みなさんは、2019年10月に予定されている消費増税・軽減税率導入の準備を進めているでしょうか?
今回の増税では、標準税率(10%)に加えて軽減税率(8%)が導入されるため、小売の現場でさまざまな業務が追加で発生します。
EC事業者さまは、販売と仕入れにおける税率計算や、適正な請求書・納品書の作成が義務付けられるなど、対応すべきことが少なくありません。
食料品を販売していないEC事業者さまでも、軽減税率対象商品を仕入れている場合には、対応が必要になることもあるため注意が必要です。
今回、消費増税・軽減税率導入に対応するためのチェックポイントをまとめました。
ECサイト構築プラットフォーム「 futureshop 」が2019年9月のバージョンアップで予定している新機能を踏まえながら、消費増税・軽減税率導入への対応策を具体的に解説します!
●futureshop, futureshop omni-channelでの対応
https://www.future-shop.jp/manual/tax-hike/consumptiontax.html
目次
軽減税率制度のおさらい
今回の消費増税で導入される軽減税率制度について、おさらいしましょう。
増税後の「標準税率」は10%ですが、酒類を除く飲食料品と新聞には「軽減税率」の8%が適用されます。
ファーストフードなどのテイクアウトや、出前・宅配サービスも「軽減税率」の対象。
一方で、外食やケータリングは「軽減税率」の対象になりません。
【 POINT 1 】 ECサイトの表示を「標準税率」と「軽減税率」に変更する
2019年10月以降、EC事業者さまは日々の取引や経理において、新しい業務が発生します。
まず、ECサイトなどで販売している商品や、仕入れた商材などが「標準税率」と「軽減税率」のどちらに該当するか、確認する必要があります。
そして、ECサイトの商品ページには、商品ごとに「標準税率」と「軽減税率」を正しく適用した販売価格を表示しなくてはいけません。
商品の税率を設定するだけで軽減税率の対応が完了。
標準税率対象商品・軽減税率対象商品の同時購入時にも正しく消費税計算が行えます。
「 futureshop 」と「 futureshop omni-channel 」(以下、futureshopシリーズ)は2019年9月のバージョンアップ後、ショップさまが商品ごとに「標準税率」か「軽減税率」を設定すると、商品の消費税額を自動で計算してECサイトに表示します。税込表示・税別表示のどちらにも対応が可能です。
「標準税率」の商品と「軽減税率」の商品を両方扱っているショップさまの場合、顧客が「標準税率」と「軽減税率」の商品を同時に購入するケースも出てくるでしょう。
そういった場合でも、「 futureshop 」は商品ごとに「標準税率」と「軽減税率」を適用し、正しい消費税額を計算します。※送料・手数料の金額変更も必要になる場合がございます
【 POINT 2 】 帳簿や請求書/納品書の記載・保存の新ルール(区分記載請求書等)に対応する
請求書や納品書の記載ルールも変わります。
売り手(EC事業者)が、買い手(エンドユーザー)に対して、正確な適用税率や消費税額などを伝えるために、必要事項を記載した「請求書」や「納品書」を使用することが義務付けられます。
EC事業者さまは、顧客に送る納品書に「軽減税率」の商品を明記しなくてはいけません。
また、「標準税率」と「軽減税率」の販売金額を、それぞれ記載する必要があります。
軽減税率の対象品目の売り上げや仕入れ(経費)が発生するEC事業者さまは、売り上げと仕入れの取引を帳簿に記載する際、取引ごとに「標準税率」または「軽減税率」を区分して記載・保存しなくてはいけません。
これは、仕入税額控除(消費税の納付額から、仕入れにかかる消費税額を控除すること)の要件を満たすために必須です。
帳簿や請求書などの記載と保存のルールにも対応し、仕入税額控除の要件を満たします!
こうした請求書や納品書のルールに対応するため、EC事業者さまは2019年10月までに、請求書や納品書のフォーマットを作り変えなくてはいけません。
futureshopシリーズは2019年9月のバージョンアップで新しいルールに対応し、ご注文のお客様に送る納品書の記載形式を変更します。
また、futureshopシリーズは売り上げ取引ごとに、「標準税率」と「軽減税率」を区分して記録しますので、日々の売り上げや仕入れ(経費)の帳簿への記録・保存の新ルールにも適合します。
【 POINT 3 】 「標準税率」と「軽減税率」のそれぞれで、消費税納付額の「割戻し計算」を実施する
2019年10月以降、EC事業者さまが消費税の納付額を計算する際は、売り上げと仕入れを税率ごとに区分し、税額計算を行う必要があります。
消費税の納付額を計算する際は、売り上げの消費税額から仕入れにかかった消費税額を差し引くための計算(割戻し計算)を行います。
2019年10月から消費税率が「軽減税率」と「標準税率」の2種類になるため、EC事業者さまは売り上げと仕入れの取引を「軽減税率」または「標準税率」に区分した上で、税率ごとに消費税納付額の割戻し計算を行わなくてはいけません。
「標準税率」と「軽減税率」の割戻し計算を自動で行います!
futureshopシリーズは、消費税の計算方法を新制度に合わせて変更し、「標準税率」と「軽減税率」のそれぞれの取引総額における割戻し計算に対応します。
【 POINT 4 】 2023年 10月 に導入される『 適格請求書等保存方式 』 に備える
2023 年 10 月 1 日以降は、「適格請求書」などを保存することが、仕入税額控除の要件になります。
「適格請求書」とは、売り手が買い手に対し、正確な適用税率や消費税額などを伝えるための手段で、決められた事項が記載された請求書や納品書などが該当します。
【 POINT2 】で解説した、請求書/納品書や帳簿の記載・保存の新ルールに代えて、「適格請求書」の使用が義務付けられるということです。
適格請求書を交付できるのは、税務署に登録した「適格請求書発行事業者」だけ。登録は2021年10月に始まります。
「適格請求書等保存方式」にも先行して対応します!
futureshopシリーズは「適格請求書等保存方式」にも対応します。
2021年10月以降、適格請求書発行事業者として登録した事業者さまは、税務署から取得した登録番号を納品書に記載することができます。
自社サイトのECシステムの対応状況をすぐに確認
これまで解説したように、消費増税と軽減税率の導入前にチェックすべき主なポイントは、次の4つです。
- 商品ごとに正しい税率を確認し、ECサイトに登録する
- 帳簿や請求書/納品書の作成を新ルールに則って行う
- 消費税率ごとに、消費税納付額の割戻し計算を実施する
- 2023年に始まる「適格請求書等保存方式」に備える
EC事業者さまは、こうした制度変更に対応するために、場合によってはシステムの見直しや改修を行う必要があります。
ECサイトの構築にショッピングカートASPやECパッケージなどを利用している場合には、そのシステムが新制度に対応可能か、すぐに確認してください。
「 futureshop 」はバージョンアップで消費増税・軽減税率制度に対応します
「 futureshop 」 と 「 futureshop omni-channel 」 は、2019年9月に実施予定のバージョンアップにおいて、上記チェックポイントの1~4のすべてに対応します。
バージョンアップに際し、ショップさまが新たに機能開発を行う必要はありません。
バージョンアップ後に商品の税率設定を行うだけで、対応が完了しますのでご安心ください。
また、「 futureshop 」と「 futureshop omni-channel 」では、消費税率10%への移行補助機能として、商品の税率を一括で変更する機能の開発も進めています。
消費増税と軽減税率の導入まで、半年を切りました。
軽減税率は国内初の政策であり、EC事業者さまの実務にも大きな影響を与えることが予想されています。
新制度への対応に漏れがあったために、仕入税額控除を受けられなくなって消費税納付額が増えてしまうようなことがあっては、目も当てられません。
制度変更後の混乱を避けるためにも、今からしっかり準備を進めてください。
futureshopのシステム対応は、下記ページをご覧ください。
●futureshop, futureshop omni-channelでの対応
https://www.future-shop.jp/manual/tax-hike/consumptiontax.html
■ 関連記事はこちら
この記事が気に入ったら、いいね!で応援お願いします!