定期販売、始めないともったいない。売れる機能10選と成功事例6社
- 2025.10.22
2025.10.22
「顧客獲得コストが高騰して、新規顧客が取れない」「リピーターを増やしたい」──そんな課題を感じているEC事業者さまは、定期販売が解決のカギになるかもしれません。
この記事では、定期販売を無理なく始めて、売上アップにつなげる方法について、futureshopの機能と導入事例を踏まえて分かりやすく解説します。
スイーツやクラフトビール、ワイン、食品、化粧品、切り花など、さまざまな店舗さまが自社ECで定期販売を成功させている方法とは?
定期販売でリピーターを増やし、売上を伸ばすヒントを掴んでください。
本稿では定期販売と頒布会をまとめて「定期販売」として解説しています。なお、定期販売と頒布会を分けて解説する際は次のように定義しています。
- 定期販売:同じ商品が定期的に届く
- 頒布会:異なる商品が定期的に届く
目次
なぜ今、定期販売に注目が集まっているのか
定期販売は通販やECで広く活用されているビジネスモデルです。その歴史は古く、70年以上前の1954年に株式会社千趣会が、こけしの頒布会を手がけていたという記録もあります※1。このように長い歴史のある定期販売が今、EC業界であらためて注目を集めているのは、なぜでしょうか。主な理由として次の2つがあります。
- 広告費が高騰し、新規顧客の獲得コストが上がっている
- エンゲージメント強化やファン化の重要性が増している
※1 出典 株式会社千趣会「千趣会の歩み」
広告単価高騰などで新規顧客の獲得コストが上がっている
昨今のEC業界では、リスティング広告で人気キーワードの入札単価が高騰するなど、新規獲得コストが上昇しています。その解決策として、既存のお客さまと長期的な関係性を築き、商品を買い続けてもらう定期販売にあらためて注目が集まっています。
定期販売の会員数が増えると、ネットショップのリピート売上高の比率が高まります。その結果、新規顧客獲得のための広告やキャンペーンへの依存度が下がり、新規顧客獲得コストを抑制することができます。
「1:5の法則」(新規顧客の獲得には既存顧客の5倍のコストがかかるという経験則)を説明するまでもなく、既存のお客さまが商品を買い続けてくれれば利益率が上がることは直感的に理解できるでしょう。
定期販売のポイント 1
- 会員数に応じて売上高が安定する
- LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)が向上して利益率が上がる
顧客エンゲージメント強化やファン化の重要性が増している
新規顧客の獲得コストが上昇するなかで、リピーターを増やすことの重要性は一層高まっています。そのことも定期販売の価値が再評価されている理由の1つです。
単純接触効果(ザイオンス効果)で知られるように、人間は接触回数が増えるほど対象への好意や親しみが高まると言われています。ECにおいても、お客さまが商品を繰り返し使ううちに、その商品やショップに親しみが湧き、いつの間にか手放せなくなることは珍しくありません。
また、日常的に使っているショップは第一想起(消費者が特定のカテゴリで商品を探すときに最初に思い浮かべるブランド・製品・お店のこと)にもなりやすいでしょう。
このように、お客さまと継続的にコミュニケーションを図る定期販売は、お店のファンを増やすことにもつながるのです。
お客さまをファン化するには、ネットショップのスタッフさんがお客さまにお礼の手紙を書いて商品に同梱するなど、商品が定期的に届くという特徴を活かしたコミュニケーションが効果的です。
定期販売のポイント 2
- 顧客エンゲージメントの強化につながる
- お店のファンが増える
定期販売のよくある誤解「うちの商品は定期販売に向かない」
定期販売のよくある誤解は「うちの商品は定期販売に向かない」というものです。
かつてはECの定期販売と言えば、ダイエットサプリやニキビケア化粧水、頭皮ケアシャンプーなど、商品を使い続けることで悩みを解決するコンプレックス商材の単品リピート通販が主流だった時代もありました。
しかし現在は単品リピート通販以外にも、日用品・食品など日常的に使うものや、化粧品やサプリメントのように継続的に消費するもの、さらにはお酒やスイーツといった嗜好品まで、さまざまな商材の定期販売が行われています。
後ほど事例でも紹介しますが、futureshopを利用中の店舗さまも、食品やスイーツ、ワイン、クラフトビール、化粧品、切り花など、さまざまな商材の定期販売を行い、売り方やショップの見せ方を工夫することで売上を伸ばしています。
- 食品
- スイーツ
- クラフトビール
- ワイン
- スキンケア化粧品
- アパレル
- 切り花
- 健康食品・サプリメント
- 詰め替え商品(シャンプーなど)
「仕組みを作るのが難しそう」という誤解
定期販売でよくある誤解の2つ目は「仕組みを作るのが難しそう」というもの。たしかにECシステムを改修して定期販売の機能を実装する場合、多額の開発コストや手間がかかります。
しかし、futureshopの「定期購入・頒布会オプション」を活用すれば、店舗さまはシステムの個別開発を行うことなく、定期販売を簡単にはじめることが可能です。
定期販売を行うには、例えば以下のような機能が必要ですが、futureshopの「定期購入・頒布会オプション」はこれらすべてを網羅しており、初期費用無料、月額5000円で利用することができます。futureshopなら総合通販を行いながら定期販売を行うことも可能です。
【販促】
定期販売の注文処理/定期販売の価格設定/キャンペーン/初回サンプル/分析
【決済】
毎月の自動決済/クレジットカードの更新
【配送】
お届けサイクルの変更/お届け日指定/お届け曜日指定
【解約】
申込解約フォーム/解約理由選択
定期販売の売上UPにつながる機能10選(futureshopの機能)
定期販売の顧客獲得や売上アップにつながる機能について、futureshopの機能から10種類をピックアップして解説します。
柔軟な価格設定 / キャンペーン / サンプル / メールマガジン / 会員ステージ / 分析/ 選べる定期決済 / クレジットカードの自動更新 / お届けサイクルの変更 / 次回お届け日の変更
【販促】
1.柔軟な価格設定
「初回は特別価格」「12回コースの契約で割引適用」など、定期販売の価格を柔軟に設定し、お得感を訴求することができます。
2.キャンペーン
「送料無料」「ポイント付与率アップ」など、各種キャンペーンで新規会員を獲得できます。
3.サンプル
定期販売を契約した会員に、初回のみサンプルを届けて、2回目以降は通常の商品に切り替える(サンプルが気に入らなかったら定期コースを解約できる)ことで、定期販売を契約する心理的ハードルを下げることができます。
4.メールマガジン
通常会員を定期販売に引き上げたり、定期会員の継続率を高めたりするには、お客さまの状態に合わせてコンテンツを出し分けるメールマガジンが効果的です。
5.会員ステージ
購入実績に応じてポイント付与率が上がる「会員ステージ」を活用することで定期会員の継続率を高めることができます。
6.分析
分析機能を活用して、全顧客における「リピート」に関する推移や分布・商品ごとのレポートをワンクリックで見える化し、マーケティングに活かすことができます。
【決済】
7.選べる定期決済
クレジットカードやAmazon Payでの自動決済により、購入時の離脱と継続時の支払い漏れを防ぎ、安定した売上へと繋げます。
8.クレジットカードの自動更新
会員のクレジットカードの有効期限が切れた場合に、自動更新することで決済エラーを防ぎます。※決済代行サービスプロバイダ側で処理を行います
【配送】
9.お届けサイクルの変更
配送の頻度を毎月・2ヶ月ごと・3ヶ月ごとなど任意に設定することができます。会員のマイページでお届けサイクルの変更や、次回のお届けをスキップ(お休み)を選択することも可能です。
10.次回お届け日の変更
次回お届け日を会員のマイページから変更できます。ライフスタイルや生活環境の変化に合わせてお届けサイクルや次回お届け日を変更できるようにすることで、定期購入の継続率アップが期待できます。
店舗さまの声から生まれた機能アップデート
「定期購入・頒布会オプション」は、利用中の店舗さまから頂いたフィードバックを機能開発に反映するなど、定期的にバージョンアップを行っています。直近で実施した「マイページ機能」のアップデートでは、ECサイトの会員さまがマイページでお届けサイクルや次回お届け日を変更できるようにしました。
このバージョンアップによって、お客さまの利便性が高まるとともに、店舗さまは配送設定を手動で変更する負担がなくなりEC運営の業務効率アップにもつながっています。
futureshopの「定期購入・頒布会オプション」は、店舗さまとお客さまの双方に寄り添ったバージョンアップを続けています。
定期販売の売上を伸ばす4つの施策
定期販売で売上を伸ばす施策を紹介します。キーワードは「契約前の安心感」「特別感の演出」「体験価値の提供」「潜在ニーズの掘り起こし」です。
契約条件を明示して安心感を高める
定期販売の契約を検討している消費者は、「契約期間に縛りはあるか」「お届けサイクルを変更できるか」「次回のお届け回をお休み(スキップ)できるか」といったことが気になるものです。解約や配送などの条件について、商品ページや注文確認画面などで分かりやすく説明し、安心感を高めることが大切です。
なお、2022年6月施行の改正特定商取引法によって、契約期間に縛りがあることを注文確認画面で目立たないように表示するなど、消費者を誤認させる販売方法は明確に禁止されました。
法律を遵守することは当然として、消費者が安心して買い物ができるネットショップを作るためにも、契約条件を分かりやすく表示することを心がけてください。
【参考記事】
ECに新たな表示ルール。特商法改正の影響と対応方法とは?(2022年6月施行・特定商取引法・預託法の改正)
優待サービスで特別感を演出
定期購入のお客さまに対して、継続特典・誕生日特典・限定コンテンツ・お礼のメッセージなど、優待サービスを提供すると、顧客エンゲージメントが高まり継続率を上げることができます。なお、futureshopはメルマガ機能、ポイント機能、会員ステージ機能、クーポン機能など、ファン化を促進する多彩な機能を備えています。
「体験を届ける頒布会」という選択肢
異なる商品を定期的に届ける「頒布会」は、お客さまに“ワクワクするような買い物体験”を提供することが成果を上げるポイントです。
例えば、ソムリエが厳選したワインを月替わりで届ける「中身おまかせ」や、旬の果物を産地から直送する「季節のお楽しみ」など、専門店ならでの提案力や目利きの力を活かして体験価値を提供すると顧客満足度の向上につながります。
「多品目の定期販売」で潜在ニーズの掘り起こし
商品ラインナップが充実している店舗さまは「多品目の定期販売」で顧客エンゲージメントを高めることができます。例えば、肌トラブルなどの悩みを持ったお客さまに向けて、フェイシャルケア商品の定期販売を行っている店舗さまがいたとしましょう。その店舗さまがアロマ製品・ボディケア製品・美容サプリなどを定期販売の商品に加えた上で、心身のトータルケアをお客さまに提案すると、「肌だけでなく、全身やメンタルのケアも含めて、日々の疲れを心身ともにケアしたい」といった潜在ニーズを掘り起こし、アップセルにつなげることができます。
定期販売の成功事例6社
futureshopの「定期購入・頒布会オプション」を活用して定期販売を成功させている店舗さまの事例を紹介します。それぞれの店舗さまが魅力的な商品を販売し、さらに、「定期販売限定特典」「お得な価格設定」「柔軟な配送設定」など、さまざまなサービスを提供して顧客満足度を高めています。各社のECサイトのリンクも貼っていますので、ぜひ参考にしてください。
- クラフトビール「ISEKADO」
- 卵・スイーツ「大江ノ郷自然牧場」
- 雑穀米「&Mel」
- スキンケア「THANN」
- ワイン「ワイングロッサリー」
- 切り花「AOYAMA HANAMO」
クラフトビール「ISEKADO」
オススメ商品を月替わりでお届け
クラフトビール専門店「ISEKADO」は、限定ビールや新作のビールなどを含めて、オススメ商品を月替わりで届ける頒布会を行っています。1ヶ月に届くビールが6本・12本・18本の3種類のコースがあり、すべてのコースは送料無料・初回お届け価格50%OFFで提供しています。
また、看板商品のペールエールに特化した「ペールエール定期便」は、月額プランまたは年間プランでペールエールを割安価格で買うことができます。ISEKADO代表のコラムを会員限定で配信するなど、クラフトビールユーザーにターゲットを絞った、尖ったコンセプトでファンを獲得しています。
※画像引用:「ISEKADO」定期販売ページ
雑穀米「&Mel」
メリットや契約条件を明示して安心感を提供
食品のD2Cブランド「&Mel」は雑穀米の定期販売を行っています。「特別価格」「送料無料」「都度注文が不要」といった定期便のメリットをカートボタンの下に掲載しているほか、契約後に配送頻度を変更できることや、解約に縛りがないことなども説明して安心感を高めています。
※画像引用:「&Mel」定期販売ページ
食品・スイーツ「大江ノ郷自然牧場」
シーン提案で商品の魅力を訴求
高級卵「天美卵」や、卵を使ったスイーツなどを販売している「大江ノ郷自然牧場」は、「天美卵」の詰め合わせが毎月届く定期販売や、スイーツが月替わりで届く頒布会を手がけています。
ブランドの世界観を表現することにもこだわっており、「1日1個の天美卵で健康生活はじめませんか?」「おいしい幸せ 毎月お届け」といったキャッチコピーと写真を通じて、豊かな食生活を想起させるシーンを提示するなど、コンテンツ発信を通じて商品の魅力を訴求しています。
※画像引用:「大江ノ郷自然牧場」定期販売ページ
スキンケア「THANN」
好きな商品を自分のペースで購入可能
タイ生まれのナチュラルスキンケアブランド「THANN」は、スキンケア化粧品やヘアケア、ボディケア、アロマなど約40種類の商品の中から、好きな商品を定期便で購入することができます。商品の使用頻度に合わせて、お届けサイクル(30日・60日・90日間隔)やお届けスキップを商品ごとに選択できるのも特徴です。
また、定期販売ページには商品一覧を掲載するだけでなく、定期便のメリット、お届けまでの流れ、注意事項、よくある質問なども分かりやすく記載して安心感を高めています。
※画像引用:「THANN」定期販売ページ
ワイン「ワイングロッサリー」
ワイン専門店ならではのコンテンツで差別化
ワインのセレクトショップ「ワイングロッサリー」は、社長がこだわり抜いて選んだワインを月替わりで届ける「京都からワイン定期便」を展開しています。「お任せ6本コース」「チーズ2種とワイン1本コース」「赤白2本コース」など、嗜好に合わせて複数のコースから選択することが可能です。
流行や人気だけでなく「本物」にこだわって商品を厳選するだけでなく、テイスティングコメントやワインに合う料理、生産者のストーリーなど、専門店ならではの情報を商品に同梱することで、他店では得られない体験を提供し、差別化を図っています。
※画像引用:「ワイングロッサリー」定期販売ページ
切り花「AOYAMA HANAMO」
1904年創業の生花店、株式会社花茂本店が運営する公式オンランショップ「AOYAMA HANAMO」は、切り花のサブスクリプションサービス「季節の花の定期便」を行っています。
自社のフラワーデザイナーが季節に合わせた花を選び、花束を作った上で、花材の名称や品種などを記載したレシピカードを添えて配送します。配送頻度は「毎週コース」「隔週コース」「月1回コース」の3種類。初回注文時にお客さまのライフスタイルや希望するテイストを質問し、お客さまごとにカルテを作成して最適な花をセレクトするプレミアムプランも人気です。
ECサイトには、色鮮やかで華やかな切り花の写真を多数掲載し、商品の魅力を伝えています。「季節の花の定期便」の新規申し込みのお客さまにオリジナルの花瓶をプレゼントする特典も用意。複数プランの比較表も掲載し、初めてのお客さまでも選びやすいように工夫しています。
※画像引用:「AOYAMA HANAMO」定期販売ページ
今こそ、自社商品のポテンシャルを引き出す定期販売を
EC事業者さまが定期販売を行うメリットは、会員数の増加にともなって売上が安定的に伸びるといった業績面に目が向きがちですが、それに加え、商品を長期的に愛用してくださるファンが増えることにも大きな価値があります。
人間関係の構築がそうであるように、ネットショップとお客さまの関係性を深めるにも時間がかかります。競争が激しさを増しているEC市場において、売れ続けるネットショップを作るには、お客さまと継続的にコミュニケーションを取ることができる定期販売の重要性が一層高まっていくでしょう。
本稿で解説したように、工夫次第でさまざまな商品を定期販売モデルで売ることができます。自社商品のポテンシャルを最大限まで引き出し、リピーターを増やすためにも、定期販売を検討してみてはいかがでしょうか。
futureshopをご使用中の店舗さまであれば、futureshopの管理画面で「システム>各種申し込み」>「オプション追加お申し込み」から申し込むことが可能です。
「オプション追加申し込み」画面にて、キーワード検索窓に「定期」と入力するか、または「定期販売」のタグをご選択のうえ検索いただき、お申し込みください。
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