、下記ページよりお気軽にお問い合わせください。
実店舗とECの連携、オムニチャネル化についてのご相談・ご質問はお気軽にご連絡ください。