越境ECを成功に導く物流戦略|配送手段や課題解決のポイントを解説

「越境ECを始めたいけれど、どの配送業者に依頼すべきなのか分からない」「越境ECにおいて物流は重要らしいけど、具体的な手段が分からない」

オンラインショッピングの浸透とともに、越境ECは多くの事業者にとって重要な販売チャネルとなりつつあります。最近では、円安を追い風に海外ユーザーをターゲットとする動きも増えており、自社ECによる越境展開の需要が高まっています。

より多くのニーズを獲得するために、越境ECの開始を検討している事業者様も多いのではないでしょうか?越境ECを成功させるには、事前に物流ルートを確保し、考え得るトラブルへの対策を講じておくことが大切です。

今回は、越境ECの物流に関する内容について解説します。越境ECにおすすめの配送会社やよくあるお悩みの解決策も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

また、越境ECの始め方について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

円安基調の今こそ越境EC。自社ECサイトですぐに実現できる「ウェブインバウンド」対策をはじめよう

2022-09-01

越境EC物流とは?

越境EC物流とはその名の通り、ECサイトを通じて海外の消費者に商品やサービスを届けるための物流プロセス全般を指す言葉です。国内ECと比べても、通関手続きや国際配送など多数の複雑な手続きが発生するため、開始前のリサーチや準備が非常に重要になります。

越境ECの物流の主な工程は、以下の通りです。

  1. 商品の梱包・発送
  2. 通関手続き
  3. 国際配送
  4. 配送状況の追跡
  5. 返品・交換対応

特に、海外への荷物の発送時に必ず発生する「通関手続き」や、外国語での返品・トラブル対応などは、事前に対応方法をシミュレーションしておく必要があります。専門スタッフを雇用するか、翻訳ツールを活用して対応するなど、自社の規模や越境ECリソースを鑑みて最適な対応策を検討してみてください。

越境ECにおける物流の重要性

越境ECの成功には、物流体制の安定が欠かせません。越境ECにおいて物流が重要な理由は以下の通りです。

  • 物流コストが利益を左右する
  • 配送品質がブランドの信用に直結する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

物流コストが利益を左右する 

越境ECにおいて、物流はビジネスの成否に大きな影響を与える要素です。最適な物流戦略を選択しないと、利益が圧迫されてしまいます。

越境ECでは、商品の配送にかかるコストが大きな負担となります。海外発送にかかる送料や通関費用など、国内ECでは発生しない物流コストがかかります。たとえば、商品価格が5,000円の商品でも、送料・関税・燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)などを含めると1件あたりの配送コストが2,000〜3,000円を超えることも珍しくありません。

物流コストを最小限に抑えることが、結果的に越境ECにおける利益率を高めることにつながります。

配送品質がブランドの信用に直結する

越境ECは国内ECと異なり、長距離輸送・複数の中継拠点・通関などを経由するため、商品の破損・紛失リスクが非常に高まります。届いた商品が万全な状態でなければ、返品・再送対応の負担が増すだけでなく、クレームの原因となることも十分に考えられます。配送に遅れが生じ、顧客満足度の低下につながることもあるでしょう。SNSやレビューサイトでのネガティブな評価が急速に拡散することも考えられます。

クレームやマイナスな口コミが増加すると、顧客からのマイナスイメージがブランドに向けられ、結果的に売り上げの低下につながる恐れがあります。越境ECにおける配送トラブルを予防するには、長距離の湿度・衝撃・温度変化に耐えうる十分な梱包を徹底したり、信頼できる物流パートナーを見つけたりすることが重要です。

越境ECの主な物流手段

越境ECの主な物流手段は、以下の3つです。

  • 国内倉庫から自社で発送する
  • 海外物流倉庫を確保する
  • 代行業者を利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

国内倉庫から自社で発送する

国内倉庫から直接海外の顧客に荷物を発送する方法です。この方法では国内ECと同様に、自社倉庫を活用して在庫管理や出荷業務を一貫して行えるため、倉庫オペレーションにおける業務フローを大きく変えずに対応できるのがメリットです。

一方で、一回当たりの発送費用が高額になりやすい点や、複雑な配送手続きや外国語での顧客対応を自社で行う必要がある点はデメリットといえるでしょう。また、物流ノウハウが確立していない場合は、多額の初期費用が発生するため注意が必要です。

海外物流倉庫を確保する

規模が大きい会社の場合は、ターゲット国に自社倉庫を構えたり、ターゲット国やエリアにある現地倉庫に在庫を事前に預け、そこから顧客に直接配送する方法もおすすめです。

商品を現地で直接発送するため、送料を削減できます。また、短期間で商品を届けることができるので、顧客満足度の向上も目指せます。

工場や倉庫を建てる初期費用や在庫の管理コストが発生するため、すでに多くの顧客を獲得している場合におすすめの物流手段とも言えます。

代行業者を利用する

代行業者を利用し、商品を海外に発送する際のさまざまな手続きを委託する方法もあります。国外への荷物の発送に関する複雑な手続きを自社で対応しきれない場合は、代行業者を活用するのがおすすめです。

一般的に、以下のような手続きを代行業者に委託することができます。

  • 入荷
  • ピッキング
  • 検品
  • 在庫管理
  • 受注業務
  • 梱包やラッピング
  • インボイスなどの書類作成
  • 出荷発送
  • 返品対応
  • 決済処理

特に、言語や文化が異なるエリアでの返品処理や配送トラブル対応は、海外経験が浅い企業にとってハードルが高くなりがちです。こうした業務を経験豊富な代行会社にアウトソースすることで、カスタマーサポート品質の平準化や、想定外トラブル時のリスク軽減が図れます。

もちろん、代行サービスには一定のコストが発生しますが、人的コストや教育コスト、トラブル対応による機会損失を考慮すれば、結果的に効率的な選択となる場合も多いです。

自社の販売フェーズ・組織体制・取り扱い商品に応じて、「どこまでを自社対応し、どこからを委託するか」の線引きを明確にすることが、失敗しない導入の鍵となります。

越境EC物流における配送会社の違い

越境ECで荷物を配送する場合、物流手段の選択肢は以下の2通りになります。

  • 運送会社
  • 発送代行会社

それぞれの特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。

運送会社 

荷物の入荷や在庫管理、外国語での書類の手続きなどを自社で対応できる場合は、運送業者を利用するのが一般的です。国内倉庫から荷物を出荷する場合は日本の運送業者に依頼し、ターゲット国の倉庫から出荷する場合は国外の運送業者に依頼します。

運送会社経由の出荷は、初期費用を抑えてスポットで利用でき、現地モール契約も不要なため販売チャネルの柔軟性が高いのが特徴です。ただし、国や商材によっては現地での通関・税金対応や外国語での顧客対応が必要になる場合があります。

ただし、一回あたりの運送料が高額なうえ、複雑な税関手続きを自社または購入者が行わなくてはいけない点に注意が必要です。

また、輸送手段としては航空便と船便があります。それぞれの特徴を以下にまとめました。

メリット デメリット
航空便
  • 世界各国へ最短1~4日で配送可能
  • 一回あたりの輸送費が高額
  • 船便に比べ制限が緩やか
船便
  • 航空便に比べて輸送費が安い
  • 重量のある商品も輸送可能
  • 商品到着までに20~45日程度かかる

輸送手段を選ぶ際は、それぞれの特徴を理解したうえで、自社の取り扱う商品に合った輸送手段を見極めることが大切です。

発送代行会社

発送代行会社は、その名の通り越境ECにおける発送業務の代行を専門とする会社です。荷物の発送だけでなく、国際配送+決済代行+多言語カスタマーサポートを含めた発送作業をまとめて委託できることが多いため、EC事業者は販売事業に集中できるというメリットがあります。

ただし、サービスの内容や価格は業者によって異なるので、事前に調べたうえで予算感に合う業者を検討する必要があります。また、配送トラブルはクレームや顧客満足度の低下に直結するため、信頼できる代行業者かどうかを見極めることも大切です。

越境EC物流の主要配送企業7選 

越境EC物流の主要配送企業7社を紹介します。それぞれの企業の特徴や違いについて、以下の観点で比較し、表にまとめました。

  • 会社の特徴
  • 独自の強み
  • 費用
  • 対応範囲
企業名/サービス名 サービスの特徴 独自の強み 費用目安 対応範囲
日本郵便
  • 国内最大手の郵便事業者
  • 国際郵便・EMSなどを提供
  • EMS・国際eパケットなど低価格帯の選択肢が豊富
  • 郵便局網が強み
運賃:¥4,600~(免税)

別途手数料

  • 120以上の国・地域に対応
佐川急便
  • 国内物流に強みを持つが、国際物流も一部対応
  • e飛伝Ⅲによる出荷業務一括管理システム
運賃:¥5,192~(税別)

別途手数料

  • 世界220以上の国や地域
  • アジア中心
  • 北米・欧州はDHL等と提携
ヤマト運輸
  • クール便などの特殊輸送が可能(2025年8月現在荷受けは休止中)
  • 国際宅急便あり
  • 個人事業主にもやさしい料金体系
運賃:¥1,300~(免税)

別途手数料

  • 世界200以上の国や地域
  • 欧米・アジア圏に対応
  • クール便など制限あり
DHL Express
  • グローバル展開でスピード配送に強み
  • BtoC対応可能
  • 通関スピード・ネットワークの広さが圧倒的
  • スピード重視
公式サイトに記載なし

(無料見積もり可能)

  • 220以上の国と地域
FedEx
  • 北米中心に強く、追跡や配送精度が高い
  • FedEx Delivery Managerで再配達など柔軟対応
公式サイトに記載なし

(アカウント作成後に見積もり可能)

  • 220以上の国と地域
  • 特に米国が得意
UPS
  • 欧米中心に強い
  • 法人向けに最適化された配送設計
  • My Choiceサービスで配達先変更が可能
  • 法人利用に最適
運賃:¥7,150~(税別)

別途手数料

  • 220以上の国と地域
Easyship
  • 多キャリア連携型の越境EC特化物流プラットフォーム
  • 複数キャリア比較・関税計算・追跡を一元管理
  • マルチキャリア出荷に対応
公式サイトに記載なし
  • 世界220カ国以上

それぞれの企業について、詳しくみていきましょう。

日本郵便

日本郵便では、3種類の越境EC向けの配送プランを提供しています。それぞれの特徴は以下の表の通りです。 

UGX ゆうグローバルエクスプレス
  • 世界の主要都市(51か国)に向けて集荷・配達
  • 重量が30kgを超える荷物も取り扱い可能
EMS 国際スピード郵便
  • 世界120以上の国や地域に対応可能な配送サービス
  • 重さ30kgまで対応
クールEMS
  • 世界6か国(引き受け停止中の場合あり)に向けて保冷が必要な荷物を配送可能
  • 数量や荷物の大きさに合わせて選べる「大・中・小」の3サイズに対応

また、荷物の種類に合わせて配送プランを選べるため、自社製品に最適な物流手段を見つけ出せるでしょう。

配送トラブルが発生した場合も、プランによっては補償を受けられることがあります。信頼度の高い物流ルートを確保したい場合におすすめです。

参考:サービス・商品を探す_郵便局 | 日本郵便株式会社

佐川急便

佐川急便は、世界220以上の国や地域に荷物を配送するサービス「飛脚国際宅配便」を提供しています。

日本国内のどこからでも統一運賃で国際間輸送が可能なため、どこに自社倉庫があっても配送料を気にせず安心して配送できます。また、担当営業所に連絡をすれば集荷に来てくれるため、大きな荷物も手軽に配送できます。

ただし、配送料は荷物の実重量・寸法によって異なるため、料金表の確認が必須です。

化粧品や食品など、配送できないものもあるので、公式サイトの「お取り扱いできない品目」から自社商品の配送が可能か事前にチェックしておくことをおすすめします。

参考:飛脚国際宅配便_佐川急便

ヤマト運輸

ヤマト運輸では、主に以下2種類の越境EC向けの物流サービスを展開しています。 

サービス名 特徴
国際宅急便
  • 世界200を超える国と地域に配送
    宅配便のように手軽に利用可能
国際貨物輸送サービス
  • 配送だけでなく、通関手続きやロジスティクスを含めた輸送プランを提案
  • 航空貨物輸送、海上貨物輸送、小口貨物事業など多様なニーズに対応

国際宅配便では、通常の宅配便のように手軽に越境ECを開始できます。小規模~中規模ECでの活用もおすすめです。

国際貨物輸送サービスでは、航空、海上輸送に加え、陸上輸送や関税対応に至る対応をすべて委託できます。通常の国際宅配便に比べると費用はかかりますが、自社商品に関する最適な物流ルートを確保したい場合にはおすすめです。

参考:国際貨物輸送_ヤマト運輸
国際宅急便_ヤマト運輸

DHL Express

DHL Expressは、ドイツに本社を置く世界的な物流会社DHLが提供する国際エクスプレス配送サービスです。世界220以上の国と地域への配送が可能で、安全性の高さとスピードの速さに定評があります。

国際輸送専門の配送業者としての知見が深く、関税などの対応もプロのスタッフがスムーズに行うため、国を超えた配送を迅速に行います。

また、MyDHL +を活用すれば、輸入・輸出手続きをはじめ、見積りや集荷依頼、配送状況の確認などをオンラインで完結できます。

公式サイトは日本語にも対応しているため、国外の拠点から商品を発送する際は、ぜひチェックしてみてください。

参考:DHL Express

FedEx

FedExは、220以上の国と地域への配送に対応している国際物流企業です。書類から大型貨物まで、あらゆるサイズの荷物を迅速・確実に届ける国際配送サービスを展開しています。

大型の商品を海外に配送する場合におすすめです。また、BtoB・BtoCの両方に対応可能なので、幅広い顧客を抱えるECとの相性も良いでしょう。

FedExの特徴の一つが、高い追跡精度と柔軟な再配達サービス「FedEx Delivery Manager」です。受取人の都合にあわせて配達時間や場所を変更できるため、越境ECの顧客満足度向上にもつながります。

また、輸送中の荷物の状態や進捗もリアルタイムで確認できるため、安心して利用できる物流サービスといえるでしょう。

参考:FedEx

UPS

UPSはアメリカ・アトランタに本拠を置く、世界最大級の宅配便・ロジスティクス企業の一つです。世界220以上の国と地域に配送ネットワークを展開しており、法人向けの越境EC対応にも注力しています。

UPSの魅力は、業務用の配送支援ツールと、配達先の変更や日時指定ができる「My Choice」サービスです。受け取り日時や場所の変更について、USP側が対応してくれるため、EC側はカスタマーサポートの負担なく、顧客満足度の向上を目指せるのがメリットです。

また、環境配慮型の配送ソリューションや、BtoB・BtoC双方に対応する柔軟な配送設計も特徴です。

参考:UPS

Easyship

Easyshipは香港発の越境EC支援プラットフォームです。世界220以上の国と地域に対応しており、日本の利用者も多いのが特徴です。

Easyshipでは、関税計算や送料見積り・配送追跡などを一元管理できます。顧客の国やエリアに応じて最適な配送プランを簡単に選択でき、配送コストの最適化が図れます。また、ShopifyやWooCommerceなどの主要ECプラットフォームとの連携にも対応しているため、初めて越境ECに挑戦する中小事業者にもおすすめのサービスです。

ただし、Easyshipが提携提供する倉庫からの発送の可否は地域によって制限があるため、自社の発送拠点や物流戦略との整合性を確認することが重要です。

参考:Easyship

越境EC物流の発送代行会社3選

越境EC物流の代表的な発送代行業者を3社紹介します。それぞれの特徴や違いを、以下の観点に沿って表にまとめました。

  • 会社の特徴
  • 独自の強み
  • 費用
  • 対応範囲

それぞれ詳しく見ていきましょう。

企業名 サービス特徴 独自の強み 対応範囲
オープンロジ
  • 倉庫・出荷業務をクラウドで一元管理できる物流プラットフォーム
  • API連携で在庫管理・出荷指示を自動化
  • 料金形態がシンプル
  • 国内外EC対応
  • EMS・ヤマト国際宅急便などに対応
ロジグロ
  • 貿易コンサルと連携し、複雑な手続きも対応
  • インボイスなどの書類発行もship&coと連携しているので簡単に作成が可能
  • 世界120の国と地域に対応可能
Neologi
  • Shopify連携を強みとした越境EC対応の物流代行サービス
  • 越境対応に強い
  • 関税・配送コスト見積りをリアルタイムで実行可能
  • 日本国内から海外150の国と地域へ出荷可能

それぞれの会社について、詳しく解説します。

オープンロジ

オープンロジは、越境EC専用メニューを提供している物流アウトソーシングのプラットフォームです。出荷から配送に至るまでのさまざまな手続きに加え、在庫の保管に関するサービスも提供しています。

特徴的なのは、固定費0円・従量課金制を採用し、必要な分だけの利用で始められるシンプルな料金体系です。さらに、主要ECプラットフォームとのAPI連携により、受注から出荷までを自動化できる点も魅力です。

保管・出荷・梱包・多言語対応可能なCS代行サービスなど、必要なサービスを必要な分だけ利用できる「従量課金制」を採用しているほか、登録から出荷まですべてオンライン上で完結できるため、はじめて物流アウトソーシングを検討する方にもおすすめです。

参考:オープンロジ

ロジグロ

ロジグロは、特に海外配送に強みを持っているEC通販特化型物流代行サービスで、商品の保管やピッキング、梱包、出荷を一元的にサポートしています。

ロジグロでは、入出荷指示や在庫管理をオンラインで完結させることで、出荷業務を効率化しています。配送料金の最適化を図りつつ、低コストでの運営を支援するため、幅広い規模の越境EC事業者に対応可能です。

また、越境ECだけでなく国内ECや小規模・大規模配送など、さまざまな配送に対応可能です。

物流面での負担を軽減し、越境ECのスムーズな運営をサポートするため、特に国際配送を行う事業者にとって有力な選択肢といえるでしょう。

参考:ロジグロ

Neologi

Neologiは、越境ECや国際配送に特化した物流支援サービスを提供する企業です。複雑な物流業務を効率化するための包括的なアウトソーシングサービスを提供し、商品管理から発送、海外の顧客への配送まで一貫してサポートしています。

Neologiの強みは、特許取得済の容積計測技術などの最新のテクノロジーを活用した物流管理システムと、柔軟な運営支援です。特に、主要国や地域ごとに最適化された提携キャリアと配送ルートを活用し、現地通関や配送事情にも精通した物流ネットワークを構築しているため、迅速かつ確実に商品の配送を行うことができます。

さらに、注文管理や在庫管理、返品処理など、越境ECにおける様々な物流業務のサポートが可能です。配送業者と提携したスムーズな通関処理や関税管理にも対応しており、越境ECを始める際の課題をしっかりサポートしてくれます。

また、固定費は一切掛からず、配送個数に応じた完全従量の料金体系を採用しており、販売者にとって費用対効果の高い物流サービスを提供しています。

参考:Neologi

越境EC物流の配送会社を選ぶポイント 

越境EC物流の配送会社を選ぶポイントは以下の通りです。

  • 対応エリアの広さと配送実績
  • 配送スピードと安定性
  • コストパフォーマンスの高さ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

対応エリアの広さと配送実績

越境ECの物流パートナーの選定において最も重要な要素の一つが、対応エリアの広さと配送実績です。

良さそうな配送会社を見つけても、そもそも配送したいエリアが対象外であれば意味がありません。事前に配送会社の対応エリアを確認し、希望のエリアに対応しているかを確認しておく必要があります。将来的な事業拡大も考えて、対応エリアが広い配送会社を選ぶと安心でしょう。

また、その国への通関および配送経験が豊富かといった点も、スムーズな取引のために非常に重要です。各国の通関手続きに精通している業者や希望するエリアへの配送実績が豊富な業者を選ぶことで、予期せぬ遅延を防ぎ、サービスの質を向上させられます。

配送スピードと安定性

注文してから配達されるまでがスピーディーだと、顧客満足度の向上につながります。海外に複数の拠点を持ち、主要国への平均到着日数が短い物流会社を選べば、配送時間の短縮が見込めます。

しかし配送スピードだけでなく、予定通りに荷物が届く確率(納期遵守率)の高さといった配送の安定性も越境ECにおいて重要です。追跡精度の高い物流サービスを採用すれば、顧客自身が商品の配送状況をリアルタイムで把握することもできるので、顧客対応の負担も軽減されます。

コストパフォーマンスの高さ

商品価格や利益率に大きな影響を与えるのが、コストパフォーマンスの高さです。

まずは、依頼する会社の重量やサイズごとの料金体系が明確であるかを確認しましょう。透明性の高い料金体系を採用している会社を選ぶことで、予算超過のリスクを減らすことができます。加えて、関税・通関手数料・燃料サーチャージ・保険料などの付帯コストがきちんと提示されているかも事前に確認しておくとよいでしょう。

コストパフォーマンスを判断する際は、「単価の安さ」だけでなく、納期や安定性、付帯サービスの内容を総合的に比較することが大切です。

国内ECと異なる越境ECの注意点 

国内ECと異なる越境ECの注意点は、以下の通りです。

  • 国ごとに異なる法規制に対応しなければならない
  • 多言語に対応可能な体制を整える必要がある
  • 返品に関するルールを事前に決めておくことが重要

それぞれ詳しく見ていきましょう。

国ごとに異なる法規制に対応しなければならない

越境ECをスタートする場合は、ターゲット国ごとの法律や配送ルールを正しく把握する必要があります。物流のルールや通関手続き、禁制品リストなどは国ごとに異なるため、事前にチェックしておきましょう。

特に、食品や化粧品などの輸出には特別な許可が必要な場合が多いです。これを無視すると商品が差し押さえられたり、受取拒否される場合があります。

配送トラブルを未然に防ぐためにも、国ごとの法律やルールを事前に確認しておきましょう。

多言語に対応可能な体制を整える必要がある

越境ECを始めるときに準備すべきことの一つが、多言語対応の体制です。

多言語対応の体制を整えるには、通訳スタッフを雇うことが望ましいですが、それが難しい場合は、精度の高い翻訳ツールや多言語チャットサポートを導入し、一定レベルの対応ができる環境を整えることが重要です。また、単なる翻訳だけでなく、文化や商習慣に配慮した表現やサポート体制を整えることで、顧客満足度やブランド信頼度の向上が期待できます。

返品に関するルールを事前に決めておくことが重要

越境ECを始めるときは、事前に返品に関するルールも決めておきましょう。実は、商品の返品に関するルールは国ごとに大きく異なります。

たとえば無料の返品可能期間について、中国では「7日以内」、アメリカでは「30日程度」など国によって標準とされる期間はさまざまです。また、開封後でも返品を受け付ける国もあれば、開封後の返品を認めない国もあります。

こうした国ごとの違いを理解しておかないと、返品トラブルのリスクが高まるのです。返品可能な期間・理由・商品の状態・送料負担の有無などを自社ポリシーとして明確に定義し、利用規約や商品ページに記載しておくことで、顧客の理解を得やすくなるでしょう。

越境EC物流の課題と解決策

越境ECにおける物流プロセスの課題と、その解決策を紹介します。

  • 発送に関する書類作成の負担が大きい
  • 顧客対応が難しい
  • 配送日数が長く顧客満足度が下がりやすい
  • 送料が高額で利益率が下がりやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

発送に関する書類作成の負担が大きい

越境ECを始めるときは、さまざまな種類の複雑な書類を作成する必要があります。たとえば、梱包リストや商業送り状、輸出許可証など国内ECには必要のない書類も作成しなければなりません。

また、書類不備が発生した場合は、修正版の作成や再提出が必要となり、出荷遅延の原因にもなります。

このような複雑な書類の対応が難しい場合は、専門のサービスを活用しましょう。

futureshopと提携しているBuyeeConnectでは、越境ECにおける複雑な手続きをすべて委任することができます。国内ECと同様のオペレーションで海外ユーザーに商品を届けることができるため、越境ECが初めての場合でも安心です。

複雑なオペレーションの負担を軽減したい場合は、ぜひBuyeeConnectをお試しください。

顧客対応が難しい

越境ECを始めるときに立ちはだかる壁の一つが、多言語での顧客対応です。海外顧客の対応は、文化的な違いや言語の壁、時差の影響によって、適切な対応が難しいこともあります。

顧客からの問い合わせやトラブルが発生した際に適切な対応ができなければ、顧客満足度が大きく低下します。

これらの課題を解決するには、越境ECの多言語対応をサポートするサービスの利用が効果的です。

たとえば、futureshopが提携しているWorldShoppingBIZでは、多言語での顧客対応をまるごと委託することが可能です。国際配送や決済管理のサポートも提供しているため、越境ECにおける負担を大幅に軽減できるでしょう。

配送日数が長く顧客満足度が下がりやすい

越境ECにおいて、商品の到着が遅れることはクレームにつながります。また、配送状況が追跡できない場合、顧客は不安を抱き、クレームやキャンセルにつながるリスクが高まります。

このようなトラブルを防ぐには、スピードと透明性を両立できる配送手段の確保が重要です。たとえば、配送業者が提供する速達サービスを活用することで、配送日数を短縮できます。

また、追跡情報を活用し、発送から到着までの進捗をメールやSMSで顧客に通知する仕組みを導入すれば、顧客の不安を軽減することができます。

越境ECにおいて、顧客満足度を向上するには、専門サービスを積極的に活用することが大切です。

送料が高額で利益率が下がりやすい

越境ECの送料は、商品の原価よりも高くなることが多いため、利益率を圧迫することがあります。しかし、送料を商品価格に上乗せすると、競合との差別化がはかりにくくなるという問題が発生します。

越境ECの送料コストを抑えるためには、配送会社やプランを見直すことが重要です。軽量便や船便を活用したり、荷物をまとめて配送したりすることでコストを削減できます。

また、現地に在庫を置く「現地フルフィルメント」を導入すれば、国内配送並みのコストで発送できるため、送料を抑えることができます。さらに、送料別価格と送料無料の両方を出し分けて、顧客に選択肢を提供することで、より柔軟に対応することが可能です。

たとえば、単品購入時は送料を別に設定し、商品価格を抑えて表示することで「この値段なら試してみよう」と思わせる効果が期待できます。一方で、一定金額以上の購入や複数商品をまとめて購入した場合は送料無料にし、「どうせならもう1点追加して送料無料にしよう」という動機付けにつなげられます。

越境ECの開始を検討しているならfutureshopにご相談ください

越境ECの導入を検討している方は、futureshopにご相談ください。futureshopは越境ECのスタートに最適なサービスと提携しています。

futureshopが提携しているWorldShopping BIZは、多言語対応や海外決済、そして海外配送の委託が可能なサービスです。これにより、顧客の言語に合わせたサービスや海外からの支払い、配送方法をスムーズに統合でき、全世界をターゲットにしたオンラインショップ運営が可能になります。

さらに、JavaScriptタグを1行追加するだけで、世界228の国と地域に向けた海外販売に対応できます。futureshopユーザーは無料で利用可能なので、ぜひチェックしてみて下さい。

また、futureshopでは、ZenLinkといった他の越境EC向けサービスも提供しています。ZenLinkは、世界中の主要なECプラットフォームと連携できるサービスです。

これらのツールを活用すれば、越境ECの実現が簡単で効率的に行えます。

越境ECに関する疑問や不安がある方には、futureshopのオンラインコンサルティングサービスもおすすめです。経験豊富なECコンサルタントが、さまざまな悩みや課題に対してアドバイスを提供します。

越境ECの成功に向けて、futureshopがしっかりサポートしますので、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

越境ECの成功には、物流の安定性やコスト管理、そして顧客満足度を高めるための戦略が欠かせません。事前に配送方法をしっかりと決め、国際配送に必要な書類や手続きを理解することが重要です。

また、多言語対応や配送スピード、送料の最適化を行うことで、顧客にとって魅力的なサービスを提供できます。越境ECをスムーズに始めるためには、futureshopのような多機能なプラットフォームと提携し、サポートを活用することが成功への近道です。

物流面での負担を軽減し、越境ECをスタートしましょう。