【完全版】EC出店予定の方必見! 「事業再構築補助金」の概要と攻略のポイント

ポストコロナ・ウィズコロナによる社会の変化に対応するため、ビジネスの再構築を支援する「事業再構築補助金」が新しく登場しました。

「持続化給付金」が赤字補填という守りの給付金だったのに対し、「事業再構築補助金」は新たな事業モデルに取り組むのを支援する攻めの補助金です。

【対象】
申請前の直近6ヶ月間のうち、「任意の3ヶ月の合計売上高」が「コロナ以前(2019年・2020年1~3月)の任意の3ヶ月」の合計売上高と比較して、10%以上減少している法人、個人事業主

【補助額】
中小企業の通常枠の場合、補助額100〜6,000万円(補助率2/3)
※企業規模や申請する枠によって異なります

初回公募が2021年3月から開始されるのに伴い、株式会社フューチャーショップでは「EC出店予定企業のための『事業再構築補助金』攻略セミナー」をオンラインで開催。

スピーカーとして登壇したのは、
「補助金支援専門の中小企業診断士」田村健人さん
「EC業界歴20年のアドバイザー」伊藤良氏さん
 のお二人です。

セミナー内容は以下の3部構成となっており、2時間に渡る濃密なセミナーを本記事ではギュッとレポートにまとめました。

講演内容はこちら

【第1部】 補助金の基本とEC事業者向けの補助金について
【第2部】 事業再構築補助金のポイント
【第3部】 EC向け攻略ポイント

「自分で申請までできるように」と、田村さんと伊藤さんがノウハウを出し惜しみせず丁寧にお話していただけましたので、ぜひ最後まで目を通していただけたらと思います。
※本記事の掲載情報は、2021年4月23日現在の情報になります。

【セミナー講師のご紹介】

伊藤 良さんお写真株式会社バックボーンワークス
代表取締役 伊藤 良さん

EC黎明期に大手企業のEC責任者を経験したのち、様々なベンチャー企業の新規事業に携わる。EC物流企業では立ち上げメンバーとして年商10倍以上に引き上げる。独立後は50以上のプロジェクトを牽引し、上場企業4社を含めた新規事業のアドバイザーとして活動する。実践的かつハンズオンの指導に定評があり、自身の事業テーマは「少数精鋭企業の支援」。同様なスタンスである田村と出会い、様々な補助金について学んだ中で「EC企業の組織の背骨を作る」というミッションで株式会社バックボーンワークスを設立。

中小企業診断士 補助金コンサルタント田村 健人さん株式会社バックボーンワークス 顧問
中小企業診断士 補助金コンサルタント 田村 健人さん

製造業出身。生産技術部門での豊富な経験を有し、エネルギー関連の知見も深い。企業在籍当時には自ら補助金について調査申請し、補助金を利用する側として様々な補助金に触れ合う。その後、独立し中小企業診断士として活躍する中で、ものづくり補助金等の審査員に抜擢され、採択される申請書を数多く目にする。現在はその経験を活かし補助金支援の事業を行っている。ものづくり補助金だけでなく多様な補助金知識とノウハウをもち、補助金累計採択率は80%を超え、柔和な語り口と親身なフォローに信頼が厚い。
 

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【第1部】補助金の基本とEC事業者向けの補助金について

まずは初学者を対象に「そもそも補助金とはなにか」という基本や注意点をお伝えします。さらには、EC事業者向けにおすすめの補助金をピックアップしたので紹介します。

そもそも補助金とは?基本をおさらい

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そもそも補助金とは「良い取り組みを助けるための施策」のことです。

補助金の“補助”という名前から、「弱いものを助けるための施策」とイメージする方は多いですが、これは正確ではありません。

さまざまな企業の良い取り組みを支援することで、企業が儲かり、雇用が増え、税金も増え、最終的に国が潤う。それを目的に国はお金を出しているからです。

つまり、国からすると「投資先の選定」ともいえます。補助金は基本的に返還義務がないため、国も慎重に投資先を考えているというわけです。

補助金申請における注意点2つ

補助金の申請にあたり、注意したいことが大きく2点あります。

1つ目は「補助金はコンテスト型」ということ。

補助金は申請すれば全員がもらえるものではありません。補助金には地域ごとに一定の採択枠があり、審査項目に沿って点数の高い順に採択されます。いわば「イケメン・美少女コンテストの地方予選」のようなイメージです。

1位になる必要はありませんが、枠には限りがあるので公募要領にある審査項目を満たすことが重要です。

2つ目の注意点は「申請内容をしっかり実行する」ということ。

補助金は採択されればあとは勝手にお金をもらえるわけではありません。申請書に書いた内容を実行する必要があるため、それができていなければ補助金はもらえなくなります。

そのような事態を避けるため、嘘を書いたり、話を盛ったりするのはやめましょう。「自分はこんなことに挑戦して良くなりたい」という本当のところを書くのが大切です。

EC事業者向けの補助金


事業再構築補助金に加えて、EC事業者様が利用しやすそうな補助金は以下のようなものがあります。

名前 目的 補助対象(例) 補助額(例)
事業再構築補助金
(難易度:高)
ビジネスの再構築 ・ECの新規出店
・デザイン構築
・広告宣伝
・研修費用
・MAX6,000万円
・2/3補助
ものづくり補助金
(難易度:中〜高)
生産性の向上
(設備投資)
・商品開発の設備
・システムの構築
・MAX1,000万円
・2/3補助
IT導入補助金
(難易度:中)
生産性の向上
(業務効率化)
・ECシステム導入
・一元管理ステム
・MAX450万円
・1/2補助
小規模事業者持続化補助金
(難易度:低)
生産性の向上
(販路開拓)
・少額の広告宣伝
・店舗構築
・出店費用
・MAX100万円
・2/3補助

上記4つの補助金の他にも、地域ごとにさまざまな補助金が用意されていることがあります。

「都道府県(市区町村)名+補助金」などのキーワードで検索すると、どんな補助金があるか調べられますのでぜひ試してみてください。

ちなみに、補助金は一般的に年度予算として計上されます。つまり4月スタートで3月に終わるため、4〜6月を中心に募集がかかることが多いです。

もし募集が締め切られていても、補助金は毎年繰り返して実施されることが多いので、翌年度もやる可能性があるのでぜひ覚えておきましょう。

【第2部】事業再構築補助金のポイント

補助金の基本を押さえたところで、いよいよ事業再構築補助金のポイントについて順に説明します。

  1. 事業目的、申請要件
  2. 予算額、補助額、補助率
  3. 中小企業の範囲、中堅企業の範囲
  4. 補助対象経費
  5. 事業計画の策定
  6. 補助金支払までのプロセス、フォローアップ
  7. 事前着手承認制度
  8. 準備可能な事項
  9. 注意事項

中小企業庁が発行した「事業再構築補助金の概要」の重要ページを確認しながら、要点や読み方を具体的に紐解いていきます。

1 事業目的、申請要件

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上部の青い箇所には「事業再構築補助金を行う目的」として、以下のような記載があります。

コロナで経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とします(一部抜粋)。

この「思い切った」がどこまでの程度かというと、あまりに荒唐無稽で脈絡がないものはNGです。

事業再構築補助金が支援する内容としては、あくまで自社の強みを活かした事業転換がベースとなるので注意しましょう。具体的にはチャネルを変える、メインの商品を新しく開発するといったものです。

ちなみに、申請要件の3番目には「認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する」とあります。こちらはお付き合いのある信金、銀行、商工会、商工会議所、税理士、中小企業診断士等に相談して進めていくのがおすすめです。

2 予算額、補助額、補助率

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事業再構築補助金は、今回初の実施であるにも関わらず他の補助金よりも多額の予算が計上されていることで注目を集めています。

予算が大きいことで知られるものづくり補助金が「800〜1,000億弱」に対し、事業再構築補助金は「1兆1,485億円」なので、圧倒的に規模が違います。

そのため、募集は一度きりでなく今年度は4,5回に渡って行われる予定です。焦って申請する必要はありませんので、都合のいいときや準備が整ったときに申請しましょう。

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また、売上に深刻な影響があった企業向けに「緊急事態宣言特別枠」があります(1次・2次公募の2回のみ)。

緊急事態宣言によって同月比30%以上マイナスになった場合、従業員数に応じて補助金額の上限を引き上げることができるものです。

ここでいう「従業員数」には、アルバイトやパートも含まれると考えて基本的に大丈夫です。

もし条件に当てはまるなら、緊急事態宣言特別枠の方が補助金額が高く、採択される可能性も若干高くなる見通しなのでおすすめです。

3 中小企業の範囲、中堅企業の範囲

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どこまでを中小企業や中堅企業と指すかは、中小企業基本法で定義されているものと同様です。

具体的には、製造業だと「資本金が3億円以下、もしくは従業員が300人以下」のどちらかならば中小企業となります。

製造、販売を行っているEC事業者の場合、ざっくり分けると

  • 店舗で販売している → 小売業
  • 店舗で販売していない → 製造業

というくくりになるのでぜひ参考にしてください(参考:日本標準産業分類)。

4 補助対象経費

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補助金の対象となる経費には、

  • 主要経費(事業の再構築を目的とするメインの経費)
  • 関連経費(実行にあたり付随するサブの経費)

の大きく2つがあります。

主要経費となる内容は、主に以下のとおり。

  • 建物費 (建物の建築・改修)
  • 撤去費 (建物の撤去)
  • 設備費 (生産設備や冷蔵庫など)
  • システム購入費 (ECサイトの構築費用など)

関連経費の場合、外注費や広告宣伝費など多くの補助対象がありますが、なかには対象外と判断される場合もあります。

たとえばパソコンやプリンター、キッチンカーなどはさまざまな場面で使える汎用品のため、補助の対象には含まれません(壁紙や布地にプリントするプリンターなど、汎用性が低く事業遂行に必要なものであれば補助対象となる可能性はあります)。

具体例として、ECサイトを構築する場合どのような経費が該当するかを表でまとめました。こちらあくまで一例ですが、補助対象などを考える際にぜひ参考にしてください。

主要経費 建物費 ・撮影ブースなどECサイト事業開始に伴う
・オフィスレイアウト変更などに使えるかも?
建物撤去費
設備費 ・メーカーとしてEC用オリジナル商品開発などに関する設備費用など
・撮影ブース構築などに伴う機材費用など
システム購入費 ・メーカーとしてEC用オリジナル商品開発などに関する設備費用など
・撮影ブース構築などに伴う機材費用など
関連経費 研修費 EC運営を学ぶためのセミナー参加、研修など
広告宣伝費・
販売促進費
主にブランディングを主体とした広告運用

ちなみに「主要経費と関連経費の比率」は、これまでの補助金の傾向を考えると多くても50%・50%と考えられます。

主要経費の割合が高くなるのは問題ありませんが、サブとなる関連経費が50%を超えるのは避けたほうが無難です(例えば主要経費が150万円の場合、関連経費も最大150万まで)。

5 事業計画の策定

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事業計画は「実際に補助金をもらったらどうするか」を国にプレゼンする箇所なので、審査時には特に入念にチェックされます。

審査する人が「確かに」と納得できるように、

  • 自社や世の中の動きを客観的に把握・分析する
  • そのうえで事業がうまくいくことを理路整然と説明する

ということを心がけましょう

大まかなイメージは以下のとおり。

現在はこんな事業をしている。
こんな強みがあって、こんな弱みがある。
世の中の流れからすると、こんな機会があり、こんな脅威がある。
それらを分析したうえで、自社のリソースをつかってこんなことをしたい。
顧客もそれを求めており、今後このように良くなる見通しである。

もちろん想いを述べることも大切ですが、それだけだと空回りしてしまうので注意が必要です。

6 補助金支払いまでのプロセス、フォローアップ

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「事業再構築補助金の概要」をもとに、全体のスケジュールをより分かりやすくまとめたのが上の画像です。

ここで特に注意したいのが、採択結果が発表されたタイミングで購入・発注をしないということです。

採択後には、事業計画などの内容に沿って「この会社にいくらで発注します」というような交付申請を提出する必要があります(高額の場合は相見積もり)。

それが通過し、交付決定後に初めて発注できるというわけです。「交付前に発注・購入をしてしまった」というのは本当によくある失敗なので、絶対に覚えておきましょう。

また、支払方法は現金やカードではなく、分かりやすく履歴が残る銀行振込がおすすめです。とはいえ、「法人口座で申請したのに社長の個人口座で支払った」となると問題となるので気をつけましょう。

7 事前着手承認制度

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前述したように、購入・発注をするのは原則として交付決定後です。

ですが事前着手申請を提出し、それが承認されれば交付決定前に動いても問題ありません。これを「事前着手承認制度」といいます。

不採択になるリスクもあるので注意が必要ですが、
「 とにかく早く始めたい! 」
「 不採択になったとしても必ずやる! 」
という熱量とスピード感のある方にはおすすめの制度です。

8 準備可能な事項


「事業再構築補助金の概要」を参考に、今から準備可能なことを大きく8つにまとめました。

この中でもできるだけ早めに着手しておきたいのが「GビズID」の発行です。

なぜなら事業再構築補助金はすべて電子申請で、専用のアカウントが必要だからです。今後は他の補助金もほとんど電子申請になるうえに、無料で発行できるので取得しておいて損はありません。

また、発行には2〜3週間以上かかるケースが多いです。最後の最後で「申請書はできたけど送れない!」という事態にならないためにも、早めに準備するようにしましょう。

  • 現在、申請の増加に伴い「暫定GビズID」の取得が可能です
  • 48時間以内に発行が可能ですので、アカウントを持っていない方はまず暫定GビズIDに申し込みをしましょう
  • 交付申請時には通常のGビズIDが必要となるので注意(暫定を取得後、改めて申請・取得しなければなりません)

9 注意事項

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多くの注意事項の中でも、特に覚えておきたいのは以下の点です。

  • 一つの案件で複数の補助金は受けられない(どれか1つを選ぶ必要がある)
  • 事業再構築補助金は複数回受けられない(1回のみ)
  • 補助金をもらうことを目的とした悪質な業者に注意

同一事業で複数の国の補助金を受けることはできませんが、

  • 事業再構築補助金ではAをやって
  • ものづくり補助金ではBをやって
  • 小規模事業者補助金ではCをやる

というように、それぞれの補助金で違うことをするのは大丈夫です。

また、事業再構築補助金は令和4年度まで続く予定ですが、その中で実際に補助を受けられるのは1回のみ。その1回で何をするかはよく考えておきましょう(申請自体は採択されるまで何度行っても構いません)。

最後の注意点として、意外とありがちなのが悪質な業者とのトラブルです。

高額な成功報酬を得るために

  • ウケ狙いでやりもしない内容を盛り込む
  • 導入しても使わない高額な設備を提案する
といった悪質業者は少なからず存在します。

このように「補助金をもらうことが目的」となってしまい、事業計画が現実的ではないと、不正・不当な行為として補助金返還事由にもなりえます。

なかには「儲かる補助金がある」として事業再構築補助金が紹介されているのを見受けますが、そもそも補助金は儲かる・儲からないという概念のものではありません。

「 なにか世の中に良いことをしたい 」
「 自社も社会もより良くしたい 」

という想いがベースとなるので、それを忘れないように注意しましょう。

まとめとして、「結局のところ何をすればいいのか」をタイミング別に整理しました。

ECサイトのオープンを例に

  • 今すぐオープンしたい
  • 2021年内中のオープンまで待てる
  • 2022年のオープンまで待てる
の3つに分けて説明しているので、ぜひ参考にしてください。

【第3部】EC向け攻略ポイント


最後の第3部では「採択されやすくなる秘訣」「書き方のポイント」など、EC向けに攻略ポイントを一つずつ紹介します。

事業再構築補助金の審査項目

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事業再構築補助金の審査項目には、前提として「付加価値額3%/年アップ」があります。

付加価値額とは「営業利益+人件費+減価償却費」の総和であり

年間なら3%アップ
3年計画なら9%アップ

するような計画でないと申請が通らないので注意しましょう。

そのうえで、具体的な審査基準は以下の3点です。

①事業化点
事業として成功できる基盤があるか、優位性や収益性などを見込めるかなど

②再構築点
新型コロナウイルスによる被害が生じているか、ビジネスの再構築に該当するかなど

③政策点
国が打ち出してる政策や方向性に合致してるか、地域への波及効果があるかなど

よくある失敗で「自社だけ儲かればいい」という考え方だと、事業化点は高くても政策点は低くなってしまいます。

国は成長が見込める企業を補助金で支援し、社会を良い方向に変えていきたいと考えています。自社の利益ばかりに目が向いてしまわないように注意しましょう。

ちなみに、中小企業白書には「こうなってほしい」「こんなことを期待している」という国が示した未来像が書かれています。

例えば2020年版「中小企業白書」の中の「小規模企業白書」を見ると、以下のような記載があります。

第2部 地域で価値を生み出す小規模事業者
・ 地域の生活やコミュニティを支える小規模事業者が、住民と地域との接点に。
・ 小規模事業者は、経営者自身を含む多様な人材の活躍の場を提供。

このように国が示している方向性をつかんでおくと、申請も通りやすくなるので概要だけでも目を通しておくのがおすすめです。

事業再構築の定義とEC事例

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審査項目の「②再構築点」における、事業再構築の定義は以下の5つを指します。

  1. 新分野展開 (新たな製品等で、新たな市場に進出する)
  2. 事業転換 (主な「事業」を転換する)
  3. 業種転換 (主な「業種」を転換する)
  4. 業態変換 (製造方法等を転換する)
  5. 事業再編 (事業再編を通じて1〜4のいずれかを行う)

今回の場合、「5.事業再編」に該当するケースは少ないと思うので、1〜4のうち自社がどれに該当するかを考えて申請しましょう。
上記の内容に当てはまらない場合、どんなに良い内容でも通らないので注意が必要です。

また、それぞれのケースにおいて、どのようなEC事例が考えられるかを以下にまとめました。これらの事例を参考に、申請内容をぜひ考えてみてください。

1. 新分野展開

NG 靴専業ECが、サンダル専門ECを開店
ECモール出店の靴店が、自社ECを開店(同様商品)
OK ECモール出店の靴店が、自社ECを開店
→ 左右で足のサイズが微妙に異なる人向けに、片方ずつ買えるようメーカーと連携。おしゃれで左右異なる靴デザインも対応可。
手袋メーカーが、自社ECを開店
→ 夏に半袖で手が冷えるオフィスワーカーの女性用に、肌に優しいロングスリープの指なしの手袋のオーダーメイドを開始。

2. 事業転換

NG 既存の事業に必要な主な設備等が、新たな事業に必要な主な設備等(商品、サービス提供方法)と変わらない場合
事業の前後で売上高構成比の最も高い事業が、日本標準産業分類に基づく細分類の単位で変更されない場合
例. 6113無店舗小売業(飲食料品小売) → 6113無店舗小売業(飲食料品小売)
OK ECモール出店のハーブ店が、自社ECを開店
→ 海外のオーガニックハーブ(乾燥)を扱っている。ペットのウサギ用のオーガニック野菜などを定期便で新しく販売。ペットの状況や年齢、季節、嗜好にあった調合で毎週発送。
※細分類 6113無店舗小売業(飲食料品小売)→ 6119無店舗小売業(その他の小売)

3. 業種転換

NG 既存の業種に必要な主な設備等が、新たな業種に必要な主な設備等(商品、サービス提供方法)と変わらない場合
事業の前後で売上高構成比の最も高い事業が、日本標準産業分類に基づく大分類の単位で変更されない場合
例. I 卸売業、小売業 → I 卸売業、小売業
OK 飲食店が小売業に転換
→ 過疎の観光地で飲食店経営。高齢者宅にダッシュボタンを配布し、通知が来たら電話で御用を聞き、必要なものを買って配達するサービス開始。地元の濃厚な人間関係を活かした事業。
※ M 飲食業 → I 小売業

4. 業態転換

NG 靴専業ECが、ECモールに出店(業態がそのまま、売り方に大きな変化なし)
OK ECモール出店のオーガニックオイル店が、自社ECを開店
→ スキンケアのオイルを扱っている。美容室と連携し、フェイスオイルマッサージ事業を開始。美容室からスマホ顕微鏡で肌画像を送ってもらい、最適なオイルとマッサージ法をオンラインコンサル。ECモールでの単純な販売から、美容室と連携した販売方法に業態転換。

採択されやすくなる秘訣


採択されやすくなる秘訣には、大きく3つあります。

  • 自社の強みを生かしたストーリー
  • 自社だけでなく、地域、お客様、従業員が良くなるストーリー(社会課題解決)
  • 世の中に追いつくのではなく、頭一つ出る取り組み

やはり「自社の強み」を生かしたストーリーでないと、採択されるのは難しいです。

他の会社にはない、自社ならではの強みをよく理解して、それを生かす申請内容にしていきましょう。

「強み」と一口に言っても

・ 商売上のビジネスモデル的な強み
・ その地域ならではの強み
・ 濃密な人間関係という強み

など、さまざまな切り口があるのでぜひ考えてみてください。

また、地域やお客様など社会がより良くなるストーリーも欠かせません。せっかく補助金を出しても、儲かるのがその会社だけなら波及効果が弱く、国としては投資の失敗を意味するからです。

そのため、一企業だけが良くなるというよりは

  • 地域の課題を解決できる
  • お客さんが求めているものを新しく作れる
  • 従業員の就労環境が良くなる
  • 新しい雇用をつくれる
というように周りの方々も良くなるストーリーを展開できることが重要です。

最後に「世の中に追いつくのではなく、頭一つ出る取り組み」も大切です。冒頭でお伝えしたとおり、補助金は弱い人を助けるための施策でなく、良い取り組みを助けるための施策だからです。

書き方のポイント


採択されやすくなる書き方のポイントは、大きく3つです。

  1. 読みやすくする工夫をする(イラストや写真など)
  2. キーワードを列挙してから文章化する
  3. 利益計画も適切な感じになるようにする
審査員にはわりと年配の方が多く、ECに精通している専門家ともかぎりません。そのうえ、一度にドサッと提出された書類に目を通すわけですから、できるだけ分かりやすく伝える工夫が大切です。

具体的には

  • 専門用語や難しい言葉を使うのを避ける
  • イメージで理解できるように図解やイラストを添える
などをすると効果的なので、ぜひ試してみてください。

2つ目に、文章を書くときは以下のステップを踏むのがおすすめです。

  1. 「まず何を書くのか」を箇条書きで列挙する
  2. 内容に漏れがないか確認する
  3. 箇条書きの内容を文章化する

先に大筋のストーリーをつくり、「何を書けばいいか」を明確にすればスムーズに文章を書きやすくなります。

最後に利益計画が適切になるように注意しましょう。

  • どのくらい利益が出るか
  • 今後どのように成長する見込みか
  • 財務状態がどのように改善するか

など、特に数字の部分をいい加減に考えてしまうのはNGです。

例えば「去年までの決算書では利益率が10%だったが、今後の利益率は35%の見込み」のようにあまりに乖離していると、審査員から疑問を持たれます。

反対に、あまりに利益率が低くて儲からないと、投資先として適切でないと判断されてしまうので気をつけてください。

どんなときにプロに頼む?

補助金を申請する際に、どんなときにプロに頼むといいかを一部まとめました。

  • 申請書の作成時間を確保しづらいとき
  • やりたいことはいろいろあるが、どれがいいか迷っているとき
  • 公募要領を読む気がおこらないとき

例としてものづくり補助金の場合、事業計画書の作成時間が40時間以上かかっている方はかなり多いです。

1日8時間勤務とすると、平日5日間はずっとかかりきりになるイメージです(場合によってはそれ以上)。さらには公募要領そのもののボリュームも多く、意外と40ページくらいするケースもあります。

そのような時間を確保できるのであればいいですが、難しい場合はプロに任せるのがおすすめです。

また、「チャレンジしたいことが多く、どれを補助金でやればいいか分からない」と悩む方も多いです。そのような場合、プロに頼んで現状ややりたいことなどを伝えれば、将来を見越したうえで優先順位が高いものをピックアップしてくれます。

まとめ:事業再構築補助金で事業を組み立てなおそう

事業再構築補助金は、事業モデルの転換などに取り組む中小・中堅企業を支援する制度です。
とはいえ、「自社だけ良ければいい」という独りよがりな思いでは申請は通りません。

地域や社会など、周りを取り巻く方々もより良くしていくという考えをベースに、ビジネスの再構築を策定してみてください。

また、futureshopではECサイトの構築・運用の支援をしています。これからECサイトを構築し、EC事業をスタートしたいと考えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

※futureshopはECサイト構築・運用プラットフォームです。補助金について知りたい場合は、備考欄に補助金に対するお問い合わせの旨を記載してください。

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※本記事の掲載情報は、2021年4月23日現在の情報になります。

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