Googleが「ECに特化したAI機能」を発表!事業者はどうするべきか?

Googleが「ECに特化したAI機能」を発表!事業者はどうするべきか?

米国時間2026年1月11日、GoogleはAIエージェントによるエージェンティックコマースを実現する新たな標準プロトコル「UCP(Universal Commerce Protocol)」を発表しました。UCPの標準化は、日本のEC業界にも大きな影響を与えると見られています。

本記事では、UCPの特徴や基本的な戦略に加え、日本国内で影響が及ぶ範囲について、futureshopの取締役である安原氏が解説します。UCPの今後の展開を把握したい方は、ぜひ参考にしてください。

また、今回の内容はfutureshop公式YouTubeでも取り扱っています。動画もあわせてご覧ください。


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Googleが発表したECに特化したAI機能「UCP」とは?

Googleは、新たなエージェンティックコマース向けのプロトコルとして「UCP」を発表しました。ここでは、UCPの基本的な仕組みや特徴についてわかりやすく解説します。

インタビュアー

つい先日、Googleからエージェンティックコマースに関連する新たなプロトコル「UCP」が発表されましたね。

日本のEC事業者の皆様も知っておくべきニュースだと思うので、ぜひ解説をお願いします。

安原

もちろんです。

まずは、UCPの概要から確認しましょう。

UCPとは、Googleが発表したAIエージェントがオンライン上でスムーズに買い物を進められるようにするための共通プロトコルです。

 

インタビュアー

共通プロトコル…つまり、Googleを利用するサイト共通のルールのようなものでしょうか?

安原

その通りです。

従来は、ECサイトごとに商品情報の形式や購入フローが異なるため、AIが検索から購買までを一貫して実行するのは簡単ではありませんでした。

インタビュアー

たしかに、サイトごとに異なるフローをAIが正しく認識・実行するのは難しそうですね。

安原

そこでUCPでは、AIが理解しやすい形で情報をやり取りできる「共通のルール」を定めることで、サービスを横断した購買体験を実現しようとしているのです。

今後UCPが普及すれば、ユーザーにとっては商品選びから購入までの流れがよりスムーズになり、EC事業者にとっても新たな販売機会につながっていく可能性があります。

参考:顧客獲得、まだ苦戦してる…? 効率的にマッチングができる、ビジネスコミュニティ「COB」|新R25 Media

OpenAIの「ACP」との違い

インタビュアー

UCPは、OpenAIの「ACP」と比べると、どのような違いがあるのでしょうか?

プロトコルの説明

安原

いずれも、AIエージェントを活用して買い物をする際の「決まりごと(プロトコル)」である点は共通しています。

ただし、想定している購買体験や設計思想に違いがあり、Googleは「統合型」OpenAIは「エージェント型」と呼ばれるアプローチを採用しています。

インタビュアー

なるほど、それぞれにはどのような特徴があるのでしょうか?

安原

Googleの統合型戦略は、検索・AI・EC・決済といった購買に必要な要素を、共通規格によって一体化させる考え方です。

ユーザーが商品を探して購入するまでの流れを、Googleのプラットフォーム上でスムーズにつなげることで、より効率的な購買体験の実現を目指しています。

インタビュアー

これまでサイトやサービスごとに行っていた操作を、一か所で完結できるイメージでしょうか?

安原

その通りです。

一方、OpenAIのエージェント型戦略は、AIエージェントがユーザーの目的を理解したうえで、外部サービスを横断しながら自律的に購買までを実行する仕組みです。

検索・比較・購入といった一連のプロセスをAIが代行することで、ユーザーが細かな操作をしなくても買い物が完結する世界観を描いている点が特徴です。

インタビュアー

OpenAIの戦略は、AI主体で商品の検索や購入を行うものということでしょうか。

たしかに、Googleとは異なるアプローチに見えますね。

動画「Googleが「ECに特化したAI機能」を発表!事業者はどうするべきか? 」のワンシーン

安原

従来、インターネット上での買い物では、ユーザーが自ら商品を検索し、比較・検討したうえで購入に至る流れが一般的でした。

しかし今後は、AIが複数のサービスを横断しながら、検索から購買までのプロセスを担う時代になると言われています。

インタビュアー

オンラインでの買い物が大きく変化する可能性がありますね。

安原

とはいえ、ECサイトごとに仕様が異なるため、AIがそれぞれのサイトに個別最適化して対応するのは容易ではありません。

そこで、AIが共通の「決まり(プロトコル)」を定め、ECサイト側がその規格に準拠した情報を提供する仕組みが重要になるのです。

インタビュアー

なるほど、ほかにもUCPとACPの違いがあれば教えてください。

安原

さらに違いを挙げるとすれば、UCPは複数の事業者と連携しながらエコシステム全体で展開されるのに対し、ACPは特定のプラットフォームを起点として設計されている点でしょうか。

インタビュアー

具体的には、どのような違いなのでしょうか?

動画「Googleが「ECに特化したAI機能」を発表!事業者はどうするべきか? 」のワンシーン2

安原

ACPは仕組み主導で整備が進められているため、特定の決済基盤との連携を前提にした形になりやすいのです。

こうした点を踏まえると、幅広い事業者が参加しやすい設計を目指しているという意味では、GoogleのUCPのほうがオープンなスタンスをとっていると言えるでしょう。

GoogleのEコマースにおける基本的な戦略

インタビュアー

Googleは今後、どのようなEコマース戦略を展開していくのでしょうか?

安原

GoogleのEコマース戦略は、一貫して「ショッピンググラフ」に表れています。

インタビュアー

「ショッピンググラフ」とはなんですか?

Googleが「ECに特化したAI機能」を発表!事業者はどうするべきか? - ショッピンググラフとは

安原

ショッピンググラフとは、商品情報や購買行動に関連するデータを集約したデータベースのことです。

実際にfutureshopをご利用の店舗様も、価格やレビュー、在庫状況などの情報を日々Googleへ提供しています。

インタビュアー

なるほど、ショッピンググラフからはどのような戦略を伺えるのでしょうか?

安原

複数の販売チャネルを横断して購買体験を統合していく「ユニファイド戦略」こそが、Googleが目指すEコマース戦略そのものと考えられます。

以前Googleは、検索結果上で購入まで完結させる「Buy on Google」という取り組みをテストしていました。

しかし、この取り組みは広く定着するには至らず、2024年に終了しています。

その後は、検索結果や広告からECサイトへ遷移して購入を促す従来型の導線が中心となりました。

しかし、UCPの登場によって、商品検索から購入完了までをGoogleのサービス上で一気通貫させる仕組みが改めて現実味を帯びてきた点は注目すべきポイントだといえるでしょう。

UCPは一般浸透する?

インタビュアー

以前、安原さんはOpenAIのACPが登場した際、「一般浸透はしないだろう」と予想されていましたが、UCPについても同様の所感をお持ちでしょうか?

安原

UCPの場合は、これまでとは異なる結果につながるのではないかと考えています。

AIに関するGoogleのスタンス

安原

Googleが提唱するUCPは、検索トラフィックや広告、ショッピンググラフといった自社エコシステムを横断的に連携・統合することを前提としたプロトコルです。

つまり、商品探索から購入に至るまでの流れを、Googleのサービス群の中でスムーズに成立させる狙いがあります。

インタビュアー

これまで、Google内のさまざまなサービス・機能を横断して行っていた購入フローを一か所に集約するイメージですよね。

安原

一方、OpenAIのACPは、AIとの会話を起点に購買プロセスを進め、ショッピング体験そのものを対話の中で完結させることを重視した仕組みです。

両者は同じ「エージェンティックコマース」を支えるプロトコルでありながら、想定している購買体験や構造が大きく異なるといえます。

インタビュアー

実際に商品を購入する流れをイメージしてみると、ユーザーの使用感にも違いが現れそうですね。

Googleが「ECに特化したAI機能」を発表!事業者はどうするべきか? UCPとACPの違い

安原

つまり、Googleは既存の購買導線(検索・広告・EC・決済)をAIによって高度化し、商流全体を最適化していく方向性です。

一方でOpenAIは、AIとの会話そのものを購買の起点とし、対話の中で買い物を完結させることを目指しています。

買い物体験を大幅に変えようとしているACPに比べると、今の商流をAI化するUCPは、一般にも受け入れられやすいのではないでしょうか。

UCP対策としてEC事業者が取り組むべきこと

インタビュアー

UCPの展開に対し、EC事業者が取り組むべき施策があれば教えてください。

Googleが「ECに特化したAI機能」を発表!事業者はどうするべきか? AI対策に取り組むべき施策

安原

AIOやGEOに取り組んでいくことが重要です。

AIOは、生成AI全体に情報を正しく理解させる施策であり、GEOはAI検索エンジンでの「引用」に特化した具体的な手法になります。

まずは、AIが理解しやすい店舗を目指し、構造化データの整備を進めることが重要です。

インタビュアー

なるほど、まずはAIに正しく理解してもらう土台づくりが重要ということですね。

安原

次に、Google マーチャントセンターへ送信する商品データの精度を高めましょう。

マーチャントセンターに連携する情報には、商品価格や在庫状況に加え、よくあるお問い合わせに関する内容なども含まれます。

ユーザーが知りたい情報を先回りして渡しておくイメージですね。

インタビュアー
安原

こうしたデータの精度が高まるほど、GoogleのAIに情報を正しく認識・引用される確率も高まります。

さらに今後は、配送や返品対応に関する情報の充実も重要になっていくでしょう。

GoogleのAIが商品を提案するうえでは、ユーザーが安心して購入できる材料として、信頼性の高い情報が大きな判断要素になります。

ECの最新情報をキャッチアップするならfutureshopがおすすめ

futureshopの公式YouTubeチャンネル「Eコマースch【futureshop】」では、AIの最新動向をはじめ、EC運営に役立つ実践的な情報をわかりやすく発信しています。

日々の施策に活かせるヒントや、これからのECに必要な視点を幅広く取り上げていますので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

今回は、2026年1月にGoogleが発表した新たなプロトコル「UCP」について紹介しました。今後UCPが普及すれば、日本のEC業界にも大きな影響を与える可能性があります。

AIの進化によってECを取り巻く環境が大きく変化するなかで、売上を伸ばし続けるためには、最新動向を素早くキャッチアップし、自社に合った施策を的確に実行していくことが重要です。

EC業界の最新情報を踏まえた戦略設計や、課題に応じた具体的な打ち手について相談したい方は、ぜひfutureshopまでお気軽にご相談ください。