「ChatGPTのショッピング機能が気になる」「AIをEC事業に活用したい」
上記のように、ChatGPTのショッピング機能が気になっている方もいるでしょう。ChatGPTは、文書生成やアイディア出し以外に、ショッピング機能が搭載されています。
本記事では、ChatGPTのショッピング機能について、弊社が運営するEコマースch(YouTube)で発信した内容をまとめています。
EC事業者目線のメリットや、ショッピング機能の活用方法も紹介しているので、ChatGPTやAIを活用したいEC事業者はぜひご覧ください。また、futureshopでは、EC事業に関する動画コンテンツを掲載しています。AI技術についても発信しているため、興味のある方はぜひご覧ください。
目次
ChatGPTのショッピング機能とは?
ChatGPTのショッピング機能とは、2025年4月28日、OpenAIがリリースしたサービスの1つです。従来のインターネット上でのショッピングは、ユーザーが欲しい商品のKWを検索して商品を探すのが一般的でしたが、ChatGPTのショッピング機能では、対話するだけで欲しい商品を見つけられます。
まずは、ChatGPTのショッピング機能の概要を3つに分けて解説していきます。
提案された商品の画像が表示される
ChatGPTのショッピング機能では、AIがユーザーの質問や興味に基づいて提案する商品を、画像付きのカルーセル形式で表示できます。カルーセル形式とは、オンラインショップを見ているかのように、左右にスライドしながら画像を見られる仕組みです。
テキスト情報だけでなく視覚的な情報も同時に提供されるため、ユーザーは商品をより具体的にイメージしやすくなります。まるで実店舗で商品を見ているかのような感覚で、スムーズに商品を検討できるのが大きなメリットです。
とくに、視覚的に訴える表示方法は、ファッションやアクセサリー、家具などデザイン性の高い商品に効果的です。
こちらの内容については、冒頭で紹介した動画にてfutureshopの安原が紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
複数サイトの価格とレビューを比較できる
複数サイトの価格やレビューを一括で比較できるのもChatGPTのショッピング機能の特徴です。従来のオンラインショッピングでは、複数のサイトやレビューサイトを自分で検索し、それぞれを検討する必要がありました。
しかし、ChatGPTのショッピング機能では、AIが複数のECサイトから商品の価格情報やユーザーレビューを一括で収集し、比較表示してくれるため、ユーザーは効率的に商品の検討ができます。EC事業者としては、顧客の購買行動をスムーズにし、機会損失を防ぐうえで有効な機能といえます。
チャットで商品に対する疑問を解決できる
ChatGPTのショッピング機能で画像や価格、レビューを確認してもなお、商品に対する疑問や不明点が残ることもあります。ChatGPTのショッピング機能では、ユーザーはチャットを通じてAIに直接質問を投げかけ、疑問をリアルタイムで解決できます。
商品の仕様や使い方、在庫状況など、多岐にわたる質問に対してAIが迅速かつ的確に回答するため、ユーザーは疑問を解消したうえで安心して購入に進むことが可能です。迅速に回答をもらえるため、ユーザーの購買意欲が低下するリスクも軽減できます。
【事業者目線】ChatGPTのショッピング機能のメリット
ChatGPTのショッピング機能は、ユーザーが便利に買い物をできるだけでなく、以下のような事業者目線のメリットもあります。
- 新しい販売チャネルの確立
- 広告費に依存しない公平な商品発見の機会を得られる
- ニッチな専門商材の露出を強化できる
- 越境EC・グローバル展開を加速させられる
事業者目線のメリットを詳しく見ていきましょう。
新しい販売チャネルの確立
ChatGPTのショッピング機能は、従来のECサイトやSNS広告といった一方的な情報発信型のチャネルとは異なり、AIとの会話を通じた新たな顧客接触ポイントを確立できます。
ユーザーが商品に対して疑問を抱いたり、ニーズに合った商品を相談したりする会話の流れの中で、最適な商品を提案し、購入へと誘導することが可能です。
実店舗で販売員が顧客1人ひとりに寄り添うような体験をデジタル上で提供できるのがメリットといえます。従来のマーケティング手法ではアプローチが難しかった層にもリーチできる、画期的な販売チャネルとなるでしょう。
広告費に依存しない商品発見の機会を得られる
ChatGPTのショッピング機能を活用すれば、広告費に依存せず公平な商品発見の機会が広がるのもメリットです。
現在のEC市場では、広告やSEO対策の費用に応じて、商品の露出度や売上を大きく左右する傾向にあります。しかし、ChatGPTのレコメンド機能は、AIが商品の適合性、レビュー評価、ユーザーの具体的な要望などを総合的に評価して最適な商品を選定します(2025年7月時点)。
そのため、多額の広告費を投じているかどうかに関わらず、商品の本質的な価値やユーザーとの適合性に基づいて上位に表示されるチャンスが生まれるのが特徴です。中小規模のブランドや新興ブランドにとって、資金力に左右されずに優れた商品をユーザーに発見してもらえると期待されています。
ただし、OpenAIと一部のパートナー企業との連携により、製品フィードを直接送信できる仕組みが試験的に導入されているケースもあり、今後は仕様が変更される可能性がある点にも留意が必要です。
ニッチな専門商材の露出を強化できる
従来の検索エンジンやECサイトの検索機能では、ユーザーが具体的なキーワードを入力しない限り、ニッチな商品や専門性の高い商材が埋もれやすい傾向にあります。
しかし、ChatGPTのショッピング機能では、「◯◯に悩んでいる」「こういう特徴の商品がほしい」といった“言葉になりきらないニーズ”を自然な文章で投げかけることができます。そしてAIは、その要望の背景や文脈をくみ取って、従来のキーワード検索では見つからなかったような、ニッチかつユーザーの課題にマッチする商品を提案することが可能です。
このような仕組みにより、特定の用途に特化した商品や、まだ広く知られていない専門商材でも、ユーザーのニーズに合致すればレコメンドされるチャンスが高まります。特定の課題解決に特化したプロダクトや、一般的な認知度が低い商品は、ChatGPTのショッピング機能の恩恵を受けやすいでしょう。
越境EC・グローバル展開を加速させられる
ChatGPTは、多言語に対応しているため、ショッピング機能を用いて、越境EC・グローバル展開を加速させられるのがメリットです。EC事業者が商品フィードを英語だけでなく、スペイン語や中国語、フランス語など多言語に対応させることで、広告出稿なしで世界中のユーザーからの流入を得られる可能性が高まります。
海外のユーザーは、ChatGPTで母国語で質問や相談ができるため、言語の障壁を感じることなくショッピングを楽しめます。これまで費用や手間が課題で難しかった越境ECやグローバル展開が、より手軽かつ効率的に加速され、新たな海外市場を開拓する大きなチャンスとなるでしょう。
ChatGPTショッピング機能がもたらす影響
ChatGPTのショッピング機能が普及することで、ECサイト業界に以下のような影響をもたらす可能性があります。
- SEOだけでなくAI最適化(AIO)も求められるようになる
- 製品フィードを直接ChatGPTに送信できるようになる
- 今まで以上に顧客からのレビューが重視されるようになる
それぞれの影響について詳しく解説していきます。
SEOだけでなくAI最適化(AIO)も求められるようになる
従来のECサイト集客において重要だったのは、Googleなどの検索エンジンで上位表示を目指すSEOでした。しかし、ChatGPTのようなAIが商品検索やレコメンドを行うようになると、単なるSEOだけでは不十分になります。そこで必要になることが、AIに「理解されやすい」商品情報提供で、それがAI最適化(AIO)になります。
AIがLLM(大規模言語モデル)の学習ソースとして商品情報を活用するためには、商品やエンティティを高めることが必要とされています。ECサイト内の小手先の対策だけでなく、オフラインでの広報活動や営業活動にも力を入れ、ブランドや商品の認知度を高めていかなくてはなりません。
製品フィードを直接ChatGPTに送信できるようになる
現在、ChatGPTが商品を提案する仕組みは、おもにWeb上をAIが巡回して学習することで商品情報を獲得します。しかし、OpenAIは将来的に、小売業者が製品フィードを直接ChatGPTに送信できる仕組みを検討しているといわれています。
この仕組みが実現すれば、EC事業者はより正確な商品情報をAIに直接提供できるようになり、検索結果やレコメンドの精度をさらに高めることが可能になるのです。商品の特徴や在庫状況、価格変動などもリアルタイムでAIに反映させられ、顧客への提案の質を向上させるとともに、販売機会を最大化できると期待されます。
今まで以上に顧客からのレビューが重視されるようになる
ChatGPTのショッピング機能がユーザーに商品提案を行う際、商品説明に加え、レビューや評価を判断材料とします。そのため、EC事業者にとっては、今まで以上に顧客からのレビューを集め、ポジティブな評価を積み重ねていくことが重要になります。
質の高いレビューは、AIによるレコメンドの対象となる可能性を高めるだけでなく、最終的な顧客の購買意思決定にも大きな影響を与えるため、レビュー獲得も意識しましょう。
ChatGPTのショッピング機能を活用する方法
ChatGPTのショッピング機能がもたらす影響で紹介した通り、EC事業者が商品フィードを送信できるようになったり、新たな機能が搭載されたりする可能性があるため、活用方法については随時確認するのがおすすめです。
ここでは、2025年6月時点でのChatGPTのショッピング機能を活用する方法を紹介します。
商品情報を正確にECサイトへ掲載する
現段階では、Googleの検索エンジンにEC運営者が商品情報をアップロードする機能は搭載されていません。そのため、ChatGPTがECサイトの商品を認識し、ユーザーに提案できるようにするためには、ECサイトに掲載する商品情報を、正確かつ詳しく記載する必要があります。
ChatGPTのショッピング機能を活用したいEC事業者は、以下の項目が正確に記載されているかを確認しておきましょう。
- 商品名
- 商品説明文
- カテゴリー・タグ
- 価格(税込みか税抜きかを明記する)
- 画像(できるだけ高解像度で1枚以上掲載する)
ChatGPTが商品情報を「見つけやすく」「理解しやすい」ようにすることで、AIによるレコメンド対象となる可能性を高められます。
ChatGPTに掲載されているか確認する
ECサイトの商品がChatGPTのショッピング機能でどのように認識され、ユーザーに提案されているかは、ユーザーと同様の手段で確認しましょう。ChatGPTに対して「おすすめの〇〇(自社製品)はある?」と具体的な質問を投げかけ、ECサイトの商品がレコメンドの対象として表示されれば、AIが情報を認識している状態です。
もし表示されない場合は、商品情報の記載内容を見直したり、サイト構造を改善したりするなど、AIが情報を取得しやすいように調整しましょう。定期的に確認作業を行い、状況に応じた改善を重ねていくことが、ChatGPTショッピング機能活用の鍵となります。
※ChatGPTのショッピング機能は、OpenAIによって段階的に提供されている試験的な機能です(2025年7月時点)。すべてのユーザーに同じ表示がされるわけではありません。
futureshopではChatGPTをはじめ様々なセミナーを開催しています
futureshopでは、ChatGPTやAIの活用法に焦点を当てたさまざまなセミナーを開催しています。直近では、ChatGPTを用いてSEO対策を効率化するための、プロンプト作成や操作方法に関するセミナーを開催しています。
こちらの内容については、冒頭で紹介した動画にてfutureshopの安原が紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
ECサイト×AIに関するセミナーに興味がある方は、ぜひ以下ページもあわせてご覧ください。
またfutureshopでは、セミナー以外に動画コンテンツも多く掲載しています。AIジャンルをはじめ、近年注目を集めているTikTokや越境ECなどの幅広い情報を扱っているため、ぜひご覧ください。
まとめ
ChatGPTのショッピング機能は、商品の画像表示や複数サイトの価格・レビュー比較、チャットを通じた疑問解決など、ユーザーにとっての利便性向上をもたらします。事業者目線では、新しい販売チャネルの確立や、グローバル化を加速できる点がメリットです。
futureshopでは、AI技術の活用に関するセミナーや動画コンテンツを多く展開しており、EC事業者をサポートを行っています。積極的にAIに関する情報を収集することで、よりEC事業の成長を期待できるでしょう。