ECの未来はどう変わる?CES2019で発表された注目のAI・EC最新技術を確認!

最新電子機器の見本市と言われているCES(Consumer Electronics Show)は、ラスベガスで毎年1回、1月に開催されています。

CESは最新電子機器・家電のイベントであり、世界中から注目を浴びるビッグイベントのひとつで、特に自動車業界においては自動運転の最新車種のお披露目会にもなっています。

近年では5G、AI、AR、VR、 スマートシティ、スポーツ、ロボティクスなどがホット・トピックとなっています。

今回の記事では、2019年のCESで発表されたものでECやAIに関連するニュースについてまとめたいと思います。

車のダッシュボードからドライブスルー商品を注文できるDashero

Dashero(ダシェロ)はTribal Scale社が発表したAIドリブンの注文システムで、車のダッシュボードに搭載すると音声のみドライブスルー対応の店舗で事前に注文することができます。

走行中に音声のみで注文ができるため、スマホを操作する危険運転を減らす効果も期待でき、ドライブスルー対応店舗の混雑も解消できます。
CESの会場ではFord社のブースで紹介されていました。

使い方は簡単。

  1. “Hi Ford”と呼びかけることで注文システムが起動。
    その後“Order me a Latte(ラテを注文して)”と言うとコーヒーショップのラテが数量、金額とともに表示されます。
  2. 注文内容に問題がなければ“Yes”で支払い画面に遷移。
    事前に登録したクレジットカードのPINコードを口にするだけで決済までが完了した状態に。
  3. 決済まで完了すると店舗までのナビが表示され、到着予定時間と受取り場所まで表示されます。

注文システムの動き方は以下のデモ動画にて公開されています。

参考:Vimeo

今のところドライブスルーで軽食などの注文に向いているDasheroですが、このようなシステムがさらに発展すると、CostcoやWholefoodsなど売場面積の大きい巨大ショッピングセンターでの買い物がより楽に、便利になるかもしれません。

例えばすでに購入するものが決まっている場合、車の中で注文を確定し、あとは店舗で気になっている商品を実際に見て購入するかどうか決めるという買い物方法も出てくるかもしれません。

このような方法が実現すれば、来店客の買い物時間を節約させることにつながり、特に車が混むショッピングセンターなどの駐車場の混雑も解消されるでしょう。

参考:Dashero

没入型アプリケーション作成をより簡単にするBYOND

BYONDはイスラエルに本社を置くIT企業で、ビッグデータ解析やビジュアライゼーション、ECサイト、3D、ファッション&小売テック、VR、AR、体験型小売に強みがあります。

CES2019で発表したのはAR、VR、360°の没入型アプリケーションを用いたショッピング体験をWebブラウザベースで使うことのできるツール

同社のデジタルマーケティングツールは、「デジタルショールーム」と「バーチャル・ストア」の2種類があります。
デジタルショールームでは平面の、バーチャルストアでは立体感のあるコンテンツを作ることができます。

どちらのツールも複雑なプログラミング知識やプログラマが必要なく、コンテンツ作成ではファイルをドラッグ&ドロップするというシンプルな操作で完了させることができます。

Eコマースはもちろん、デジタルショールームやスポーツ、旅行、エンターテインメントといった様々な業界での活用が期待されています。


参考:Youtube
参考:BYOND

JD.comが発表した自動配送ロボット

画像出典:Youtube

中国の巨大ECサイトのひとつであるJD.comは、中国の長沙市と内モンゴル自治州のフフホト市の2箇所にドローンとロボティクス配送を見据えた配送センターを準備中です。

一度に30個の荷物を運ぶことのできる自動運転ロボは、半径5km以内で障害物を避けたり信号を認識しながら走行することができます。


参考:Youtube

この二箇所の配送センターにおいて自動配送ロボを5割、人力を5割で運用した場合、1日で2,000個の荷物のハンドリングが可能で、JD.comの独自配送ネットワークは中国の人口の99%をカバーすると言われています。
また90%以上の同日もしくは翌日配送に対応できるとのことです。

配送のリードタイム短縮化と効率化はECサイトが抱える大きな課題であり、JD.comだけではなくAmazonやアリババなどの巨大ECサイトも同じ課題に対して巨額の設備投資や研究を行なっています。
2020年のCESでも配送に関する最新技術が発表されることでしょう。

参考:JD.com

オンラインとオフラインをつなぐ可能性も? Vusix Blade

画像出典:Amazon

Vusix Blade(ビュージックス・ブレード)は一見普通のメガネのように見えますが、Amazon AlexaやGoogleアシスタントとペアリングすることで音声検索をすることができるバーチャルグラスです。
CES2019ではイノベーション賞を受賞しました。

Vusix Bladeは音声検索によってユーザの欲しい情報をメガネのレンズに映し出すことができ、天気・ニュース・交通状況・SNSなど利用方法は様々です。

バーチャルグラスは運転中や運動中、手が離せない用事をしているときなどにハンズフリーで用いることができるため、スマホやPCなどで操作をする煩わしさから解放されるという利点があります。

Vusix Bladeの活用事例 mercariR4Dとの共同開発

日本でおなじみのフリマサイト、メルカリの研究チームである「mercariR4D」と共にVusix Bladeを用いた実証実験を行なっています。

実験の内容は、街中での買い物で気になった商品を発見したときに指をさすと、メルカリで販売されている同じ商品をレンズ上に表示させることができます。
さらに、商品が気になった場合は親指を立てる動作をすることでVusix Bladeは「いいね」ボタンを押したと認識し、ユーザは後から商品を購入するかどうか決めることができます。
スマホを触ることなく、シンプルな動作で退屈な商品検索にかかる時間を短縮することができます。


参考:Youtube

以下の記事はメルカリ4DX開発者が執筆しており、メルカリのこの実験は「ジェスチャー」と「画像検索の仕組み」、「デザイン」の3つのキーワードに基づいて開発が行われているとのことです。

参考:mercari

メルカリとVisux Bladeの活用方法から学べることは、これからECサイトと実店舗をうまく連携させ、ユーザにオンラインとオフラインの垣根をなくした快適な買い物体験を与えることでしょう。
店舗で見つけた商品をオンラインで販売されている同一もしくは類似商品とその場で比較・検討することで、ユーザはより納得のいく買い物をできるようになるかもしれません。

オムニチャネルマーケティングを簡素化した SuperUp

最後に、SuperUp(スーパーアップ)という企業が提供しているオムニチャネルマーケティングプラットフォームについて紹介したいと思います。

SuperUpはCES2019には参加していませんが、同年にニューヨークで行われた小売業界のイベント「National Retail Federation(NRF) Expo(リンクは2020年版サイト。2019年開催の様子もご覧いただけます)」で上記のBYONDと共に紹介されていました。

SuperUpは主にスマホ向けのECマーケティングツールで、音声検索やAIによるリアルタイムのパーソナライズド・レコメンド機能、直感的な操作を組みわせることでストレスのない買い物環境をユーザに与えます。

SuperUpのユーザーフレンドリーなマーケティングツールは企業にとっても良い効果をもたらします。
買い物中に商品に関する広告や活用動画などが自動で出てくるため、より消費者に商品が魅力的にうつり、コンバージョンにつながりやすいというメリットがあります。

画像出典:SuperUp

文字での検索もできますが、音声検索により即座に商品検索ができ、スワイプやタップで直感的な操作ができることがわかります。

参考:SuperUp

2020年のCESで注目すべきトピックとは?

CES2020の参画企業はまだ発表されていないためまだわかりませんが、EC担当者が注目すべきトピックとしては今回取り上げたBYONDのようなVR、ARを用いたオンラインショッピングツール、スマートグラス、AI、音声検索、顔認証/生体認証技術、SuperUpのようなオムニチャネルマーケティングツールなどです。

ファッションや美容関連ではARで商品を試着できるスマートミラーやスマホ向けのアプリに注目すると良いかもしれません。

また、JD.comのような配送に関する自律運転ロボットやドローンでの配送の最新技術も注目すべきでしょう。

上記に挙げたトピック以外で予想できないような最新技術も発表されるかもしれませんので、2020年のCESにも期待が高まります。


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