集客力から自然な引力へ。競争を避けて選ばれる存在になるための中小EC生存戦略。


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EC市場が拡大するなかで、次々と大手メーカーがECへと参入し、今後も競争が激化されることが予想されます。生き残るための方法を考えることは大切ですが、大切ななにかを犠牲にしてまで商売をすることが、本当の幸せといえるのでしょうか?

2021年4月23日、株式会社フューチャーショップが主催となり、オンラインセミナー「“集客力”から”自然な引力”へ 無理のない商売の形と戦略論」を開催しました。

スピーカーとして登壇したのは、コマースデザイン株式会社 代表取締役 坂本悟史さんです。中小企業がECで競争を回避し、経営者とスタッフともに無理なく働いていくために必要な「“いい感じの商売”をするための考え方と方法」が話されました。

約2時間にわたって開催された本セミナー、要点をまとめてレポートしていきます。

プロフィール画像
コマースデザイン株式会社
代表取締役
坂本 悟史さん(写真右)
楽天株式会社(現:楽天グループ株式会社)にてECコンサルタントとマーケティング業務を長年担当。
ネット上でのヒット商品・人気店舗を多数輩出した後、2008年に独立し、中小規模ネットショップの支援に特化したコンサルティングを行う為にコマースデザイン(株)を設立。

売上アップ以上に、売れる為の考え方・スキル・習慣の習得を重視。支援先が「コンサルが要らない自走出来る店」になってもらえるコンサルティングの提供と、後進のコンサルタントの育成に注力している。現在では、400社を超えるEC事業者にサービスを提供中。著書「eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則」は16回増刷され、ネットショップ運営ノウハウ本では業界1番のベストセラー。

週刊ダイヤモンド、日経電子版などへの寄稿やNHK・フジテレビなどからのTV取材も多数。自治体や業界団体からのセミナーやコンサルティングの依頼も多く、地方活性化にも積極的に貢献している。

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    事業成長を4つのステージで考える

    事業成長のステージ
    今回のセミナーページに「いい感じ」で商売を続けていくには?と書いてありますが、その1つの考え方として競争に巻き込まれないようにする「競争回避」は重要なテーマです。競争を避けて、みなさんに「いい感じ」で商売を続けていただきたいと思っていますが、この話をしていく前提として、成長段階ごとの《ステージ》についてお伝えしておきます。

    まずはオープンしても売れない状態からスタートして、売れるようになる段階までの《収益ステージ》から始まります。ある程度の受注が入るようになると、今後は出荷や受注処理が大変になるので、システムや人材を手配して効率的に回るようにしていく《収益+効率ステージ》となります。

    ある程度の売上になり、仕事も順調に回るようになってくると、少し先のことを考え始めます。それが《収益+効率+戦略ステージ》です。競合や市場を見ながら、独自性を持てる領域を模索していきます。

    しかし、ここまで進んできて「なんだか疲れたなぁ…」という感覚を抱いたり、もう少しスタッフが気持ちよく長く働ける環境にできないだろうか?といったことを考えたり、「自分が本来やりたい仕事をやりたい」と思うような状況になってくる《収益+効率+戦略+調和ステージ》に入っていきます。

    今回のセミナーテーマである「“いい感じ”で無理のない商売の形」というのは、《戦略ステージ・調和ステージ》の話です。《収益ステージ・効率ステージ》が大切なのは大前提ですが、業績だけを目指してそれだけになってしまうと、長くは続いていかないように思います。その先の《戦略・調和ステージ》を意識できる方は意識していただけたらということが今回のテーマです。

    比較されやすいECで、価格競争に巻き込まれないためには?

    まず、前提としてもっておくべきなのは、ECなどのオンラインの商売は、比較されやすいということです。

    あなたは「賢い消費者」として、日々何かを冷徹に比較しているでしょう。しかし、あなたもまた、日々誰かからの「冷徹な比較」にさらされているのです。

    消費者にとって、選びやすい時代になりました。これにより、現代のあらゆる事業者は、「徹底的な比較」にさらされています。 商売は本質的に比較されますけど、現代の商売は、技術の進歩により「より圧倒的な比較」にさらされている。

    ECに限らず、これからも、比較プラットフォームがなくなることはなく、参入プレイヤーはますます増えていきます。自分よりコスパの良い、早い、安い、人気の、大手の、そんなライバルがどんどん増えていきます。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編」

    ECは「全国の競合」と比較される中で戦う必要があります。比較される中で勝つには、価格を安くするしかないと思うかもしれませんが、実は価格以外にも比較軸はあります。

    私は先日、便利屋さんの比較プラットフォームで、とある方に仕事を依頼しました。

    台風で散らかったベランダの掃除など色々してもらって、おしゃべりで「便利屋のプラットフォームとかでどういう集客をしてるんですか?」と聞いたところ「むかしはチラシだったけど今だいたいプラットフォーム経由」「最初は安い方が有利なのかなと思ったけれど、案外自分の全力の笑顔写真などを載せている方が、ちゃんとお客さんが来てくれることを発見した」とのこと。

    他にも「組織でやっている人もいるけど、自分は個人だから、人となりを売り込んでLINEで繋がって、気軽に声をかけてもらう状態にしてリピートを獲得しています」「女性が伺います、という切り口の事業者もいるし」「人によって比較基準はいろいろありますね」とのこと。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編」

    これは、ECでも同じことがいえるのではないでしょうか。人は価格の安さだけで買い物をするわけではありません。「便利であること」「長持ちすること」「対応が親切であること」など、比較基準は多くあります。

    実は、お客さんの比較基準は「価格だけではない」のです。色んな角度があります。なぜなら、人間は1人1人違っているからです。

    これを知らずに、画面をにらみながら価格競争に突撃している人もいます。危ないですね。我々のような中小が選ばれるためには「競合大手と違う比較基準」を想定すべきです。

    そういう「わかりやすく合理的な比較基準」ではなく、「一部の人だけが重視する偏った比較基準」に注目して、たとえば「『価格は安くはないけどとにかく頼みやすい便利屋さん』としてLINE経由を売り込む」などが特定できれば、うまく競争を避けることができそうですね。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編」

    価格競争に巻き込まれないためには、自社の強みを理解し、訴求ポイントを絞っていくことが重要です。

    ネットは、前述の通り「強い順に並べる」「弱者を埋もれさせる」という残酷な側面もありますが、選択肢が広がったことで「本当に自分にぴったりの売り手・買い手のマッチングが成立しやすい」という側面もありますよね。ネットのおかげで、路地裏にある、小さいけど、店主に世界観があり、配慮が行き届いた店・・にも露出のチャンスが出てくるからです。

    ネット上では、「安いもの」「ランキング上位のもの」に人々が集まりますが、一方で、「他人の物差しではなく自分の物差しを大切にする」「自分の物差しに合ったものを探す」人々も存在します。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編」

    選ばれた理由を自覚する

    自社の強みを理解するためには、「消費者に自社が選ばれた理由を自覚する」ことが大切です。

    お客さんの「比較基準」。あなたのお店を支持してくれるお客さんはこう言います。

    「似たような○○は他にもたくさんあるけど、○○ならやっぱりココだな。だって△△だから」。

    この穴埋めフレーズが大切です。「だって△△だから」「△△だからここで買う」。

    この△△の理由部分が競争力の源泉です。あなたのお店では、△△には何が入りますか?安い、スペックが良い、在庫があるから早い、primeマークがついてる、、、も重要ですが、今後の「パワーゲーム」を考えると、「単純比較されない差別化要素」がほしくありませんか?

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「変化の時代だからこそ、「不変」でありたい 2021年のEC業界展望 #4」

    この「△△だからここで買う」こそが、競争力の源泉です。

    コンビニやチェーン店などの「便利な選択肢」が増えれば増えるほど、無名で面白い店などの「そうではない選択肢」もまた求められるからです。「じゃないほう芸人」ではなくて「じゃないほうEC」といいますか。どうせメインストリームは大手が持っていってしまうので、中小は、「じゃないほう」を狙っていくといいし、そのほうが案外儲かるはず。鶏口牛後。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編」

    「専門特化」と「新提案」で競争を回避

    自社が選ばれる理由を発見したら、次のステージは、その強みを主軸にしていく「専門特化」です。

    「比較される」のは弱者です。だから比較される側ではなく「お客さんに教えてあげる側」「何を買うべきかを教えてあげる側」に回りましょう。それは、圧倒的に強者です。それが専門家アプローチ。

    (中略)

    「大手と単純に比較されると負ける」のであれば、中小事業者の戦略としては「比較されにくい商売をする」ことが有効です。

    (中略)

    だから「専門家がいる専門店」は有利です。小売店はそのような「専門家」になっていくことが、これから必要だと思います。大手のお店は商品をたくさん並べていくので、「専門家」的な接客はしづらいですが、小さいお店こそ、そういった接客を目指すといいのかなと思います。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編」

    全国大会であるECは、実店舗では難しかった「専門特化」こそ、中小企業の勝ち筋といえるでしょう。そして、もう1つの競争回避方法は「新提案」。

    商品の存在が当たり前になりすぎ、市場が飽和状態になってしまうと、どんなに他社製品との違いをアピールしても、お客さんは目新しさを感じません。

    そのため、離れてしまった興味を再度惹きつけるには、当たり前をひっくり返すような新提案、売り方を見直すことが求められます。

    新提案の具体例

    ・ビールと同じ製法なのにプリン体ゼロ!ヘルシーで美味しいホッピー(昔の訴求は「ビールの安い代用飲料」。そのポジションは発泡酒に取られた)

    ・カワイイはつくれる!ハンドブローだけで毛流れ揃うエッセンシャルシャンプー(昔の訴求は「ダメージケア」。市場の激化で安売りシャンプーとして埋没していた)

    引用:コマースデザイン スタッフブログ
    「ベテラン店ほど要注意!訴求は古いと売れなくなる」

    「こういう店舗を目指したい」という理想の店舗像をもつ人もいるかもしれません。しかし、競争を回避して勝つには、「自社になにが求められているのか」を自覚して、自社のキャラを立てていくために投資をしていくべきです。こうして専門特化し、ニッチな市場で商売をすることで、誰かの心に深く刺さり、SNSなどでクチコミが発生しやすくなります。

    大手企業との競争を避ける、中小企業ならではの戦略

    中小企業が大手企業とまともに戦っても、資本力や人員に大きな差があり、勝つのは難しいでしょう。中小企業には、大手企業が真似しにくい強みがあるため、そこを理解して戦略を立てていくことが重要です。

    そこで次は、メーカー型ECと仕入れ型ECに分けて、それぞれ押さえたほうがいいポイントについて解説していきます。

    メーカー型ECが勝つキーワードは「クラフト消費」

    自社で商品を作って販売するメーカー型ECは、「クラフト消費」がキーワードです。クラフトとは、もともとの意味は「技術」で、「手作りのもの」といった意味合いで使われることが多くあります。

    現代はどうなっているか。好みや個性を重んじたバラエティ豊かなおにぎりを24時間販売で、あらゆる人にあらゆるタイミングに適応できるように進化しました。でもこれ、結局「手練手管でおにぎりを胃袋に押し込んでいる」と言えなくもない。もういいよ!お腹いっぱいだよ!そんなに種類なくてもいいよ!

    便利さの陳腐化 → 主観的価値の低下

    結果、コンビニおにぎりのありがたみが消え、「自分で作ったおにぎりこそが旨い」あるいは「専門店でプロが握ったおにぎりはぜんぜん違う」とかに価値を感じ始めるわけです。つまりクラフト性ですね。

    (中略)

    「便利」の価値が低く見積もられ、「クラフト」の価値が主観的に高く感じられるようになっているのが現在です。大手には悪いけど、中小には嬉しい現象です。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2021年のEC業界展望 #2 メーカーECは「クラフト訴求」で便利の向こう側へ」

    技術がどんどん進歩して、さまざまな商品が安価に手に入る現在。物を入手することへの特別感が減り、便利さの価値が低下しています。そこで、これまでとは逆に、不便さや自らの体験を購入する欲求が強まり、クラフトの需要が高まっている傾向があります

    我々は、彼らにどんなクラフト性を提供できるでしょうか?それは、生きる実感としての「手触り」、人との「関わり」、共感できる「物語」の3つだと考えます。

    (中略)

    「ヒトとして根源的な喜びのある手触り」を商品化すると良いでしょうね。

    この際、参考になるのが「製品と商品は別」「製品に意味を乗せると商品になる」という考え方です(坂本がたまにセミナーで話してます)。例えばベーキングパウダーや小麦粉は単なる「製品」ですが、意味を載せて「親子で作るお菓子作り『パティシエ入門セット』」にすると、商品です。そんな感じで、お取り扱いの製品に、手触り的な意味を載せてみると面白い商品になるかも。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2021年のEC業界展望 #2 メーカーECは「クラフト訴求」で便利の向こう側へ」

    仕入れ型ECが勝つキーワードは「エージェント化」

    仕入れ型ECの課題として、他社と扱う商品が同じであることが挙げられます。とくに、比較されやすいモール店舗にとっては、価格競争に陥りやすい致命的な問題だといえるでしょう。この問題の突破口となるのが、EC店舗のエージェント化です。

    エージェントとは、「お客さんの味方」として購買支援をする存在です。

    エージェント化の順序は2つです。「専門化」と「サービス強化」。
    まず、専門領域を決めて絞り込むこと。

    専門化を経て「当該の領域ならではのサービス」のレベルを上げていく。専門化は、CSやバックヤードなどの業務プロセス進化を促します。出荷スピードの早期化など(つまりパワーUP)。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「仕入れECは「エージェント化」で存在意義を回復する 2021年のEC業界展望 #3」

    さまざまな商品をそろえている店舗は、まとめ買いするのには向いていますが、特定の商品を探している消費者にとっては、ノイズが多過ぎてしまいます。

    △△が必要なときは、特化型の店にいくわけです。「特定の用途に限っては比較優位になる」という立ち位置。そのようにしてワンストップ型の大手と棲み分けるイメージですね。

    当然対象客層は少なくなりますが、特化しているからこそ、該当者にとっては「この店は最高・まさに探していた」になるわけです。「純粋想起」にもつながります。

    「品揃えが多い」のは「部外者の客観視点」では一見価値があるっぽいですが、実は「お客さんの主観視点」では、「自分の都合から外れた品揃え」は、強みどころか、ノイズに過ぎないわけです!これは品揃えだけでなくサービスにも言えますね。不要なサービスが色々あるのはノイズです。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「仕入れECは「エージェント化」で存在意義を回復する 2021年のEC業界展望 #3」

    加えて、商品自体では差別化ができない仕入れ型ECの戦略として、付加価値を提供していくことも必要でしょう。「コンシェルジュが相談に乗って商品を探す」など、選ばれる理由を増やしていくことも重要です。

    お客さんの需要に対して「○○ならコレ、○○ならコレ」といった案内ができることが必要で、技術の進化を使って、エージェント力をさらに強めていくのが、これからの仕入れ型ECのあり様かなーと思います。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「仕入れECは「エージェント化」で存在意義を回復する 2021年のEC業界展望 #3」

    そして、仕入れ型ECが目指す、究極のエージェント化は『ドラえもん』です。消費者(のび太)のニーズを聞き、最適な商品(ひみつ道具)を提供するからこそ、頼られる存在になっています。

    独自ドメインの店舗にチャンス到来! その背景とは?

    独自ドメインの店舗にチャンスが到来
    現在、さまざまな要因によって独自ドメインの店舗にチャンスが到来しています

    要因のひとつとして挙げられるのが、大手モールの経済圏戦争の激化です。日々宣伝合戦が行われ、経済圏を活用することで得られるポイントという仮想通貨が大量に発行されるなど、大手モールの動向によってECを活用する層が増えてきています。

    また、ユニクロやニトリといった大手メーカーがECにシフトし、消費者に向けて宣伝することで、「モール以外にもECの店舗があるのか」と知ってもらうきっかけになります。

    背景として、お客さんは実生活の中でも、以前より「行ったことがない店を、ネットを頼りに探していくことが当たり前」=リテラシーが上がってる。お客さんの探索能力が上がっていくと、マイナーな店でも(魅力があれば)来店される可能性が増えます。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「コロナの裏で起きている「EC業界のゲームチェンジ」ドミノ現象を説明します」

    そして、大手モールが提供している共通ID決済サービスを活用すると、消費者が独自ドメインの店舗で商品を購入するときに、クレジットカード情報などを入力する必要がありません。その結果、独自ドメインの店舗での購入ハードルが下がり、よりコンバージョンへとつながりやすくなります。

    本店の弱点である「面倒&不安」問題については、アマゾンペイメントや楽天ペイ等の「共通ID決済」(AmazonのIDを入れれば、住所や決済情報を記入しなくていい&店舗に渡さなくていいから安心)の導入でだいぶ払拭されます。かなり昔からの鉄則ですけども。

    で、共通ID決済としては、Amazonペイメントと楽天ペイがあるんですが、去年の終わりに、PayPayも共通ID決済を始めました。d払いもありますね。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「コロナの裏で起きている「EC業界のゲームチェンジ」ドミノ現象を説明します」

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、外出自粛の流れが到来し、巣ごもり需要が増加したことも要因のひとつでしょう。

    こうしたさまざまな要因がドミノ倒しになった今、独自ドメインの店舗に大きなチャンスが到来しています。このチャンスを逃さないためには、モールと独自ドメイン店舗の特性をしっかりと理解しておく必要があるでしょう

    モールと本店の使い分け

    モールは、世の中の風を受けて走る「帆船」のようなものです。毎年ギフトイベントが盛り上がっており、「母の日」など、一般名詞検索の取り込みに強い特徴があります。そのため、モールという船に乗る店舗として、世の中の風をいかに拾えるかが、モールでの売り上げを伸ばすための考え方です。

    私の主観ですが、この2,3年は、調子が悪い所ほどモールの景気の動向を受けやすく、調子のいいところは独自のブランドや体制を持っている傾向です。ECモールの景気の風を受けて走る「帆船」ではなく、「自力航行ができるエンジン」が必要です。

    帆船は調子の善し悪しが出ます。調子がいいときはいいんですけど、悪いときは転覆します。自力航行は逆風のとき、追い風がないときに強いです。安定してます。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編」

    一方、独自ドメインの店舗は、モールほど世の中の風を拾えません。消費者に選ばれるためには、純粋想起される必要があります。たとえば「バイトするならタウンワーク」「プロポーズされたらゼクシィ」といったように、「○○を買うなら、あの店」と消費者の頭のなかにインストールしてもらわなければなりません。

    そこでポイントとなるのが、先述した「自社が選ばれた理由を自覚し、強みを尖らせていく『専門特化』」です。

    競争を回避し、幸せな商売を実現するためには?

    理想的な商売のバランス
    理想的な商売とはなんでしょうか。もちろん利益や売り上げ、成長率といった「客観的価値」も重要ですが、中小企業が重視するべきなのは、「どんな状態が自分にとって心地いいのか」といった「主観的価値」でしょう。

    「心の平穏を保ったまま働けること」「夜寝るときに、仕事のことを考えて悶々としないこと」「スタッフ同士が楽しそうに仕事をしていること」といった、業績以外の、経営者とスタッフの満足度も大切にすることこそ、幸せな商売といえるでしょう。

    主観的成果をもっと大事にして経営するには、どうすればいいか。ちょっと言い方を変えて「良い感じ」という言葉を使って話を進めてみます。

    経営を「良い感じ」にしたい。そう考えたら、収益は重要です。儲かってなかったら「良い感じ」ではないですよね。

    じゃあ儲かってさえいれば「良い感じ」といえますか?違いますよね。幾つかの要素があるはず。そこを言語化したほうがいいかもなと。

    さきほど書いたような個人的な「やってて楽しい」「忙しすぎない」「夕方にビール飲める」も「良い感じ」の要素です。人によりますけどね。

    他の要素としては「取引先との良好な関係性」「市場規模は小さくても競争が少なくて業績安定」とか大事ですよね。「お客さんが喜んでる」「スタッフもそれがうれしそう」「最先端に関わっている」「地域の○○に貢献できている」とかね。コレも人によりますけどね。

    (中略)

    私の言葉でまとめると、「収益のためだけでない意味がある商売」をして、「独自性があって競争が少なく」、そして「無理なく幸せに継続できている」ことが大切だと思ってます。これらがあると、スタッフも幸せになりそう。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「変化の時代だからこそ、「不変」でありたい 2021年のEC業界展望 #4」

    「収入が多くても、ツラい悩みがあればさほど幸せではない」のと同じで、利益は目的ではなく何かの手段です。株主から業績アップを求められない中小企業は、経営者やスタッフの満足度を上げる手段として業績があるという捉え方もできます。

    成果の図解坂本様のブログからキャプチャを取得して掲載。(1:37:02のイメージ図)

    左。経営者が売上などの客観的成果が不足していると思っている。仕事のやりがいとかお客さんの満足など主観的な成果はある程度ある。周囲の人は「この会社はもっと伸びるはず」などという。そうだよね、と思う。

    右。売上が伸びたり社員数が増えたり、成長した後。でも大切にしていた何かが損なわれているような・・経営者は違和感を感じます。ただ、経営者が主観的に大切にしていたものを周囲の人はよくわからないので「成長してすごいね」と言ってくれる状態。人間は誰しも肯定されると嬉しいので誇らしくもなりますがでも違和感が拭えない。まあ、売上が落ちている人からしたら「何を贅沢なことを」と思うでしょうが。。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「変化の時代だからこそ、「不変」でありたい 2021年のEC業界展望 #4」

    主観的価値は、成果が計測しにくく、見失いやすいものです。自分のなかにしっかりと基準をもち、客観的価値の基準に振り回されないためにも、書き出しておくことがおすすめです。理想を掲げればうまくいくわけではありませんが、理想を明確にしておくことで、一つひとつの意思決定の精度がアップします。

    今回のセミナーの内容を踏まえ、紙とペンを持ち、ぜひあなたの理想的な商売の状態を書き出してみてください。

    多くの人は、意外と「自分のため」には頑張れないのかもしれません。もしかしたら、なんだか頑張れない人は、例えば「誰かのためになる目的」を再設定すると、エネルギーが生まれるかも。あるいは、他の形があるかもしれない。いずれにせよ、過去の自分の感情にフォーカスを当てて観察するとヒントがあるかも。

    (中略)

    与えられた価値観やルールだけに追従するのではなく、「自分の感性に対して自覚的になること」。主観性を大事にしようねって話でした。

    引用:コマースデザイン坂本様ブログ
    「変化の時代だからこそ、「不変」でありたい 2021年のEC業界展望 #4」

    まとめ/幸せを重視した商売のために、競争を回避しよう!

    日々拡大し続けるEC市場において、経営者やスタッフの幸せを重視した商売を実現するためには、競争を回避する戦略が重要です。「穏やかな気持ちで働く」「スタッフ同士、仲のいい職場環境にする」などの理想的な毎日を送るためにも、「専門特化」「クラフト消費」「エージェント化」といったキーワードを思い浮かべながら、戦略を立てていただけたらと思います。

    そして、フューチャーショップは、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」の提供を通して、理想的な商売を目指す中小企業を応援しています。

    今後も、セミナーや当メディア「E-Commerce Magazine」を通して、ECショップの運営に役立つ情報をお届けしていきます!

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